今回このほかにも
たくさんのせっかくグルメを紹介していただきました
皆さんホントにありがとうございました
異例の延長戦となったTPP=環太平洋パートナーシップ協定の閣僚会合。
3日目になってようやく、全体会合の撮影が許された。
残った最大の懸案は薬の特許を保護する期間。
製薬会社の利益を守りたいアメリカは10年以上と強く主張してきたがここに来て譲歩を見せたことがわかった。
後発薬、いわゆるジェネリック医薬品を普及させるため、5年程度を求めるオーストラリアなどに配慮し、原則5年、試用期間3年で実質8年という妥協案を提示した。
しかし、新興国を説得し切れていないため調整は夜を徹して続いている。
一方、そのほかの懸案だった自動車の関税の扱いやニュージーランドの乳製品の輸入拡大は決着が近づいている。
ただ、議長国のアメリカが新たに砂糖について言及するなど難しいとされていなかった分野が再び争点になる可能性もある。
各国は日本時間の明日の早朝、会見を行う方向で調整しているが、世界のGDPの4割を占める貿易圏が生まれる歴史的合意となるのか、タイムリミットは迫っている。
1億総活躍社会というスローガンを聞いて社会的弱者が置かれている現実をこの人たちは果たしてわかっているのだろうかという疑問も持ってしまいました。
今日の特集でお伝えしますが、続いてはこちらのニュースです。
バングラデシュで3日、日本人男性が何者かに射殺される事件がありました。
現地では今週、イタリア人が射殺され過激派組織イスラム国を名乗る犯行声明が出る事件があったばかりだった。
ロイター通信によると射殺されたのはホシ・クニオさん65歳でバングラデシュのランプルで3日、何者かに胸などを撃たれ殺害されたとのこと。
これまでのところ犯行の目的はわかっていない。
バングラデシュでは先月28日にもイタリア人の男性が何者かに銃で撃たれ死亡する事件があった。
過激派組織イスラム国を名乗る組織が犯行声明を出していて、現地の日本大使館でも外出の際は注意するよう呼びかけていた。
違法な迂回献金の疑いで前会長らが逮捕された日歯連=日本歯科医師連盟がおととしの参院選で、職員に選挙運動の報酬として250万円を支払った疑いがあることがわかりました。
日歯連の前会長ら3人はおととしの参院選の際、自民党の石井みどり参院議員を支援する政治団体に別の団体を迂回し、法律の上限を超える寄付を行った疑いなどで逮捕された。
関係者の話で、この選挙で支援者名簿の作成などを行った日歯連の職員に報酬250万円が支払われていたことが新たにわかった。
会計責任者だった村田憙信容疑者は後援会活動に関する報酬だと供述しているとのことだが、東京地検特捜部は、公職選挙法違反の疑いもあると見て調べている。
この事件について先ほど、海外公務から帰国した石井議員はコメントしなかった。
特捜部は石井議員に対しても任意での事情聴取を要請している。
続いて、シリアでのロシア軍の空爆をめぐる各国の動き。
ロシアのプーチン大統領は2日、ドイツやフランスなどの首脳と会談し空爆は過激派組織イスラム国への攻撃であることを改めて強調した。
一方で、アメリカのオバマ大統領はロシアを批判しました。
欧米などがロシアの爆撃を非難する中、プーチン大統領は首脳会談の場でロシアの行動を正当化して見せました。
プーチン大統領は、フランスのオランド大統領との二者会談の際、爆撃はイスラム国に向けられたことを強調した。
これに対しオランド大統領はプーチン大統領とは攻撃すべきはイスラム国の支配地域だけと話したとロシアにクギを刺した。
また、ドイツのメルケル首相は軍事作戦だけで紛争は終わらない、政治的解決が必要だと述べロシアを牽制した。
ロシアは2日にもシリア領土で6回の爆撃を行ったと発表。
これまで発表された標的には反体制派の支配地域も含まれていることからイスラム国だけに対する爆撃ではないことが推察される。
アメリカのオバマ大統領はロシアのシリアでの爆撃について泥沼に引き込まれるだけだと批判した。
その一方で、シリアの内戦をアメリカとロシアの代理戦争にはしないと述べ今後もロシアと協議を続けていく考えを示した。
