6花燃ゆ(40)「二人の母」夫の遺した子。女の選択 2015.10.04


(辰路)久坂さんの子を奥様が捜していると知って…。
知られたら取り上げられるんやないかって…。
(幾松)あんたさんの気持ちは分かります。
そやけど秀次郎はご維新で大働きをされた久坂玄瑞様のお子さんなんどすえ。
学問して身ぃを立てる事も考えてやらんと。
母滝の知らせを受け急ぎ戻ってきた美和。
そこにいたのは…。
(美和)確か京で会うた…。
回想
(秀次郎)おおきに。
悪いなぁ。
久坂の忘れ形見の秀次郎である。

(テーマ音楽)・「愚かなる吾れのことをも」・「友とめづ人はわがとも友と」・「吾れをも友とめづ人は」・「わがとも友とめでよ人々」・「吾れをも友とめづ人は」・「わがとも友とめでよ人々」・「燃ゆ」うわ〜!あの子が旦那様の…。
(品川)はい。
間違いありません。
楫取さんから久坂さんの子を捜してほしいと頼まれとったんですが…。
ようやく居場所を突き止め訪ねて行ったんです。
すると…。
回想どうぞ連れてっておくれやす。
そろそろ芸妓に戻ろうかと思うてたんどすえ。
けどあの子ぉがおったらそれもできひんの。
それでうちへ…。
はい。
どねぇな事情があるにせよあの子は久坂家の跡取り。
ならば美和さんが育てられるんが一番かと。
(物音)・
(亀)こら〜!わあ〜!
(亀)ええ加減にしんさい!・
(秀次郎)わあ〜!あ〜あ…しつけも何もなっちゃおらんですね。
回想ほらほら。
そんなに慌てて食べたら喉つかえるがな。
手に負えんいうたらないんですよ!言う事もまるで聞かんし。
はい。
(民治)子どもは元気なんが一番じゃ。
では頂こう。
(一同)頂きます。
(滝)美和もあの子の事知っとったの?あ…はい。
高杉さんがお亡くなりになる前に教えてくれたんです。
京に久坂の子がおると。
それで一度捜しに行った事があってその時知らずに会うとったようです。
じゃあ母親のその辰路さんという人にも?ええ。
やけどええんですか?あの子をこのまま引き取って。
(民治)そうじゃなあ…。
久坂家には久米次郎を養子にと迎えておるし…。
じゃがあの子は実の子で嫡男。
跡を継がせるんは当然といえば当然やし…。
私ならほかの人が産んだ子どもを育てるなんて耐えられませんと言いたいんです!
(民治)お前にはそねな事は起きん。
(亀)どうやろか。
久坂さんでさえそうなんですから。
亀さん。
すみません…。
私も最初は戸惑いました。
久坂に腹も立ちました。
やけどあの子は久坂の残した子なんです。
そう思うたら…。
あの子を育ててみようと思います。
ならそうしたらええ。
まあその母親もうちで育ててもらいたいようやしな。
やけど大変ですよ。
秀次郎。
これからあなたはここで暮らす事になりました。
私の事を母と思うて下さい。
何で?俺にはお母ちゃんがいてるよ。
そうなんやけど…。
お母ちゃんはお母ちゃん。
おばちゃんはおばちゃん。
俺はお母ちゃんが迎えに来るまでここにいてるんやろ?まあ…。
ええんですか?はっきり言わんで。
もちいとこの家に慣れてきてからの方がええやろうって。
(亀)あっ。
うまいなこれ。
行儀作法からですね。
はに…ほへと。
これを手本に…。
へのへのもへじ?うまいやろ。
上手ね。
やけど字はちゃんと覚えんと。
はいこのとおり書いてみて。
難しいわ。
そんな事ありません。
さあ。

