奇跡体験!アンビリバボー 傑作選【昭和実録事件簿/渋谷銃撃戦/戦後最大冤罪】 2015.10.03


1日におよそ150万人の人々が行き交う繁華街
最先端の流行やファッションをはじめとする若者文化の発信地である
しかし…
ご存じだろうか?
この渋谷でかつて激しい銃撃戦が繰り広げられたことを
JR渋谷駅から徒歩わずか5分
現在ファイヤー通りと呼ばれているこの場所で180発もの銃弾が飛び交った
日本犯罪史上類を見ない凶悪事件
パニックに陥った渋谷
(本部長)まだ撃つな。
市街地ゆえ思うように動けない警察
そんな中命を懸けて戦った一人の警察官がいた
今から49年前の7月29日
事件の始まりは渋谷からおよそ40km離れた神奈川県の大和署に入った1本の通報だった
(警察官)はい。
はい。
危ないからやめさせてほしいというものだった
通報で伝えられた林に警官が到着
そこにいたのは…
(警察官)おっ?
背の高い男
(警察官)おい。
(銃声)
警官が話し掛けるやいなや男は新聞紙で包んでいたライフル銃を発砲
弾丸は警官の胸を撃ち抜いた
さらに男は抵抗する警官を何度も殴ると…
警官が所持する拳銃を手に入れることが男の目的だった
そのために自ら通報し警官を林へとおびき寄せたのだ
さらに瀕死の状態だった警官から制服を奪い…
(男性)上着は着られないな。
逃走を図ろうとしたそのとき
(サイレン)
偶然近くをパトロール中だった警官が2人現場の様子を見にやって来たのだ
(警察官)何だお前?
(警察官)うわー!ううーっ!
焦った男はとっさにそのうちの一人を銃撃し逃走
(警察官)しっかりしろ。
もう一人が緊急事態としてすぐに大和署に連絡
(警察官)犯人は拳銃を持って逃走中。
それを受け…
拳銃が欲しい
ただそれだけが目的だった男がこの後警察7,000人を相手に銃撃戦を繰り広げる史上類を見ない凶悪犯と化す
男の名は小林裕介
当時まだ18歳の少年だった
終戦から2年後東京都内のごく普通の家庭に4人きょうだいの末っ子として生まれた小林
内気で友達もほとんどいなかった彼は当時子供の間ではやっていたおもちゃの銃に興味を持つとそれだけでは飽き足らず改造した傘の柄に花火の火薬を詰め手製の銃を作るほど銃にのめりこんでいった
(小林)バキューン!
その後18歳になると銃所持の免許を取り猟などに使われるライフル銃を手に入れた
当時ライフル所持に厳しい審査はなく申請すれば誰もが持つことができた
しかし射撃場に通ううち…
警察官などごく一部の者にしか所持が認められていない拳銃に強い憧れを抱くようになり犯行を決意したのだ
警官から拳銃と制服を奪い逃走を図った小林
その後近くの民家を訪ね警察のふりをして犯人を追っていると偽り車を出してもらうことに成功
免許を持っていなかったため住人に運転をさせるとそのまま東京方面へと向かった
しかし逃走開始からおよそ30分
小林に想定外の出来事が起こる
(男性)あっ。
気を利かせた男性の判断
しかしここから事件は銃撃戦に向け急速に突き進んでいくのである
実はこのとき…
(捜査員)よし。
(警察官)はい。
現場の警官からの連絡に加え車を出した男性の妻がパトカーも使わず一般市民に車を貸せと言った警官の行動に不信感を抱き通報
車はすでに手配されていたのだ
そのとき…
(男性)うわっ。
小林は偶然停車した車に乗り再び東京方面へ逃走
(小林)くそ。
このとき捜査を開始した警察の様子を捉えた実際の映像が残されている
神奈川県警は捜査員300人。
パトカー7台。
白バイ85台を出動させ東京都の県境を中心に33カ所に検問を設置
しかし…
ラジオを聞き逃走ルートが警察に把握されていると思った小林は捜査をかく乱するため進路を東京方面ではなく神奈川県の川崎市に変更していたのだ
そこで人質を連れたまま新たな車を強奪
乗り換えると2時すぎには東京の小金井市へ到着していた
そのころ強奪された3台目の車の持ち主からの通報で警察はまだ川崎市近辺を捜索していた
そこへ…
(捜査員)よし。
(一同)はい。
パトロール中の警官が川崎市で強奪された車を発見
ついに警察は小林の居場所をつかんだのだ
車を使わずライフルを持ったまま遠くへは行けないとにらんだ警察は検問に当たらせていた警官を公園に集結させた