こうした中、アフガニスタン北部のクンドゥズで3日未明、アメリカ軍がNGO国境なき医師団の病院を誤爆したおそれがあることがわかった。
国境なき医師団によるとこれまでに職員3人が死亡、30人の安否がわかっていないとのこと。
クンドゥズは先月末、反政府武装勢力タリバンが一時的に制圧したことから、政府軍と激しく交戦、アメリカ軍が空爆を行っていた。
茨城県内のホテルのエレベーターを故意に停止させ、業務を妨害したとして、シンドラーエレベータの元社員の男が警視庁に逮捕された。
逮捕されたのはシンドラーエレベータの元社員、李雄大容疑者で今年8月、茨城県つくば市のホテルでシンドラー社製のエレベーターを故意に止め会社に原因調査をさせ、業務を妨害した疑いが持たれている。
取り調べに対し李容疑者は容疑を認めているとのこと。
李容疑者はエレベーターの保守点検を担当していて、社内の調査に対し人事に不満があって会社に迷惑をかけようと思ったなどと話しているとのこと。
今年6月から8月にかけて首都圏のマンションやホテルではエレベーターが突然停止し、住民などが閉じ込められるトラブルがおよそ10件相次いでいて、警視庁は、李容疑者が関与していると見て詳しく調べている。
日本の阿波踊りの大規模なイベントがフランス・パリの中心部で初めて開催された。
発起人となったのは1人のフランス人だった。
パリ中心部、かつて王宮があったヴォージュ広場。
そこで行われていたのは、日本を代表する盆踊り、阿波踊り。
パリの子どもたちも踊りの輪に加わりました。
すごい熱気です。
徳島から駆けつけた踊り子とともに地元から5000人以上の人たちが集まり一緒に日本の踊りを楽しんだ。
阿波踊りを中心としたイベントが海外で大規模に開催されるのは初めて。
仕掛け人となったのは、日本に住むフランス人ジャーナリストのレジス・アルノーさん。
アルノーさんは10年前、東京・高円寺で阿波踊りに出会い、その魅力を何としても母国に届けたいと1人奔走。
日本政府や大企業にも協力を呼びかけた。
イベントは今年5月に開催予定だった。
しかし、今年1月、パリの週刊誌がイスラム教過激派に銃撃される事件が発生しいったん中止に。
それでもアルノーさんはあきらめなかった。
徳島にフランスの関係者を招き本場を体験させるなど、着々と準備を進め、ついに10年越しの夢が実現した。
本場の雰囲気を再現するため会場にはたい焼きなどの屋台も。
来年は踊り子300人を招きさらに阿波踊りの魅力を広げたいとアルノーさんは言う。
中米グアテマラで大規模な土砂崩れがあり、少なくとも26人が死亡した。
グアテマラの首都グアテマラシティ郊外で現地1日、大雨によると見られる大規模な土砂崩れが発生。
少なくとも26人が死亡した。
また災害当局は125棟の住宅が巻き込まれ最大で600人が行方不明になっている可能性もあるとしている。
グアテマラで発生した土砂崩れとしては過去最悪の規模だとのこと。
ご当地グルメでまちおこしする団体が集まるB−1グランプリが青森県十和田市で始まった。
全国から62の団体が出店してご当地グルメとパフォーマンスで地元をPRする。
人口6万3000人の十和田市におよそ30万人が訪れ、激しい内戦が続くシリアをめぐり米露が激しく対立する中、国外に脱出する難民は増え続ける一方です。
「報道特集」はシリアから幼い子どもたちを連れてドイツに逃れた、ある難民一家の長い道のりを継続的に取材しました。
ご覧ください。
20万人以上の死者を出し多くの難民を生んだシリアの戦乱は国際情勢も絡み、さらに複雑化している。
これはおととい、ロシアがシリア領内で行った空爆直後とされる映像。
ケガをして運ばれる子ども。
瓦礫に埋まった人を助け出す様子も映っている。
今週水曜日にもロシア空軍はアサド政権からの要請を受け、シリアにある過激派組織イスラム国を空爆したとして映像を公開した。
しかしアメリカは、この空爆について、イスラム国の支配地域の外で行われたという見方を強めている。
ロシアがアサド政権と対立する反政府勢力を狙ったと言う。
しかし、ロシアのラブロフ外相は記者からこう聞かれ、不快感をあらわにした。
アサド大統領が率いるシリア政府軍に対しては殺傷能力の高いたる爆弾などで多くの市民が犠牲になっているとして国際社会から非難の声が上がっている。