(亀)美和さんちょっと。
あっはい。
頑張って。
どうですか?ちゃんと書いとるかな?そこで何を…。
しっ。
いけいけいけいけ!
(ため息)いけ!いけ!やったな!おなか減った。
おばちゃん握り飯作って。
「ひでじろう」。
さあこれが秀次郎のお名前よ。
書いてみて。
これ見て。
肘はついたらいけん。
うるさいわ。
(文之進)あの子が久坂の…。
はい。
美和もなかなか苦戦しとるようです。
よし。
わしに任せろ。
「礼儀のはじめは容体を正し顔色を斉え辞令を順にするにあり」。
言えへん。
覚えてへんわ。
何?こねな簡単な事が覚えられんのか!そねな事では久坂家の子にはなれんぞ!俺は金魚売りになりたいんや。
き…き…金魚売り?こうやるんや。
金魚〜え〜金魚〜!金魚はいらんか?赤いの黒いの黄色いの〜!さ…さ…侍の子がなんて事を言う!うわっ怒ってもた!まるで鬼や。
わしが鬼じゃと!?赤鬼や。
口の減らんガキじゃ!こら!待て!待たんか!赤鬼や!赤鬼や!秀次郎!赤鬼や!こっち来い!ナスを踏むな!バカ者!くそガキ!楽しそうですね。
(ため息)どうしました?秀次郎は勉強する事にいっこも興味がないようやし…。
久坂家を立派に継ぐようできるんか…。
秀次郎は秀次郎。
えっ?あの子らしい育て方がきっとあるんと違うかね。
そのころ二条窪で畑仕事を始めていた楫取は村人たちと荒れ地の開墾に明け暮れていた。
(素彦)すまんな。
ここを開墾し水を引けば米も作れるようになる。
そうなればこの村の暮らしはもっと楽になるはずじゃ。
おい…。
大丈夫か?楫取様。
ああ。
手伝うてくれ。
はい。
これを頼む。
(中原)もちいと下じゃ。
そこじゃ!1尺2寸!ここまで水を引くには結構な距離じゃ。
これは金がかかるな。
そねな金村には…。
私が役所に話してみよう。
政府の新たな方針で田畑は自由に開墾してようなったんじゃ。
金を出してくれるかもしれん。
楫取さんよろしゅうお願いします!よろしゅうお願いします!よろしゅうお願いします!そねに頭など下げんでくれ。
私ももうこの村の人間じゃ。
できる事は何でもするつもりじゃ。
そのころアメリカでは…。
(木戸)条約改正はやめじゃ。
今のままでは無理じゃ!
(博文)どうしてです?せっかく一時帰国してまで全権委任を取り付けてきたんですよ。
対等に見られておらん。
(靖)我が国の力が足りんのじゃ!内にも外にも問題山積みですな。
国内でまた不穏な動きが起こってきとります。
このままでは内乱が起こりかねません。
こねな時あの人がおってくれたら…。
楫取さんの事ですか?ああ…。
今何しとる?それが二条窪で百姓をしとると聞きました。
何じゃと?日本のかじさえ取れる人間が百姓じゃと!?
(寿)サツマイモからでもこねなおやつが出来るんですよ。
(一同)わあ〜!きれい!うまそうやのう!どうでしたか?難しいようじゃ。
じゃが何度でも掛け合うてみるつもりじゃ。
この子らが豊かに暮らせる世にならん限り新しい世とは言えん。
そねな世にする事がこれからの私がすべき事。
回想大殿からのお言葉です。
己の望む道を歩いていってもらいたいと。
お帰りなさいませ。
楽しそうじゃな。
はい。
皆さん喜んでくれて。
どうぞ。
頂きます。
おいしゅうございます。
うまいのう。
体の調子はええんか?はい。
このところは。
あまり無理をするな。
ご心配おかけしてすみません。
なぜか前のように体が動かん時があって…。
また美和にも手伝いに来てもらいたいんですが萩の方も今は大変なようで…。
秀次郎の事か。
はい。
(秀次郎)おばちゃん。
お帰り。
お帰り。
川で捕まえたで。
わあサワガニ。
早よ水入れんと。
回想ほんならね。
おおきにおばちゃん。
おばちゃん早う!はいはい。
おばちゃんか…。
そろそろ母上と呼ばせてもええんじゃないか?まあそのうちに。
そんなある日の事。
秀次郎?秀次郎。
(小太郎)「以てその…」。
秀次郎。
「幽囚を楽しむ事を得る者は寧んぞ対揚する所以を…」。
秀次郎…。
もう日が暮れてしまう…。
私が余計な事言うてしもうたからかも。
さっき「もうこのうちの子なんやからちゃんとせんと」と叱った時「自分のうちは京にある」と言うんで私…。
回想もうどこにも帰るうちはないんよ。
すみません!外捜してきます!わしらもじゃ。
近頃野良犬もおる!何かあったら大変じゃ!秀次郎!
(文之進)秀次郎!
(小太郎)秀次郎!秀次郎!
(文之進)秀次郎!秀次郎!秀…。
あっ…ごめんね。
もうじき日が暮れる。
おい明かり持ってこい。
はい。
まさか一人で京に帰ろうなどと…。
いやこの近くにおるはずじゃ。
じゃが夜になる前に見つけ出さねば。
秀次郎!・
(くしゃみ)秀次郎…。
塾の2階に隠れとったんです。
