2目撃!日本列島「チョイてごがお年寄りを救う〜限界集落 くらし続けるために〜」 2015.10.04


大分県日田市の山あいの村です。
高齢化率は50%。
生活を維持する事が難しい限界集落です。
全世帯のおよそ3/3が独り暮らしの高齢者です。
一日でも長く住み慣れたふるさとで暮らしたい。
しかし体が衰えていく中不安が募ります。
隣近所とのつきあいが失われ孤独を抱えるお年寄りもいます。
年がいってしもうてから…そんなお年寄りたちの思いに応えようとある取り組みが始まりました。
地元の言葉で…困り事を一つ一つ解決して少しでも長く村に住んでもらおうというのです。
「チョイてご」で変わるお年寄りたちの暮らし。
過疎の村の挑戦を見つめました。
杉の銘木を育む山並み。
大分県の北西部にある日田市中津江村です。
緑の中にぽつんぽつんと見えるのは集落。
過疎化が急速に進んでいます。
かつて中津江村には東洋一といわれる金山がありました。
一獲千金を求めて全国から労働者が集まり多い時には7,500人以上が暮らしていました。
しかし70年代に金山が閉山し人口が激減。
今では874人にまで落ち込んでいます。
困った時誰を頼ったらいいのか。
多くのお年寄りが不安を抱えています。
そんなお年寄りたちを支えようと取り組みを進める人たちがいます。
中津江村と隣の上津江町の人たちが結成したNPOつえ絆くらぶのメンバーです。
(河井)せ〜の!はい!いいですか。
まあやっぱさすが若いですね!家具の移動や…。
蛍光灯の掃除…。
伸び放題の庭木の剪定などなど。
お年寄りには難しくなった作業をちょっとしたお手伝いチョイてごで支えます。
30分ずつなんで1枚ずつ券を頂きます。
作業のあとに受け取るのがお年寄りが一枚300円で購入したチョイてご券。
一枚につき30分のお手伝いを引き受けます。
少ない額でもお年寄りに負担してもらう事で遠慮なく頼めるようにしました。
時期見て裏の倉庫片づけしましょうか。
NPOつえ絆くらぶが発足したのは2年前。
行政には頼めない困り事がたくさんあるという声がお年寄りから寄せられたのがきっかけでした。
メンバーは退職したサラリーマン地元の民生委員都会からの移住者など30人ほどです。
一年に寄せられるチョイてごの依頼は100件以上。
30分200円の有償ボランティアで請け負っています。
中心メンバーの河井昌猛さん。
市から委嘱を受けた地域おこしの仕事をするかたわらチョイてごに取り組んでいます。
河井さんは空き家だった古民家を借りて1人で暮らしています。
大阪出身の河井さんが中津江村にやって来たのは3年前。
もともと大阪で運送会社を経営していましたが過労で体を壊します。
今までの生活から抜け出し田舎で暮らしたい。
そんな思いで中津江村にやって来ました。
頂きます。
休みの日を使って軽い気持ちで始めたチョイてごですが今はやりがいを感じてるといいます。
河井さんには今気になっているお年寄りがいます。
この日チョイてごの依頼を受けました。
向かったのは地区に一軒だけ残された日用品を扱う小さなお店。
こんにちは。
こんにちは。
待ってたの?川津タケ子さん。
村で最高齢の100歳。
今なお現役でこのお店を切り盛りしています。
どれ消すの?何するの?消えんばい。
タケ子さんに頼まれたのは枯れ葉が詰まった雨どいの掃除。
足腰が弱ってきたタケ子さんはこうした作業を月に1回ほど河井さんに頼んでいます。
30分ほどかけて雨どいがきれいになりました。
タケ子さんが中津江村に嫁いできたのは65年前。
労働者でにぎわう村で魚を売り歩くきっぷのいい魚屋のおばちゃんでした。
村に自分の城が欲しいと45歳の時に夫の一義さんと今のお店を開き3人の子どもを育て上げます。
(鈴の音)18年前に一義さんが亡くなってからは一人で店を守っています。
日田市の中心部に住む娘から一緒に住もうと言われますがここを離れるつもりはありません。
よいしょ…。
最近は歩くのもやっと。
店の商品を並べたり掃除をしたりする事がとても体にこたえます。
掛けて掛けて。
このまま一人で店を続けられるのか。
不安を感じていた時にチョイてごの事を知りました。
アハハハハ!片っぽ忘れとる。
この日タケ子さんがもう一つ頼んだのは柱時計の針を合わせる事。