国連総会でもアサド政権をめぐりアメリカ・ロシアの両首脳は真っ向から対立した。
激しく対立するアメリカとロシア。
シリアからの逃れてきたホザンさん一家と出会ったのは先月初め。
ハンガリーの首都ブダペストの駅だった。
ここはただの駅です。
難民キャンプでも家でもホテルでもありません、何とかしてほしいです。
国際列車の運行が停止され駅は行き場を失った難民たちであふれ返っていた。
ホザンさん一家は妻と幼い子ども2人の4人家族。
駅の通路に泊り込んで3日目だが目指すドイツに向け出発できずにいた。
故郷のシリア・アレッポは過激派組織イスラム国などとの戦闘が続く。
ホザンさんの2歳の長男、アフメッド君。
ようやく階段を1人で上れるようになったが1年前に爆弾が落ちて以来、話をすることができなくなってしまった。
パパ、ママと呼べるようになった矢先だった。
夜中に爆弾の音でアフメッドが起きました、そのとき、母親が泣いていたんですアフメッドは怖かったのでしょう。
それ以降、言葉が出なくなりました8月上旬、自宅近くにも爆弾が落ちシリアから出ることを決めた。
妻とアフメッド君に生後7カ月の長女、サヤちゃんを連れての道のりは1カ月にも及んだ。
これはトルコからギリシャへ地中海を小さなボートで渡ったときの映像。
アフメッド君はおびえていたと言う。
その後、バルカン半島を北上し、ようやくハンガリーにたどり着いた。
この日、ついにブダペストからバスが出ることになった。
すごくうれしい。
これからオーストリア国境に向かってそのままドイツに行けたらいいと思います。
そして3日後…ホザンさん一家の姿はドイツ南部の街、ミュンヘンにあった。
ミュンヘンは難民受け入れの玄関口になっている。
9月だけで13万5000人を受け入れたと見られる。
市民の関心も高い。
難民はそもそも助けるべき存在だと思いますか?彼らはたくさん苦しみましたし、ドイツまでの道のりにも困難がありました。
もちろん助けるべきです。
ドイツが難民を受け入れればほかの国もそれにならいます。
そうなればドイツだけではなく…一方で、ドイツにも外国人排斥を掲げる政治家はいる。
このミュンヘン市議は外国人に対するヘイトスピーチの疑いで警察から警告を受けたこともある。
難民の流入を時限爆弾に例える。
難民の話をするときに、犯罪者とか治安とかテロリズムの話がすぐに飛び出してくるというのは難民の人たちに対して失礼だというふうに思うことはないですか?失礼だとは思いません。
逆に日本人のあなたに聞きます。
剣道の稽古をするなど、日本に関心があるというリヒター議員、日本の難民政策は正しいと主張する。
フランス国境近くの町レーバッハ。
人口およそ2万人の小さな町の一角に多くの難民たちが行き交う。
難民の受け入れ施設がある。
そこで、シリアから一月以上かけて逃れてきたホザンさん一家と再会することができた。
彼らは仮設の建物で暮らしていた。
中には簡易ベッドが並ぶ。
ここでしばらく過ごした後、近くの住宅で暮らすことになっていると言う。
食事は一日に2回支給されます。
水やパン、魚などが配られます。
長女のサヤちゃんはつかまり立ちができるようになっていた。
話すことができなかったアフメッド君は…声は出せるが、まだ話はできない。
生活が落ち着いたら病院に連れて行くつもりだと言う。
今、難民申請をしている。
認定には数週間から数カ月かかると見られる。
安全な環境といい教育、ドイツではすべてがうまくいく。
大量の難民の受け入れを迫られている国際社会。
日本はどうなのか。
今週、国連の一般演説で安倍総理は、シリアやイラクなどから難民を受け入れている周辺諸国などに8.1億ドル、およそ970億円の支援を行うことを表明した。
その後の記者会見では…東京都内、難民問題をテーマにした映画祭が昨日から開催されている。
今年は10回目の節目の年なんですけれども、折からヨーロッパで起きている難民クライシスと言われているような事態を反映してかたくさんの人たちが訪れていますけど、若い人たちが多いのが目につきますよね。
UNHCR=国連難民高等弁務官事務所が主催し、2006年から続いている映画祭。