そんな警察をあざ笑うかのように小林は小金井公園内に車を止めていた男女2人を脅し新たな車を手に入れすでに公園を脱出
元の1人に加え合計3人となった人質と共に再び東京方面へと車を走らせていた
同じころ最初に撃たれた警官が緊急手術のかいなく息を引き取ったという知らせが警察に入った
殉職者を出してしまった警察はさらに…
小金井公園で血眼になって小林を捜し続けていた
一方…
すでに小金井公園を出た小林はついに車を渋谷へと向かわせる
実は警官を撃ったライフル銃を買ったのは渋谷の銃砲店だった
3,000人の警官が配備されたことをラジオで知った小林はそこで大量の弾丸を調達しようと考えたのだ
そのとき小林が小金井公園を出たことを知らない警察は検問に当たらせていた都心部の警官の大半を公園での捜索へと向かわせていた
くそ。
そのころ小林は警戒網が手薄になった都心部へやすやすと進入を果たしていた
途中…
そして…
(小林)出せ。
出せ。
(男性)は…はい。
ついに惨劇の舞台となる渋谷の銃砲店へ到着した
当時の渋谷は前年に行われた東京オリンピックによって急速に発展
渋谷のシンボルともいえるスクランブル交差点もこのときすでに今と変わらない形をしている
1日におよそ64万人が訪れる大都市が形づくられていたのだ
事件が起きたのも平日の午後6時すぎ
帰宅ラッシュとも重なり多くの人でごった返していた
銃砲店は渋谷駅から徒歩わずか5分ほど
現在はファイヤー通りと呼ばれるファッションストリート
そこに並ぶ2階建てのビルの1階にあった
隙を見て人質が逃走
(小林)あっ!
(男性)助けてください。
(2人)えっ?
2人が駆け込んだのは向かいの消防署
現在も残されている建物だ
隊員はすぐに警察に通報
ここでようやく小林が小金井公園ではなく渋谷にいると知った警察は直ちに全捜査員を急行させた
(アナウンサー)犯人はさらに車を乗り換え渋谷に姿を現したという知らせを受け警官隊はきびすを返して急ぎ現場に向かいました。
そのころ…
3カ月前にもこの店でライフル銃を購入していた小林は常連客の一人だった
(店員)お姉ちゃん。
(店員)大丈夫。
大丈夫だからね。
通報から数分後警官隊600人。
ヘリ2台
そしてパトカー150台が渋谷に到着
警察はついに小林を完全に包囲した
渋谷の銃砲店を完全包囲した警察
ちょうどそのころ現場に近い原宿署にも応援要請がかけられた
(捜査員)招集だ。
集まれ。
(一同)はい。
その中の一人原宿署の若手刑事緒方保範
血気盛んで正義感も人一倍強いこの男が…
(緒方)分かりました。
後に警察7,000人を相手に取った少年に命懸けで立ち向かうことになる
(たけし)たった一人の少年によって大都会渋谷がこの後惨劇の舞台となります。
今の渋谷からは想像もつかない銃撃戦。
街じゅうを飛び交う180発の弾丸の中で緒方刑事が取った行動とは?
(たけし)命を懸けて戦う彼に過酷な運命が待ち受けていました。
(剛力)およそ50年前の渋谷で起こった事件ですが。
(設楽)あのファイヤー通りってよく行きません?あの辺ね。
(渡辺)買い物したりします。
(設楽)洋服屋さんあったりね。
(北斗)タワーレコードとか。
(設楽)まあちょっと。
(渡辺)近くですよね。
(日村)消防署ね今でもある。
(設楽)あんなところで。
(剛力)そうなんです。
(日村)知らなかった。
(剛力)今もしここで起こったら想像できますか?
(設楽)いやいやいやいや。
(日村)いやいやいやいや。
(設楽)渋谷でそういう。
渋谷でというよりも都心のそういうところでそんな危機感とかないよね?
(日村)正直ね。
(渡辺)思ってないですよね。
(日村)みんなね。
うん。
そうですね。
(北斗)何かみんながいつも楽しそうにいる街というイメージが強いからかな。
(日村)うん。
(剛力)この後渋谷どうなってしまうと思いますか?
(設楽)いや。
これホント弾とかいっぱいあるからね。
(剛力)そうなんですよ。
(渡辺)でも思ったより警察の方がかなり出てるので一気にばってお店に入ったら収束する可能性も。
(渡辺)いるけど。
(設楽)いっちゃう?
(渡辺)いっちゃう。
(設楽)こうやってるのに?