どんだけ心配したと思うとる!秀次郎!ごめんなさい…。
心配をかけた叔父上たちにも謝りんさい!ごめんなさい…。
もうよい。
無事な事が分かったんじゃから。
なっ。
さあ秀次郎。
本気で怒られてしもうたね。
やけどそれは秀次郎の事がだ〜い好きだからですよ。
ほんまに?
(滝)うん。
やから本当に心配しとったんよ。
秀次郎…。
ごめんね。
無事でよかった。
俺…。
お母ちゃんに捨てられたん?そねな事はないよ。
秀次郎は何も悪うない。
でもねここでみんなと暮らす事になったんよ。
おばちゃんがもう一人のお母ちゃん。
いきなりそねな事言われてびっくりしたやろうけど…。
ゆっくりゆっくり一緒に仲良う暮らしていこう。
そして父上のように立派な人になってつかぁさい。
せわぁない。
はい。
(小太郎)さあ来い!えい!えい!えい!さあ一息入れましょう。
母上!おお。
はい。
頂きます。
はいどうぞ。
どうぞ。
おおすまんのう。
やっと母上と呼ぶようになって。
私もどこか迷うとったんやと思います。
やはりあれじゃの。
父親によう似とる。
負けん気の強さはそっくりじゃ。
ほんま?
(文之進)ああほんまほんま。
これが父上の書いたお手紙よ。
何て書いてあるの?ん?「文どの無事」。
「文どの無事」。
「ひでじろう」。
そう!上手。
紙…。
俺が字書けるの知ったらお母ちゃん喜ぶかな?えっ?お侍さんの子にバカにされてん。
字も知らんのかて。
そう…。
そうやね。
えらい喜ぶよ。
母上!「ふみどのぶじ」。
どうしました?ああううん。
この辺りでは見かけん女の人がおって。
辰路さん…?あなたが久坂の子を産んだお人やったとは…。
あの子ぉがちゃんと手習いまでしてるなんて。
やっぱりよかったわ。
あんたさんに渡して。
うちといてるとあの子はお利口さんになれんのや。
私が育ててもええんですか?あの子の母として。
あの子ぉがいてるとお座敷にも出られへん。
早う新しい旦那見つけてきれいなべべを着て楽な暮らしがしたいんどす。
ほやから悪いけどあの子の事は頼みます。
うちも明日には京に戻るつもりどすから。
ほな。
じゃあどうして…。
どうしてこねな所まで来たんです?どうしてあの時この子が久坂の子やと言わんかったんです?回想亡くなった夫の子がおるんです。
亡くなった夫…。
名は?久坂といいます。
本当は手放しとうないんじゃないですか?やのに無理してあの子のために…。
やめとくりやす。
あの子を頼みます。
母上おやすみなさい。
はいおやすみなさい。
明日また読み書きの続きをやります。
はい。
(秀次郎)おやすみなさい。
(一同)おやすみなさい。
お母ちゃん…。
ようけお食べ。
えっ?こねぇに朝早うからどこに行っとったんですか?姉上お願いがあります。
秀次郎。
秀次郎。
清書はしましたか?続きをやると言うたでしょ?まだです…。
どうしてできてないんですか。
そねな事では久坂の家の子になどなれません。
出ていきんさい。
えっ…。
今すぐに。
母上!ごめんなさい!これからはちゃんとします!母上!いいえ!ダメです。
母上!もう母上ではありません。
姉上。
この子をお願いします。
母上!母上!母上!母上!母上!母上!母上!母上!母上!・
(秀次郎)母上!母上!母上…。
お母ちゃん…。
お母ちゃん!お母ちゃん…。
お母ちゃん…。
お母ちゃん…。
お母ちゃん…。
お母ちゃん…。
お母ちゃん…。
美和さんあねな思いしてまで…。
寂しゅうなりますね。
叔父上もかわいがっておいでやったのに。
ああ…。
なに清々しておる。
お一ついかがですか?行ってしもうたね…。
秀次郎にとって母親はやっぱりお母ちゃん一人やから。
回想迎えに来てやってつかぁさい。
えっ?お願いします。
何であんたが…うちやのうて…。
あんたさんが頭なんか下げんといて!私じゃないんです。
あの子に今一番必要なんはお母ちゃんです。
それがあの子の幸せなんです。
…けど秀次郎は久坂さんの子。
たった一人の。
そやから立派な人にならんといかんて。
立派な人になってくれるんならそれを望まん親なんておりまへん。
久坂の子です。
立派な男になるに違いありません。
そう信じとります。
あの子にも今はお母ちゃんの愛情をいっぱいもろうて大きゅう育ってもらいたいんです。
それがあの子に合うた育て方やと…。
京で学校にも行って伸び伸びと…やけどようけ勉強もしてもらいたい。
私もできるだけの事はするつもりです。
いつか立派に成長したあの子とまた会える時も来るはずです。
その時久坂家を継いでもらいたいと…。
せわぁない。
お母ちゃんだけやないですよ。
秀次郎にとっての母親は。
お母ちゃんと母上。
秀次郎は幸せですね。
2人も母がおって。