内戦が続くシリアから国外へ避難することができない国内避難民と呼ばれる人たちの日常を描いたドキュメンタリー映画などが上映されている。
これ、難民映画祭、来たのは初めてですか?初めてです。
日本と遠いところで起こってることではあるんですけれども、今、日本に難民の方がどういう状況なのかっていう情報があんまり少ないじゃないですか、だからそういうのを知らないといけないというのもあるし。
受け入れの人数が少な過ぎる。
申請がたくさん来ているのに対して受け入れている人数が一桁、11人とかそういうすごい少ない数でもう少し難民に寛容になっていかなくちゃいけないと思いますし。
この映画祭で挨拶に立ったのが元国連難民高等弁務官の緒方貞子さんだ。
私も難民高等弁務官をしまして、10年ばかり、今もまた同じようなひどい状況が方々で起こっているこの状況が現実のものであるから、なるべく支援者も増やし、日本も難民を受け入れそして支援を行ってほしいと思います。
緒方さんは1991年から2000年まで国連難民高等弁務官として中東を初めとする様々な国の難民問題に取り組んできた。
難民の受け入れに消極的とされている日本。
去年は5000人の難民申請に対し認定されたのは3人のシリア人を含めわずか11人。
最近、日本政府の難民政策について批判的な発言もしている緒方さん。
映画祭の後、話を聞くことができたイラクへの支援をずっとやられてたから。
だから思い出します。
金平キャスターとともに取材に当たりました宮本記者です。
映像にもありました、言葉が出なくなってしまったアフメッド君を初めホザンさん一家、今はどのように過ごしてらっしゃるのでしょうか?ホザンさん一家なんですけれども、VTRの中にもありましたが、ドイツの西部の町、フランスとの国境に近いレーバッハという小さな町に今も滞在しています。
難民申請をしているところですがまだ認められたという連絡はないようです。
言葉の出なくなった長男の2歳のアフメッド君なんですが、彼を難民キャンプの中のお医者さんに診てもらうために連れて行ったそうです。
そしたら、まだ言葉が出ない原因が詳しくよくわからないと。
お父さんが、ホザンさん一番心配してらっしゃるのは、もしかしたらシリアにいたときの空爆の影響で何らか耳が遠くなったのではないか、耳がもしかしたら聞こえなくなってるんじゃないかというふうに一番心配していました。
ドイツの大きな医療機関に連れて行きたいと言っていました。
同じEUの国々でも難民に対する対応というのは全く違う。
いろんな理由があるんでしょうけどね。
ドイツまでたどり着くことのできた難民の方たちにお話を聞くと、皆さん口をそろえて、ドイツの対応に比べてハンガリーの対応がとにかくひどかったと。
難民キャンプの中でも食事を与えられるときに食料を投げたりとか、そういうこともあったと。
非常に皆さんひどい思いをしたというふうに訴えていらしたんですが、一方でハンガリー政府の関係者に話を聞きますと、私たちの国はドイツのように豊かではないと、ドイツ並みの対応なんてとてもできないんだというのが本音だというふうに言っていました。
こういう経済的な格差に加えて、ハンガリーのような東ヨーロッパの国々は難民ですとか移民を受け入れたという歴史がほとんどありません。
ですので皆さん戸惑っているというのが正直なところなんだろうと思います。
そういう格差がそのまま難民への対応に出てきてしまったのかなと感じました。
ちょっと補っておきますけれども、インタビューに応じてくれたミュンヘン市議会議員ですけどね、彼は70議席のうちの1議席だけを持っている極右政党の議員なんですよね。
彼の言動というのは常に問題視されている人物でその彼が日本の難民政策は正しいと言っているんですよ。
その辺りの意味をちゃんと考えてみるべきだなというふうに思ったんですが、緒方貞子さんはその辺りをすごく理解していてでも、ちっとも姿勢を改めようとしない日本の難民政策に対して怒りをあらわにしているということ、そういう思いがお話を聞いてとてもよくわかりました。
宮本さん、非常に難民の取材の精緻な取材を見ていて、本当にお疲れさまでした。