(渡辺)うーん。
何かどっかのタイミングを見計らって。
やっぱり銀行強盗とかあってもタイミング見てばって大勢で入って収束したりとかすることもあるので。
(日村)まあね。
結果それで収束ってこともあるよね。
(北斗)ただ何ていうんですか?山小屋みたいに立てこもってるわけじゃないからあんな人の多いところだと。
(北斗)これいつの時代も変わんないと思うんですけど…。
(北斗)周りに。
(設楽)そうだ。
渋谷ですもんね。
まあまあそういう人も出てくるかもしんないっすね。
(日村)そうでしょうね。
(剛力)事件はこの後どうなるのでしょうか?
(剛力)続きをご覧ください。
小林が立てこもった店の周囲には…
店の背後の山手線は流れ弾が当たる可能性があり…
渋谷は一瞬にしてパニック状態に陥った
警察は銃砲店から半径150mの範囲を完全封鎖
ライフルの弾が届く距離であることは分かっていたが押し寄せるやじ馬をそれ以上遠ざけることができなかったのだ
午後6時25分
原宿署の緒方刑事らも現場に到着
すでに小林は包囲した警官隊に銃を乱射していた
同じころ警視庁から派遣された捜査員により緊急捜査本部が設置された
捜査本部は人質の安全を考慮
まずは事態を静観するよう指示を出した
警官は店を包囲するように距離を保ったまま配置され緒方刑事も店から数十m離れたこの位置で待機していた
(小林)離れろ。
捜査本部の指示に従いまずは犯人を刺激せぬよう車両の陰から様子をうかがった
(小林)こいつがどうなってもいいのか?
そこで緒方刑事は…
様子をうかがいつつ隙を見て犯人に一歩でも近づこうと考えたのだ
しかし…
(銃声)
(悲鳴)
しかし…
(銃声)
(悲鳴)
(一同)おい。
大丈夫か?
同じように移動しようとした警官が狙い撃ちされてしまった
射撃経験のある小林はやみくもではなく狙いを定めて撃っていたのだ
すでに警察車両や一般車にも数十発の銃弾が撃ち込まれていた
(小林)下がれ!
人質の安全を考え慎重に行動する警察
だがここは渋谷のど真ん中
(怒声)
いつしかやじ馬の数は5,000人近くにまで膨れ上がり封鎖さえ破られそうな状態になっていた
それでも警察は必死に抑えていたのだが
(悲鳴)
(一同)大丈夫か?救急車呼んで。
ついにやじ馬の一人に流れ弾が当たってしまった
(緒方)先輩。
人質の命を考えれば指示どおりむやみに動かない方がいいかもしれない
しかしこのままでは…
そこで現場の警察は犯人を確保できる距離まで一気に近づく作戦に出た
だが…
(銃声)
(緒方)下げて下げて。
一歩間違えば弾丸の餌食
まさに現場は生と死のはざまであった
小林の凶弾はさらに次々と警官や記者やじ馬などを襲撃
立てこもりからわずか30分で警官5人の他やじ馬や報道関係者など10人もの人間が撃たれ重軽傷を負った
(捜査員)本部長。
(本部長)何!?
籠城からすでに50分
捜査本部の指示を待っていてはチャンスを逃してしまう
そう考えた緒方刑事は…
まずは犯人の死角である路地に入りこみ隙を突いて突入しようと考えた
とそのとき
小林は時折…
弾切れならばすぐには出てこない
緒方刑事はそのタイミングを狙って路地へと移動することに
果たして…

路地に飛び込むことに成功
だが…
緒方刑事の元に投げ込まれたもの
いったいそれは?
この後事態は想像を超えた展開に
その驚愕の結末とは?
(設楽)すごい。
(剛力)渋谷の街で銃撃戦。
まさにアンビリバボーな事件ですね。
(設楽)ばしばし撃ってた。
(剛力)すごかったです。
(設楽)10m。
刑事さんがいたとこ。
10m先でライフルあんなぶっ放してるところでよく。
(日村)いやぁ。
怖い。
(北斗)10mって結構近い。
(渡辺)相当近いですよね。
(設楽)近い。
10歩ぐらいだから。
(日村)お客さんより近いか。
(設楽)近いんじゃない。
ここでライフルばしばし撃ってるやつがいて。
車のドアだけでよくいれるよね?
(日村)ねえ。
(北斗)ホントに。
でももう…。
だってやじ馬5,000人もいて警官が手をつないでとめたって。
(北斗)こんなことしたって押せよ押せよで前の人が撃たれてるの後ろの人分かってなかったらもっと見たいもっと見たいって見たい見たいのその一歩が150mからどんどんどんどん近づいてきちゃうじゃないですか。
だからもう…。
やじ馬もみんな。
渋谷を恐怖のどん底にたたき込んだ事件。
その衝撃の結末とは?続きをご覧ください。
店先まであとわずかという路地に飛び込んだ緒方刑事
犯人までもう一歩
と思われたそのとき
それは機動隊が放った催涙弾だった
捜査本部はこれ以上長引けば事態はさらに悪化すると判断
(小林)くそ!サツの野郎。
現場は混乱し…
催涙弾もそうだった
路地には瞬く間に煙が充満
やむなく店の裏側へ移動した
すると…
店の裏手にあった小さな窓
そこからは何と…
小林の姿が
この位置からなら気付かれずに銃で仕留められる
しかし…
このとき報道用のヘリコプターが上空を飛び交っていた
小林は今にも人質を撃ちかねない状態だった
(小林)ぶっ殺すぞ!