(汽笛)明治5年新橋横浜間の鉄道が開通。
日本は近代化に向けて躍進していた。
明治6年欧米視察を終え木戸と伊藤が帰国。
しかし発布された徴兵令が物議を醸していた。
徴兵令はすでに布告しもした。
そんために士族を救済する策がいりもんそ。
やはり急ぎ過ぎたのではないか?日本はいつ列強の植民地になるかもしれん。
兵を強くせにゃならんのじゃ。
もはや士族だけに頼る訳にはいかんという事です。
(三条)士族たちの不満が心配やな。
その後政府の政策に反発し各地で反乱が勃発する事になるのだがここ萩にも不穏な空気が立ちこめていた。
美和!前原が新政府に不満を持つ連中を明倫館に集めとるらしい!前原さんが?それは再び美和を襲う試練の前触れだった。
楫取さん?木戸か?群馬の県令となって頂きたいんです。
妻として一緒についていきたい。
旦那様のおそばを離れとうないんです。
(前原)天子様に直訴奉るのみ!力では何も動かせん。
(銃声)あっ!
都が東京にうつされ新政府によって改革が進められる中庶民の生活には文明開化の波が押し寄せます。
明治4年散髪脱刀令の布告に先立ち木戸孝允はみずから率先してまげを落としざん切り頭にしたといいます。
明治5年には新橋横浜間に鉄道が開業。
イギリスからの資金調達技術援助には伊藤博文が大きく貢献しました
銀座は井上馨の主導で大規模な都市計画が実施され西洋式の建物が立ち並ぶ銀座煉瓦街が造られました
明治7年にはガス灯が設置され銀座は文明開化の象徴となります。
牛鍋など新しい食文化も広まり人々は文明開化をおう歌したのです
2015/10/04(日) 20:00〜20:45
NHK総合1・神戸
花燃ゆ(40)「二人の母」夫の遺した子。女の選択[解][字][デ]

美和(井上真央)のもとに、亡き夫・久坂玄瑞の忘れ形見・秀次郎がやってきた。美和は自らの手で育てることを決めるが、実の母・辰路(鈴木杏)が現れて…。

詳細情報
番組内容
杉家に戻った美和(井上真央)のもとに亡き夫・久坂玄瑞の忘れ形見・秀次郎(五十嵐陽向)がやってきた。美和は複雑な思いを抱えつつも自らの手で育てることを決める。しかし秀次郎が実の母・辰路(鈴木杏)に捨てられたのではないかと悩んでいることを知り…。一方、政治から身を引き、未開拓地の開墾に取り組んでいる楫取素彦(大沢たかお)に、山積みの課題を抱える中央政府の木戸孝允(東山紀之)らは熱い視線を送っていて…。
出演者
【出演】井上真央,大沢たかお,原田泰造,優香,久保田磨希,森永悠希,劇団ひとり,大野拓朗,音尾琢真,檀ふみ,奥田瑛二,東山紀之,永岡佑,鈴木杏,堀井新太,宅間孝行,上杉祥三,【語り】池田秀一
原作・脚本
【脚本】小松江里子

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
ドラマ – 時代劇

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz

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