長寿大国・日本で今、600万人が1人で老後を過ごしています。
ただ、身寄りもなく経済的に行き詰まる人も少なくありません。
やがて1人では暮らせなくなったとき、自分らしい老後を過ごせる場所は残れさているのでしょうか。
行き場のない高齢者の現実を追いました。
およそ1万人が暮らす札幌の市営団地。
入居者の4割が65歳以上と高齢化が進む。
この階段きついんだよね、どっこいしょ。
月9万円の年金で暮らす83歳の女性。
1人での生活だ。
これ私の家族。
22歳で結婚し、息子2人をもうけたが40歳で離婚。
子育てをしながら働きづめの人生だった。
リウマチを患い、手の関節が痛む。
手よかったら、もっとうまいんだよ介護サービス料を払い、掃除や洗濯などはヘルパーに頼っている。
家賃に食費、病院代もあり家計は厳しい。
生きていくということはつらいことだなと思ったね。
苦労をかけた息子たちに頼る気はない。
貯金を取り崩しての暮らし。
思い描いていた穏やかな老後ではなかった。
本当に生きてくってことは大ごとだわ。
昔そんなこと考えたことなかったけどね。
女性のように、1人で暮らす高齢者は全国に600万人。
その4割が1カ月、8万3000円以下の年金収入。
生活保護を受け、老後を1人で送る人は60万人を超え、毎年3万人ずつ増え続けている。
そうした高齢者が身を寄せている老人ホーム。
ここは比較的利用料が安い。
ただ、スプリンクラーがなく、自治体の届出基準を満たしていない。
いわゆる無届け老人ホーム。
認知症が進み、寝たきりの男性。
3年前まで月5万円の年金と生活保護を頼りにひとり暮らしをしていた。
それが外出先で倒れたことで一変。
介護なしでは暮らせなくなった。
男性の収入で入所できたのは無届け老人ホームだけだった。
そしてより手厚い介護が必要となるたび入所先を移ってきた。
男性がこの無届け老人ホームに移り1年がたった今年3月。
老衰のため、息を引き取った。
89歳だった。
施設が最期を看取り、火葬までの一切を手配した。
遺骨は札幌市の霊園に3年間安置され、引き取り手がなければ無縁仏として合葬される。
老後、頼る身寄りもないまま経済的に困窮。
漂流するかのように無届け老人ホームを北海道札幌市、3年前の12月、当時、83歳の女性が徘回中、警察に保護された。
女性が入居していたアパート。
14年間、ここでひとり暮らしだった。
小さなキッチンに12畳ほどの部屋が1つ。
家賃は月3万2000円。
貯金が底をついてからは、厚生年金と生活保護が頼りだった。
女性はここへ帰る途中、他人の家へ上がり込もうとして通報された。
初期の認知症を患っていた。
当時の写真が残っている。
ゴミの指定日を間違え、近所の人にとがめられてから部屋にため込むようになったと言う。
冬の冷え込みで床下の水道管が凍結し、破裂。
噴き出した水で床一面に氷が張っていた。
介護を頼る身寄りもなく福祉担当者らの判断で施設への入所が決まった。
私たちは今もその女性が無事でいることを知った。
宮田たか子さん。
札幌市に届け出のある老人ホームへと移されていた。
大分生活も慣れてきましたか、ここに来て?大分ね、慣れてきた。
だってね、ご飯がね、食べるものは店へ行って買い物をする…ここはもうちゃんとね、自分の嫌いなものは、ちゃんとつくったものを食べれるでしょ。
だからね、文句言えないです。
怒られる、本当。
かつて、札幌の大手百貨店で化粧品の販売員として働いていた。
厚生年金はそのとき加入したもの。
たびたび繁華街に出かけることを楽しんでいた。
今は入所先から1人での外出は止められている。
この日、私たちが付き添うことを条件に許可が出た。
ここ一番懐かしいね、20年以上…働いてきた休みになると狸小路行くでしょ、ここ行ってね。
結婚を二度するも、子どもはなく再婚した夫とは50代で死別。
以来30年近く、宮田たか子さんはひとりで暮らしてきた。
老後は月7万円の年金を頼りに貯金を取り崩し生活していた。
だが家計は苦しく、69歳で生活保護を受けるようになった。
1人暮らししてて一番大変なことって何でした?お金ないことかな。
やっぱりね、自分の子どもがいて旦那がいて、それが一番いいよね。
去年9月、問題が持ち上がった。