今しかない。
緒方刑事が決意した。
そのとき…
(小林)ぶっ殺すぞ!
興奮する犯人に緒方刑事が銃を向けようとしたそのとき…
店の中にいる人質を考慮し現場ではまだ発砲が許可されていなかったのだ
(緒方)くそったれ!
一方店内には犯人をあぶり出すべく続けざまに催涙弾が投げ込まれていた
そして小林はついに行動を起こす
緒方刑事は銃砲店の裏手を路地とは反対側に移動
すると…
(緒方)よし。
それは隣の建物の裏窓だった
そこから正面入り口へ移動
銃砲店の様子を見るとそこに…
(小林)死にてえのか!
小林の姿を捉えた
小林が外に出てきたものの予備の銃を持たせた男性を盾に発砲
後ろには弾の箱を抱えた女性2人も連れていた
今撃たなければ逃げられてしまいさらなる混乱を招く可能性が高い
しかし…
このままではパトカーで逃げられてしまう
とそのときだった
(小林)早くしろ!おい!
女性店員が恐怖のあまり動けなくなってしまった
その瞬間
予備の銃を持ち前を歩かされていた店員が
(小林)この野郎!
(小林)くそったれ!
(緒方)《今しかない》
そしてついに…

小林が最初に強奪した拳銃だった
(銃声)
心肺に近い背中の左上部を撃たれた緒方刑事
拳銃にはまだ弾が入っていたのだ

今までの情報から拳銃の弾切れを察知した警察官が次々に覆いかぶさった

最初の警官襲撃から実に8時間余り
緒方刑事の決死の突撃によって…
ついに小林は逮捕された
警察機動隊を合わせた出動人数…
180発もの弾丸が飛び交った市街戦
逮捕直前の瞬間を捉えた写真には背中を撃たれた後最後の力を振り絞り犯人に銃を向けた緒方刑事の姿が写っていた
日本犯罪史上類を見ない凶悪事件
犯人は18歳の未成年ということが社会に大きな衝撃を与えた
人格のゆがみによる残虐さは矯正できないと…
未成年に対しての死刑判決は当時異例中の異例であった
そして現在
われわれはこの事件を詳しく知るある人物に話を聞くことができた
(スタッフ)そこで何が?
われわれに事件の詳細を語ってくれたこの人物こそ…
緒方保範さん
そう。
彼は生きていたのだ
あのとき緒方さんが背中に受けた銃弾は右の脇腹近くで止まった
だが軌道があとわずかそれていれば脊髄を破壊し死の危険さえあったという
(緒方)連れていかれるのを見ていて…。
感じだったですね。
(設楽)よくいったよね。
(剛力)そうですね。
(設楽)でもあのピストルで撃たれたときまでさライフルすごい撃ってるから「ピストル持ってんだ。
まずい」と思いましたね。
(日村)確かにそうだね。
(渡辺)緒方さんの勇気というかあんなにパニックの状態であんなにしっかりと判断できてタイミングとかも全部自分で決めていったというのがすごいことだなと思って。
(設楽)こんな衝撃的で。
(設楽)こんな渋谷っていうね今は当たり前の…。
みんなが買い物行ったりご飯食べ行ったりする街で起きたなんて映画とか見てるみたい。
何かホントにあったことだってちょっと思えないよね。
(渡辺)だからこそ安心して普段生活しちゃってますよね。
あのう。
こうやって銃の規制が強くなったとしてもああいう渋谷とかに買い物行こうよとかって。
私なんかおばちゃんだけど若い子とか行ってまさか…。
(設楽)都会ってそうかもしれない。
全然知らない人たちがいっぱいいる中で結構…。
(渡辺)それこそホントに普段。
例えばスマホをいじりながら歩いたりとかもするんですが。
何かそのときに後ろからぱって何かあったらやっぱり気付けないだろうし。
(北斗)私はもうホントに。
埼玉じゃない?息子が高校生になって渋谷とか例えば新宿とか友達と行くっていったときに「気を付けて行くんだよ」の後に絶対必ず言うことがあるの。
人とぶつかったときは必ず謝れと。
とにかく謝りなさいと。
「すいません」と何度も言われてそれ以上言ってくる人はほとんどいないと。
だから謝りなさいって。
そういうことぐらいしか。
(設楽)でもちゃんと危機管理というか。
少し注意を促してるんですね。
(北斗)やっぱり何があるか分からない。
やっぱりあのう。
もうちょっと危機を持っていなければいけないんじゃないかなと。
(剛力)事件から間もなく50年。
緒方さんは今何を思うのでしょうか?最後にこちらをご覧ください。
警察7,000人を相手に銃撃戦を繰り広げた一人の少年。
そこへ命懸けで立ち向かった緒方刑事。
彼を動かしたものとは?そこには警察を退職した今も揺るがない信念がありました。
警察官の立場になれば使命感に動かされる警察官ばかりだと思います私は。
常識では考えられない出来事アンビリバボー。
あなたの身に起こるのはあしたかもしれません。
日々世の中で起こった事故や凶悪事件などを伝える新聞の社会面
時に警察ですら知らなかった真実を報じ世間に衝撃を与えることもある
長年大手新聞社の社会部記者として数々のスクープ記事を物にしてきた井上安正さん
そんな井上さんにとって今も決して忘れることができないある事件があった
大新聞の元敏腕記者が経験したことがないインパクトと語るその事件とはいかなるものだったのか?