店を始めた頃夫の一義さんと奮発して買ったものです。
(時報)商売に欠かせない大切な時計が再び時を刻み始めました。
済んだ?上がる?ここに掛けて。
イトウさんに頼んだりするけんね。
8月25日。
大型の台風が村を直撃しました。
中津江村の1/3にあたる130世帯で停電が発生。
多くのお年寄りたちが不安な時を過ごしました。
・「上を向いて歩こう」台風の2日後林道を散歩している人がいました。
寂しさが募る時歌うのが大好きな「上を向いて歩こう」です。
・「一人ぼっちの夜」ユミ子さんの夫恒夫さんです。
丁寧な仕事が評判の左官職人でした。
恒夫さんが8年前に亡くなって以来ユミ子さんは一人で暮らしてきました。
県外で暮らす子どもは一緒に住もうと言ってくれますが家族の思い出が詰まった家を離れる気にはなれません。
それでも夜になると寂しさが募ると言います。
テレビつけて。
過疎化が進み隣近所とのつきあいも減っています。
いざという時頼れる人も近くにいません。
孤独と不安に向き合う80歳の独り暮らしです。
そんなユミ子さんの心の支え。
河井さんかな。
それがチョイてごにやって来る河井さんとの交流です。
こんにちは。
こんにちはいらっしゃいませ。
どうも。
どうも。
あれからどうですか?台風は。
月に2回ほど用事を見つけては河井さんにチョイてごをお願いしてきました。
大丈夫ですか?大丈夫いいですよ。
この日頼んだのは電気のかさの掃除。
はい大丈夫です。
ゴミがたまっているのが気になっていましたが手をつけずにいました。
網戸に。
河井さんとの何気ないやり取りがユミ子さんの楽しみです。
ユミ子さんは河井さんにもう一つお願いをしました。
料理などに使う湧き水を引いている水路の様子を見てきてほしいというのです。
山道を登って5分水路に着きました。
台風のあとで枯れ葉や泥が詰まっています。
水路はユミ子さんの夫恒夫さんが50年以上前に作ったものです。
恒夫さんが亡くなってからはユミ子さんが掃除をしてきました。
しかし1年ほど前から山道を登る事が体力的に難しくなりました。
夫が作ってくれた大切な水路。
河井さんが丁寧に汚れを取り除きます。
うわ〜いつもこんないっぱい炊くこつないきですね。
ユミ子さんはチョイてごのお礼に食事を用意していました。
山の湧き水を使って炊いたほっかほかのごはん。
この日は8合も炊きました。
あるもんで食べて下さい。
ありがとうございます。
頂きます。
だんご後でいいですよ。
いいですか。
早速…。
いつもは1人の食卓が今日はにぎやかです。
最近ユミ子さんは心配事を河井さんに話すようになりました。
どうきみたいな?はあ。
河井さんはユミ子さんの気持ちを楽にしてあげたいと思っています。
これがデザートやったんですけどね。
すみませんこれ頂いて帰ります。
また用事の時は連絡下さい。
ありがとうございました。
すみませんごちそうさまでした。
ありがとうございました。
2015/10/04(日) 08:00〜08:25
NHK総合1・神戸
目撃!日本列島「チョイてごがお年寄りを救う〜限界集落 くらし続けるために〜」[字]

深刻な高齢化に直面する大分県日田市中津江村。新たな対策がお年寄りへの“チョイてご”、地元の言葉で「ちょっとしたお手伝い」だ。限界集落の高齢者支援の模索を描く。

詳細情報
番組内容
高齢化率50%、深刻な過疎・高齢化に直面する限界集落、大分県日田市中津江村。1人暮らしが難しくなった高齢者の暮らしを支えるため、地元のNPOが、新たな取り組みを始めた。雨どいの掃除や家具の移動、庭の草刈りなど、地元の言葉で“チョイてご”、「ちょっとしたお手伝い」だ。「死ぬまで故郷に住みたい」と願うお年寄りたちと、チョイてごを担うNPOの若者との交流を通して、限界集落での高齢者支援のあり方を考える。
出演者
【語り】谷村美月

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ニュース/報道 – ローカル・地域
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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