宮田さんの生活支援などに当たる小川さやかさん。
ケアマネージャー。
この老人ホームの利用料は食費込みで9万5000円。
これが上がることを小川さんは伝えに来た。
電気料金の値上げが理由だった。
お金がかかりますって。
暖房費ね、1万円かかりますっていうお手紙が来たのさ。
これに1万円かかるから、10万超えるの。
これだとさ、足りないんだ。
月1万円の値上げは重い負担。
この月の収入は10万8520円。
札幌市の生活保護基準額に基づいている。
厚生年金7万1000円だけでは基準に届かない。
不足する3万7000円あまりが生活保護費で支給される。
値上がり後は3000円残るもののそれを上回る支払いがあった。
前に住んでいたアパートの修繕費。
毎月5000円の支払いがあと3年あり、生活の破たんは明らかだった。
どうしようかなって思ってるんだ、どうする?出なきゃいけないっしょ、どうしようもないね、出なきゃね。
札幌の郊外に新たな入所先が見つかった。
利用料は前の老人ホームと同じ。
年金と生活保護費で賄える金額。
ここは自治体の届出基準を満たしていないいわゆる無届け老人ホーム。
後で、ご飯食べたら少し片づける、ご飯食べてからにしよう。
今までのところに荷物ないの?全部これ、大丈夫だよ。
ひとり暮らしのアパートから老人ホームへ。
そして漂流するかのように無届け老人ホームへと移り住んだ。
どうですか、この部屋で慣れそうですか?行くところなかったら慣らさなきゃならないでしょ。
老人ホームの迂回には、自治体への届が必要と老人福祉法は定める。
それには設置基準を満たさなければならない。
既存の建物を再利用する無届け老人ホームは多い。
そのため部屋や廊下の広さ、スプリンクラーなど、基準を満たすことが難しい。
無届けへの罰則規定はあるが適用例はない。
初期投資が少ない分、無届け老人ホームの利用料は安い。
宮田さんの入所先は食費を含め月9万5000円。
入所者7人のうち5人が生活保護を受給。
経済的に困窮する高齢者の受け皿となっている。
別の無届け老人ホームの経営者は、改修コストをかければ利用料にはね返ると話す。
届出のある老人ホームの場合、利用料の平均は15万円。
介護つきでは25万円と高額になる。
低所得でも入所できる特別養護老人ホームもあるが、自治体による整備は進んでいない。
入所待機者は全国で52万人。
自治体も無届け老人ホームに頼らざるを得ない事情がある。
ケアマネージャーの小川さんが様子を見に来た。
調子はどう?調子いいよ。
いいっちゅうか。
荷物どうした?来るって言ったから、どっか行くかと思ってさ。
ごめんね、そういうために来たんじゃないの。
ごめんね、様子を見に来たの。
認知症のため、ここでもやはり付き添いなしの外出は止められている。
老人ホームの基準に対し職員の数が足りず、宮田さんに外出の機会はほとんどない。
町は遠いの?町遠いの。
たくさん乗り換えしないと町には行けない。
行けると思ってたの。
ごめんね。
どうしてもダメなの。
漂流の果て、たどり着いたついの住みか。
今、宮田さんはまるで一日を持て余すかのように老いゆく時間を過ごしている。
東京都墨田区。
およそ6万人の高齢者が暮らしている。
そのうち2万人が1人での老後。
6年前、その墨田区から漂流した高齢者たちがここにいた。
群馬県渋川市の無届け老人ホーム、たまゆらはタバコの火の不始末から出火、建物にはスプリンクラーも火災報知機もなかった。
ここで運営していた。
火災の犠牲者10人のうち6人が墨田区の住民だった。
当時の理事長は管理責任などを問われ2年前、執行猶予付きの有罪判決を受けた。
取材の末、元理事長の所在をつかむことができた。
入所者23人の7割が東京の高齢者で、認知症患者も多かった。
墨田区からは男女15人が入所。
全員が区役所からの依頼だった。
身寄りも年金収入もない路上生活者も少なくなかった。
困窮する高齢者の受け皿のつもりだったと話す。
入所者の徘徊に関する記録。
東京の、行き場なき高齢者たちが次々と送られていた。
たまゆらの火災から6年、あの日、別棟にいたことで危うく難を逃れた元入所者を取材した。
林栄さん86歳。