発端は今から43年前にさかのぼる

(男性)おい。
井上。
お客さん。
(井上)えっ?
当時某新聞社の東北支社で記者をしていた井上さんの元に安田という見知らぬ男が訪ねてきたのだ
(井上)はっ?
それはそこからさらにさかのぼること22年
地元の旧家高島邸
その離れに間借りしていた大学教授三浦氏宅で事件は起きた
時刻は深夜11時すぎ

(あき子)はっ!?
(母)あき子!あき子!
(刑事)はい。
どいて。
(刑事)どいたどいた。
殺されたのは三浦教授の妻あき子
事件当夜弘前大学に勤める夫は出張のため外出中であき子の母が群馬から訪れていた
娘と孫の3人で川の字に寝ていたところを襲われたのだ
あき子は頸動脈を切られており即死状態であった
閑静な田舎町で起きた凄惨な殺人事件
住民たちの不安を一刻も早く収めようと弘前市警による懸命な捜査が開始された
事件から1週間後
23歳の男性が逮捕されたがその後アリバイが成立して釈放となった
犯行現場周辺には点々と血痕も残っていたのだが結局有力な手掛かりはつかめず新聞などのマスコミ各社も迷宮入りかと書きたてた
(刑事)ハァー。
そうか。
(刑事)あのう。
(刑事)何だ?
(刑事)ああ…。
ええ。
それは刑事たちが近所への聞き込み捜査を行っていたときのことだった
(女性)もうびっくりしましたよ。
(女性)えーと。
その日はね…。
男の名前は…
事件現場の近所に住む無職の男だった
(刑事)そうか。
(刑事)だが…。
じゃあな。
(刑事)単純に…。
(刑事)えっ?
(刑事)ねえ?
(刑事)ああ。
いたいた。
那須はなぜか刑事たちの行く先々に現れ捜査状況について聞き回っていたという
さらに…
(那須)すいません。
ただ…。
(刑事)いいから。
いいから。
(那須)えっ?
(刑事)ああ。
(那須)あっ。
(刑事たち)はい。
このときはあくまで確認のつもりだった
だが…
(刑事たち)えっ?
(男性)はい。
(刑事)課長。
(刑事)おお。
(刑事たち)えっ?
(刑事)何だと?
捜査本部はにわかに色めき立った
警察は那須隆を…
彼の友人知人などから身辺を徹底的に洗いだすこととした
だがもちろんアリバイ証言が偽りだったというだけでは逮捕はできない
犯行の決め手となる物的証拠が必要だった
すると…
那須が友人の家に置いていったという白いズックシューズだった
(刑事)おい。
このとき刑事が発見したもの
それは…
(刑事)そうか。
刑事は友人宅に置かれていた那須の靴に赤黒い染みを発見
鑑識の結果それが人間の血痕であることが分かったというのだ
こうして警察は…
すると…
おい。
お前。
(那須)あっ。
あっ。
ああっ。
すいません。
(刑事)家?
(那須)はい。
(刑事)那須君。
(那須)えっ?えっ?