墨田区役所が受け入れを依頼した高齢者の1人。
福井県から上京し、接客や清掃員などの仕事を長く続けてきた。
ただ年金に未加入だったため、老後の収入が一切なく、路上生活者となった。
今の暮らしはどうですか?今、いいですね。
みんないい人ばっかりだから。
優しい人たちね、ここはね。
今はね、ここは最高だと思ってます林さんが暮らすここもまた無届け老人ホーム。
運営は高齢者の住宅支援に当たるNPO。
入所者全員が生活保護を受けている。
利用料は月およそ14万円。
東京都の生活保護基準額に合わせている。
3畳の個室が18あり、すべて埋まっている。
当初は6畳だったが半分に仕切り部屋数を倍にした。
NPOでは、ほかにも6カ所の無届け老人ホームを運営。
いずれも自治体からの入所依頼が絶えない。
低所得者の支援に当たってきたNPO。
古いアパートの改修をオーナーに働きかけ高齢者の受け皿を増やしてきた。
国はたまゆらの火災後、防火設備などの基準を厳格化し自治体を通じて届け出を促している。
だが一方で、無届での運営を事実上黙認。
その存在に頼っているのが実態。
今、無届け老人ホームは全国に960カ所以上存在する。
3年前の冬、札幌で保護された宮田たか子さん。
無届け老人ホームで暮らし始め1年がたとうとしていた。
この日、久しぶりに外出できる。
職員の女性が、休みを利用して花火大会に誘っていた。
久しぶりに歩かないとね。
いい運動になっていいでしょ、頑張ろ頑張ろ。
介護なしの暮らしは難しいとされたときから宮田さんの漂流は始まった。
ひとり暮らしが当たり前の時代。
夫や妻との別れ、子どもの独立…パートナーを持たない選択もある。
20年後、1人で老後を送る人は760万人。
高齢者の5人に1人となる。
いつか巡ってくるのは、1人では暮らせなくなる現実。
人生の果てに自分らしい老後は待っているのか…ここに置いてもらって、食べさせてもらって、そして今、別にあれやれ、これやれ言われないし、取材に当たりましたHBC北海道放送の小林記者です。
皆さん、戦後の本当に大変だった時期を頑張ってこられた皆さんですよね。
老後はせめて心穏やかに過ごしてほしいと思うんですけれども、しかし実際にああいった過酷な現状がある。
一体、取材されてどうお感じになりました?本当に普通に働いてきた高齢者の方の老後というのがここまで過酷な現実であるとは私も当初は想像できませんでした。
ただ、取材を続けてきてこういう現実に直視しますと結婚をしていないからだとか、子どもがいないからといって老後の生活が立ち行かなくなる社会のあり方というのはどうなのかと本当に疑問を持ちました。
高齢者支援の仕組みを見直す時期に改めて来ているのではないかと感じました。
あと、無届け老人ホーム、こういった呼び方自体がマイナスイメージばかりになってしまうので、VTR見ると、そう単純な問題ではないですよね。
どうしても無届けといいますと言葉が非常に立ってしまうんですけれども、中には施設の運営者に話を聞いてみますと、純粋に低所得者の受け皿としてやっているという施設もあるわけです。
もちろん安全管理や施設の基準、もちろん重要な観点なんですけれどもただ、そこばかりに目がいって規制ばかりが肥大化していくと、むしろ高齢者の多様な住みかというものを奪いかねない状態に陥ることが考えられます。
そのためにも一歩踏み込んで言えば、こういう施設を活用していくことというのも考えていくことが重要ではないでしょうか。
今、「下流老人」というタイトルの本がすごくベストセラーになっていると聞きましたですけど、漠然と若い人から働き盛りの人まで自分の老後みたいなものに対して不安を持っている時代になってしまった。
小林さんまだ20代でしょ。
ついの住みかというのを実際に見てみて、何を感じましたか?50も離れた方々と向き合ってこういう人生の苦しさを伺うというのは本当に私も取材をしていて心が苦しくなるわけなんですけれどもやっぱり今、日本は本当に高齢者に対して厳しい国になっているわけですから、こういう実情を私たち自身も共有して見つめ合うということが重要なんではないかと思います。
この後はスポーツ、今日から上村アナウンサーです。
上村彩子です、よろしくお願いします。