結局那須の証言はその後も映画に行っていた公園にいたなど二転三転
しかもそれらの言葉を証明するものは最後まで何も出てこなかった
そして…
その後行われた家宅捜索によってついに動かぬ証拠が発見されたのである
それは逮捕当日に那須が着ていた白いシャツ
実は逮捕のきっかけとなった白い靴から検出された血痕は微量でその血液成分までは分からなかった
だがこのシャツにははっきりと血のような染みが付着していたという
そして専門家の分析の結果その染みからは那須隆のものではなく殺されたあき子さんと同じ血液成分が検出されたというのだ
それは紛れもなく…
その後の裁判でも結局この血痕鑑定が決め手となり那須隆には殺人罪で懲役15年の判決が下された
当初犯行を否認していた那須も…
(男性)おお。
(井上)じゃあ…。
(男性)いや。
(井上)いや。
違うんです。
いや。
だって…。
(安田)井上さん。
(たけし)しかしこの日新聞社に訪れた謎の男によって事態は大きく動きだします。
彼はいったい何者なのか?そしてその目的とは?この後戦後最大のスクープともいわれた実録事件。
知られざる全貌に迫ります。
(剛力)20年以上も前に解決したはずの殺人事件が。
(剛力)それは一人の新聞記者のスクープによって予期せぬ展開を迎えることになります。
(設楽)何か時代がどんどんこうね。
(剛力)そうですね。
(藤本)何でやったって言ったんだろう?
(設楽)取り調べで詰められて言ったんじゃないの?
(藤本)この野郎的なことでですか。
(あき)15年も何か刑に。
(設楽)もうだから終わって。
(日村)終わってるんだよね?
(設楽)刑も要は。
(藤本)そうですよね。
22年後にあの人が来て言ってるってことはもう出てますもんね。
(設楽)そうだね。
(日村)とっくに出てる。
(剛力)謎の男が。
その証言がホントだとするとやっぱり気になるのは靴やシャツに残っていた血痕。
付着していた血痕。
(日村)靴のはちょっと人間かどうかぐらいしか分かんないっすけど。
(剛力)微量。
(日村)服のは完全に。
(剛力)はい。
鑑定結果では被害者のものだと判明。
(設楽)えっ?
(藤本)そうですよね。
(設楽)もう。
じゃあ完全なる証拠だね。
(日村)誰なんだろうね?あの安田ね。
(剛力)そうですね。
逮捕から22年後
新聞社に現れた謎の男によって事件は再び大きく動きだすことになる
(安田)違うんですよ。
それは安田が新聞社を訪れる数日前のことだった
その家はなぜか表札がなくまるで人目を避けるかのようにひっそりと立っていた
(ノック)
(安田)あの。
こちらが那須隆さんのお宅で間違いないでしょうか?
(那須)どちらさまですか?帰ってください。
(安田)ちょっと待ってください。
(安田)あなたが!
(那須)えっ?
(那須)えっ?実は…。
それはあの事件が起きた翌日のこと
(須藤)あっ。
(那須)こりゃいったい…。
殺された!?
警察が駆け付けたとき犯人はすでに逃走
まだその目星さえまったく付いていないということだった
このとき那須さんはあることを思い付いた
彼のこの行動には理由があった
平安時代源氏と平氏の戦いにおいて平氏の舟の上に立てられた扇を射抜いたことで有名な…
実は彼はこの那須与一直系の子孫で…
地元の名門中学を卒業後警察が持つ電話回線の管理を請け負う仕事をしていたが事件4年前の敗戦でその組織自体が解体となり職を失っていた
でも…。
(那須)それで…。
(那須)でも…。
(安田)はめられた?
那須さんがそう思うのも無理はない
22年前日本中を揺るがせた弘前事件
それは不運の連鎖によって引き起こされた悪夢のような冤罪事件だったのである
22年前日本中を揺るがせた弘前事件
それは不運の連鎖によって引き起こされた悪夢のような冤罪事件だった
事件発生直後警察は誤った人物を逮捕した一件で世間からの批判にさらされメンツは丸つぶれ寸前だった
ちょうどそんなとき偶然彼らに近づいてしまったのが那須さんだったのだ
(那須)あっ。
その後自宅にいたことを思い出すのだが
警察はその証言をまったく相手にしなかった
だがもちろん那須さん逮捕の理由はそれだけではない
(安田)えっ?
実は科学的に立証されたと思われた証拠にも多くの疑問点が存在したのだ
まず逮捕のきっかけとなった靴に付いていたという血痕
不可解なことに血痕が付着していたことを示す鑑定書は裁判に提出されなかった
そもそも…。
(刑事)おい。
そしてもう一つ
那須さんが逮捕当日に着ていた被害者の返り血が付いていたというシャツ
確かにシャツには染みが残されていた
だがこの鑑定結果にも疑問が残されている
まず…
那須さんが逮捕されたのは…
もし彼が犯人であるならばその間血の付いたシャツを一度も洗うことなく自宅に掛けていることなどあり得るだろうか?