プロ野球DeNAの中畑監督が4年間応援し続けてくれたファンに最後のお別れをしました。
今シーズン限りでの辞意を表明している中畑清監督ですが最終戦の試合前でもキヨシ節は健在。
監督の花道を飾りたいDeNAは3点を追う6回、4番・筒香がライトへ23号アーチ。
さらに8回、再び筒香。
中畑監督に育てられた23歳が2打席連続ホームラン。
2点差に迫る。
追い上げムードの9回、ホームランが出れば同点の場面で打席には代打・後藤。
DeNAの今シーズンが終了。
4年間の監督生活を終えた中畑監督はファンへ挨拶を行った。
千葉県佐倉市出身の長嶋茂雄さんが地元で野球教室を行った。
巨人軍OBの篠塚さんや定岡さんらもコーチとして参加。
子どもたちを指導する長嶋さんからは…長嶋節も健在。
将来ここから何人がプロの世界に行くのだろうか。
メジャーリーグ・マリナーズの岩隈が3年連続2桁勝利を目指す登板。
1回を三者連続三振と完璧な立ち上がりを見せる。
今年最後のマウンドだったが、3回、ランナー1・2塁から味方が痛恨のエラー。
不運な形で先制を許してしまう。
その後は立ち直り、7回2失点の好投を見せるも勝敗はつかず、9勝5敗で今シーズンを終えた。
続いて、男子ゴルフの東海クラシック3日目。
大勢のギャラリーを引き連れた石川遼は14番でボギーをたたき、迎えたロングホールの15番。
345ヤードのビッグドライブでバーディーを奪う。
石川は3バーディー・2ボギー、首位と1打差で最終日に逆転優勝を狙う。
首位タイに立ったのは7位スタートの池田勇太。
スコアを4つに伸ばし通算8アンダー。
今シーズン2勝目を目指す。
テニスの楽天ジャパンオープンで連覇を狙う錦織圭が練習を公開した。
多くのファンが熱い視線を送る中、錦織は割り当てられた1時間のほとんどをゲーム形式の練習に費やした。
あさってから始まる本戦では1回戦で18歳の新鋭チョリッチと対戦することが決定。
チョリッチは強豪ナダルやマリーを破ったことがあり、気を抜けない戦いとなりそう。
今日からスポーツ担当は入社1年目、上村アナウンサーです初めまして上村彩子です、よろしくお願いします。
スポーツやってたんですか?はい、高校時代に陸上をやっていました。
種目は何をやってたの?100mハードルです。
2015/10/03(土) 17:00〜18:20
MBS毎日放送
報道特集[字]【難民問題と国際社会の責任▽行き場なき老いの行方】
あまたのニュースの中から、伝えるべき情報を厳選し、報道特集というフィルターを通して、責任をもって視聴者にお伝えします。
詳細情報
番組内容
【難民問題と国際社会の責任】
ヨーロッパに押し寄せる大量の難民。その故郷・シリアの戦乱に対し、国際社会は解決への道筋を見出せていない。シリア難民の一家への継続取材を通じ国際社会の責任を考える。
【行き場なき老いの行方】
一人暮らしの高齢者は全国で600万人。経済的に困窮した末、行政の基準を満たさない無届け老人ホームを転々とする人も・・。行き場をなくし、漂流する高齢者の現実に迫る。
出演者
【キャスター】
金平茂紀(TBSテレビ報道局)
日下部正樹(TBSテレビ報道局)
小林悠(TBSテレビアナウンサー)
上村彩子(TBSテレビアナウンサー)
公式ページ
◇番組HP http://www.tbs.co.jp/houtoku/
公式ページ2
◇twitter
@tbs_houtoku
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◇facebook
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おことわり
番組の内容と放送時間は、変更になる場合があります。
ジャンル :
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
福祉 – 文字(字幕)
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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