実はシャツを鑑定した医師の中にはあの染みを血痕と断定できず判別不可能という結果を出した者も複数いた
しかし当時の警察や検察は納得のいかない鑑定結果が出ると別の医師を雇い被害者の血痕反応ありという結果が出るまで再鑑定を繰り返したのである
そもそもこの時代科学捜査はまだ始まったばかり
鑑定技術も確立されていたわけではない
だが…
裁判所は提出された鑑定結果を最新の技術に裏付けられたものと位置付け那須さんの供述よりも…
そして控訴上告するも事件から4年後最高裁で懲役15年の有罪判決が確定した
(安田)でも那須さん。
(那須)認めたかったわけないでしょう!
逮捕以降一家は殺人犯の家族という目で見られ…
だが…
息子の無実を証明するためには裁判のやり直しを求めるしかない
多額の弁護士費用を捻出するため家族は平安時代から代々伝わる家宝まで売りに出した
どんなにさげすまれても貧しくても…
あの事件と闘っていたのは那須さん本人だけではなかった
しかし事件から12年後のこと
まだ…
突然心臓まひに襲われそのまま帰らぬ人になったという
高齢の両親を支え一家の大黒柱として働いてくれていた弟の死は那須さんの心を大きく揺さぶった
罪を認め反省の意を示せば仮出所までの期間がわずかでも短縮される
これ以上家族に迷惑は掛けたくない
その思いが那須さんに苦渋の決断をさせた
自ら罪を認めたことで刑期が1年短縮された那須さんはこの日14年ぶりに外の空気を吸った
25歳のときに逮捕された彼は39歳になっていた
(おえつ)
これが那須隆さんの身の上に起こった…
(那須)やめてください。
(安田)確かに…。
(安田)でも…。
(那須)えっ?
(安田)ええ。
(那須)えっ!?
(那須)えっ!?
(那須)それよりあなたは。
あなたは…。
須藤。
須藤。
突然告げられた衝撃の事実。
そしてなぜ今になって名乗り出たのか?この後はいよいよ誰も知らなかった事件の真相が明らかとなります。
発生から22年の時を経て明かされる封印されてきた事件の真相とはいったい?
実は半年前安田正は宮城刑務所に収監されていた
安田は地元仙台で名の知れた不良ではあったが曲がったことが嫌いで何より世話好き
実はこのときも友人をかばって自分が刑務所に入っていたという変わり者だった
そしてこのころ塀の外で日本中を騒然とさせたある事件が起こる
当時人気作家だった三島由紀夫が陸上自衛隊の総監室に立てこもり…
自衛隊員たちにこう訴えたのだ
だが結局三島は目的を果たせず割腹自殺をした
その行為には多くの批判もあったのだが…
このとき安田の入っていた刑務所の中に罪の意識にさいなまれていた男がいた
命を張って自らの正義を貫いた三島に比べ欲望に負け身勝手な犯罪を犯し自らをごまかし続ける自分
この男こそ…
(須藤)あっ。
どうも。
隆さん。
(那須)これはいったい何があったんだい?
22年前のあの日
那須さんの家の近所に住んでいた須藤勲だった
(須藤)あっ。
どうも。
隆さん。
(那須)これはいったい何があったんだい?
事件があったあの日
那須さんの家の近所に住んでいた須藤勲だった
(安田)おいおい。
(須藤)そうじゃねえんだ。
事件が起こった当時
須藤は父親が営むミシン工場の修理工として働いていた
得意先に地元の名士高島家があり…
いつしか…
そして…
あの夜
思いを抑えきれなくなった須藤は彼女の屋敷に忍び込んだ
だが…
仕方なく帰ろうとしたとき
偶然目に入ったのが離れで寝ていた三浦教授の妻あき子だった
その日あき子は母親と子供の3人で川の字になって寝ていたのだが
このとき須藤の位置からは…
少し触るだけ。
軽い気持ちだった
だがこの後須藤にとって予期せぬことが起こってしまう
(あき子)ひっ!?
あき子が気配を感じて目を覚ましてしまったのだ
気付いたときには持っていた護身用のナイフを喉元に突き刺していた
隣で寝ていた母親も暗がりのため慌てて逃げる須藤の顔を見ていなかった
そして後日
須藤は知人に頼み込み事件当日のアリバイを証言してもらい早々に警察の容疑者リストから外れることにも成功した
だが自ら狂わせた人生の歯車は元には戻らずその後も犯罪を繰り返し結局人生の大半を刑務所で過ごすような日々を送っていたのだ
(安田)そういうわけでして…。
その後2人は知人の弁護士に須藤を紹介し早速…
さらに再審請求実現のためには…
事件から22年後
その事実は井上記者によって独占スクープとして発表され世間を騒然とさせた
そして…
6年後の…
いわれのない罪で捕らえられ14年間の服役生活を送った那須隆さんに再審無罪の判決が下った
そして無罪確定のこの日
人目を避けるため事件から28年間ずっと外されていた那須の表札が再び玄関にかけられたのである
(剛力)長い長い闘いはこうして幕を下ろしましたが28年という年月を考えると素直には喜べないですよね。
真犯人っつうかちゃんと分かったわけでしょ?でも後のフォローって何かあったんでしょうかね?無罪判決からしばらくして那須さんは当時の検察官を相手に国家賠償を求める裁判を起こしたんですがその結果残念ながら全面敗訴になってしまった。
(設楽)敗訴?
(剛力)はい。
不自然な鑑定を基に裁判が行われたわけなんですが…。
おかしいわ。
真犯人が出てきてるのに。
(設楽)でも時効が成立してるから須藤はあの件に関しては別にないんだよね。
(剛力)何もなく。
(あき)時効がね。
(設楽)それをメーンで動いてた世代が。
あの事件ほとんど知らなかった新聞記者さんとかそういう人が動いて明るみに出たってことでしょ。
(剛力)はい。
(設楽)すごいね。
時代も変わって。
新聞記者として今回の事件を世間に報じた…
井上さんはその一連のスクープ記事に関して1977年新聞記事における最高の名誉である菊池寛賞を受賞
現在は作家として活動し3年前には弘前事件を扱った著書も出版した
那須さんの冤罪を晴らすきっかけをつくった…
安田さんはその後群馬県に研究所を構え環境省エネ関係の特許を200以上も取得
華々しい活躍をした後5年前惜しまれつつ亡くなった
そして…
事件の当事者である那須隆さんもその前年である2008年1月家族にみとられながらこの世を去った
那須さんは息を引き取る際「自分の死を誰にも知らせてはならない」と家族に語っていたという
それは家族があの忌まわしい事件のことで再び世間の目にさらされることを心配してのことだった
その遺志を守るために今回ご家族に取材することはかなわなかったが同じような悲劇が起こらない教訓として取り上げてくれるならと特別に放送を了承していただいた
現代の捜査においても科学的物証は…
だがそこに全ての真実があるとは限らないのである
2015/10/03(土) 15:30〜17:25
関西テレビ1
奇跡体験!アンビリバボー 傑作選[字]【昭和実録事件簿/渋谷銃撃戦/戦後最大冤罪】

昭和の実録事件簿!『渋谷が戦場になった日!!恐怖の銃撃戦8時間!繁華街で180発乱射!少年1人VS警官7000人!』『冤罪で失われた14年…証拠は捏造された?』

詳細情報
番組内容
(前半)事件の始まりは、警察署に入った1本の通報だった。空気銃を撃っているという通報を受け、警察官が現場に向かうと、現場にいた男が突然ライフルを発砲。実は通報したのはこの男本人。2人の警官を襲った男はライフルと拳銃で武装し逃走。その男は幼い頃から銃に憧れを持ち、銃を撃ちたいがために自衛隊を受験するも不合格。劣等感とともに銃への欲求を募らせていた…18歳の少年だった。逃亡した男は警察の検問を
番組内容2
かいくぐって、渋谷の銃砲店にたてこもってしまった!銃砲店の周囲には数千人の野次馬や報道陣が殺到し、渋谷の街はパニック状態に!店は警察官600人によって完全封鎖され、現場は緊迫した状況に。人質を盾に警察官に向かって発砲する男。一刻を争う事態に、1人の刑事が意を決して、とある行動に出る!
(後半)「戦後最大とも言われた、冤罪事件」をお届けする。ある日、大手新聞社に勤める記者の元に、22年前の殺人事件に
番組内容3
関してある情報を知っているという男が訪ねてきた…その事件とは、医科大学の教授の妻が何者かに殺害された事件だった。そして、警察の捜査の結果1人の男が容疑者として浮上し、その男の靴とシャツから殺害された妻のモノと思われる血痕が検出された。男は逮捕され、懲役15年の判決が下された。解決したはずだったこの事件、記者の下に現れた男が言うにはその男は無罪でその事実を裏付ける決定的証拠があるという…。
出演者
【ストーリーテラー】
ビートたけし
【スタジオメンバー】
剛力彩芽 
設楽統(バナナマン) 
日村勇紀(バナナマン)
【前半ゲスト】
北斗晶 
渡辺早織
【後半ゲスト】
あき竹城 
藤本美貴
スタッフ
【プロデューサー】
角井英之(イースト・エンタテインメント)
【演出】
藤村和憲(イースト・エンタテインメント)
【編成企画】
清水麻利子

ジャンル :
バラエティ – その他
ドラマ – 国内ドラマ
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 1/0モード(シングルモノ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32724(0x7FD4)
TransportStreamID:32724(0x7FD4)
ServiceID:2080(0x0820)
EventID:35209(0x8989)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: