トップキャスター #09 2015.10.05


≫1か月前から計画されていてイチローさんが打診していたという。
やはりやりたいという気持ちが
(望美)「椿木さん事件です。
椿木さん事件です…」
(春香)うん…何!?
(望美)ホントだよお母さん。
うん。
うん。
そうそうそうそう。
うんうんうん。
いやホントだってば!わたしホントになれるんだよ。
うん。
夕方のニュースでね。
そうなるの。
わたしがキャスターになるんだよ。
すごいでしょう?そうだよ。
信じられないけどわたしも。
でもホントだから。
うん。
やったー!だよもう。
いやホントだって。
すごいことなんだって。
いつか見ててね。
おはようございまーす!
(石場)ああー!あれ?望美ちゃん何か来る場所間違ってんじゃないの?えっ?
(令子)そうよ。
望美ちゃんは夕方のニュース班でしょ?しかもメーンキャスター。
ちょっとやだ…。
やめてくださいって。
まだ正式に決まったわけじゃないし番組スタートはまだ先なんですから。
(角高)これからは飛鳥さんって呼ばなきゃな。
(俊平)そうそう。
飛鳥望美さん。
よろしくお願いしまーす!やめてって。
(健介)望美。
俺のこと忘れんなよ。
何?何か望美が遠くに行ってしまう気がする。
いやいや。
すぐ隣。
隣だからね。
すぐね。
(芽衣)絶対また抜き返すから。
ああ…。
おめでと。
えっ!?
(石場)おめでとう望美ちゃん!
(一同)おめでとう!ありがとうございます!皆さんありがとうございます。
(春香)行くわよ。
えっ?10時から取材だったでしょ。
そうでした。
あんたの企画じゃない。
はい。
(石場)行ってらっしゃい。
行ってきます。
(令子)行ってらっしゃい!
(健介)ふれあいの森?
(望美)昔からこの加治木市にある市民の憩いの場所なの。
なのに役所が市民に何の相談もなく売却を決めてしまって今にも伐採されそうなのよ。
で住民が反対運動を起こしてるわけだ。
ひどいでしょう?こんなきれいな森なのに。
しかしこういうの難しいからね。
うん?せっかくキャスターの声かかってんだし余計なことしないほうがいいんじゃないの?えっ?ちょっと…。
椿木さん。
やっぱりやめましょうか?さっさと歩く!
(住民たちの抗議の声)
(男)今すぐ計画を白紙撤回しろ!
(横山)もう十分説明したでしょう!?こっちだって忙しいんだ!ねっ開けてください!開けてください!開けてください!
(山田)おっ。
うん?大丈夫か?はい立って。
(横山)何やってんだ!?早く来たまえ!
(山田)はい。
(住民たちの抗議の声)
(女)ねえどういうことですか!?あっ…。
はい…。
(角高)CNB「THENEWS」です。
ねえ。
さっき子供が転んだところ撮れた?ああ撮ったよ。
使えるかも。
(春香)「続いてのニュースです。
東京加治木市で長い間市民の憩いの場として利用されてきたふれあいの森。
その売却計画を巡り反対派住民と行政との間で激しい対立が起きています」
(角高)ポン。
(スタッフ)VTR入りました。
オンあけ20秒前。
あれ?ないじゃないですか。
どうして子供が転んだ絵カットしたんですか?椿木さんが反対したんだよ。
カットしろって。
えっ?
(望美)どうしてですか?どうして役所側の肩を持つようなことするんですか?
(春香)肩なんて持ってないよ。
あの状況であれを流したら視聴者は役所サイドを悪者だときめつける恐れがある。
だって役所は森を売却したんですから!そのことと子供は関係ないでしょ。
あの子はたまたま転んだだけで職員に突き飛ばされたわけじゃない。
でもあの映像はインパクトがあります。
望美強気だなぁ。
キャスターになるから意見言えるようになってきたな。
役所を糾弾するために使えるじゃないですか!売却反対の世論だって大きくなるかもしれません。
ふーん。
だったらあの子が大ケガでもすればもっと面白い絵になったかもね!えっ?あんた自分が何言ってるか分かってる?だって椿木さんが行政の味方するなんて…。
そんなの長いものに巻かれろってことじゃないですか!ふーん。
あっそう。
ちょっと…。
何するんですか!?この話はなかったことにしてもらうわ。
なかった…。
キャスターの話はなし。
なかったことって…。
あんたにはアシスタント続けてもらう。
だってせっかく…。
もうこの話は終わり。
帰るよ。
(令子)あっ来た来た来た来た。
そんな…。

(柴田)そうですか。
いやもちろん飛鳥さんはアシスタントですから椿木さんの意見を尊重します。
申し訳ありません。
飛鳥望美にはアシスタントを続けさせますので。
分かりました。
しかたありませんね。
(芽衣)大変です!大変です!椿木さんが局長と話してて望美さんのキャスターの話断ってたんです。
えっ!?本気だったのかよ!?かわいそうにな。
(角高)椿木春香はやっぱり鬼だったな。
口答えしたぐらいで何も断ることないのにね。
椿木さんアシスタントいないと自分が困るから断ったんじゃない?望美さんがだんだん頭角現してきたから怖くなったんじゃないですか?また椿木春香伝説が生まれたぞ。
後輩の出世つぶしてまでも自分は生き残る。
(石場のせきばらい)
(令子)お疲れさまです。
(俊平)お疲れーっす。
(石場)ういっす。

(健介)大変です!加治木市役所の都市計画課の係長が!係長が?あの住民に囲まれてた男だ。
あの人がどうかしたの?昨夜市役所の屋上から飛び降りて亡くなったそうです。
えっ!?自殺なの!?遺書めいたメールがあったようです。
山田さんの携帯から送信され所属部署の職員だけが受け取れるアドレスに届いていたようです。
「住民との話し合いに疲れました。
責任を果たせず残念に思います。
死んでおわび申し上げます」と。
あんな大勢から責められたら普通嫌になるよな。
死者が出たとなりゃ反対運動も鎮静化されるだろうな。
結果的に山田さんの自殺のお陰で森が売られるってことか。
(柴田)お疲れさま。
(一同)お疲れさまです。
(雅人)ふれあいの森の問題はうちの番組だけが取り上げた。
我々の放送が自殺の引き金となった可能性がある。
(角高)だからやめたほうがいいって言ったんだ。
椿木さん。
はい。
先程山田さんのご遺族から連絡がありました。
椿木春香さんあなたにお目にかかりたいと。
分かりました。
(佳奈)皆さんを責めたくてご連絡したわけではありません。
父は自ら命を絶つはずはないんです。
父は自殺なんかじゃありません。
どうしてそう思われたんですか?わたし来月結婚することになっていたんです。
昨晩も父と二人で食事することになっていました。
山田さんが亡くなる直前に出された遺書のようなメールはご覧になりました?
(佳奈)ええ。
でもあれは遺書と言えるんでしょうか?どういうことですか?あのメールにはわたしのことは何一つ書かれていなかったんです。
父の頭に最期に浮かんだのは家族のことではなく仕事のことだったんでしょうか!?
(係員)お待たせしました。
高峰地区の計画地図の閲覧がしたいんですけど。
少々お待ちください。
(健介)椿木さんは?取材で加治木市役所に行ってくるって。
(俊平)役所って例の山田さんの件で?椿木さんは山田さんは自殺じゃないと思ってるみたい。
(芽衣)望美さん行かなかったの?来るなって言われたから。
(健介)何だよ!?今までずーっと一緒に頑張ってきたのになぁ!ひどいよねぇ。
望美ちゃんの夢奪っといてさ。
(健介)石場さん。
何とかしてやってくださいよ!このままじゃ望美がかわいそうです!そうですよ。
椿木さんに何とか言ってくださいよ!俺が何か言ったりやったりできるわけねえだろ。
(俊平)石場ちゃんの仕事じゃん。
(石場)俺の仕事じゃねえもん。
(令子)プロデューサーじゃないの!?
(石場)俺はさここのマスコットみたいなもんだからよ。
(角高のせきばらい)分かったよ。
じゃあさ椿木さんには夕方のニュースに行ってもらってうちは望美ちゃんと芽衣ちゃんのピチピチキャスターコンビでいこうか?ヘヘヘ!ヘヘヘ。
なーんてな。
こんなこと言ってたら大抵あの人後ろに立ってたりするんだ。
あっホントいる。
(健介)早く。
(俊平)早く。
離…。
行くよ!自分で行く。
せい!俺がガツンと。
止めんなよお前ら。
暴れても。
俺が暴れても。
あのう…。
椿木さんあのう…。
望美ちゃんのことなんですけど。
山田さん自殺じゃないと思うの。
(石場)いやその話ではなくて…。
単なる事故死かもしれない。
みんなで手分けして取材しましょう。
だってねあの日山田さん娘さんと食事をする約束…。
(角高)関係ないな。
山田さんは精神的に参ってた。
その証拠は?
(角高)ある。
証言が出たんだ。
山田さんは最近昼休みや仕事終わりになると屋上に出て何か独り言をぶつぶつ言ってたそうだ。
(俊平)相当追い詰められてたんだな。
じゃああのメールは?最期の手紙とも言えるものをどうして家族にではなく所属部署宛てに出したの?それは仕事一筋の人だったからですよ。
仕事一筋って言ったのは役所側でしょ?娘さんから聞いた山田さんとは違う。
(俊平)そりゃ家族はそう思うっしょ。
っていうかそういう椿木さんこそ遺書書くとしたら仕事のこと書くじゃないですか。
(芽衣)っていうか椿木さんは彼氏も旦那さんもいないから仕事のことしか書けないんじゃないですか?
(角高)自分のアシスタントの夢までつぶすぐらいだからな。
(健介)椿木さん。
望美の夢を返してやってください。
何が夢よ。
そんなにアシスタントが嫌なんだったら辞めればいいわ。
もういらないから。
(石場)いらないのはあんただ。
いや…。
あなあなたです。
勝った!勝った!椿木さんに勝った!ウッキー!ハハハハ!椿木さん。
うん?あのう…。
申し訳ありませんでした。
何が?椿木さんに口答えしたことです。
それからわたしが出した企画のせいでこんなことになってしまって。
別にそんなこと。
お願いします。
許してください!キャスターの話なくさないでください。
お願いします。
ニュースの仕事に興味ないって言ってなかったっけ?あのころとは違います。
何が?わたしこの仕事が好きになりました。
ニュースの仕事が大好きになりました。
なのに今更あきらめろだなんて。
椿木さんなんですよ!お天気お姉さんだったわたしを無理やりニュースに就かせたのは椿木さんなんですよ!ニュースの面白さや難しさやみんなで頑張ることの大切さを教えてくれたのは椿木さんなんですよ!わたしがキャスターにあこがれたのは椿木さんにあこがれたからなんですよ!なのにどうして奪うんですか!?分からない?あんたさぁ子供が転んだ絵を撮って役所を糾弾するために使えるって言ったよね?はい。
亡くなった山田さん悪人だった?糾弾すべき人だった?あんたが言ったことは森を売却するために人の死を利用することと同じよ。
報道の人間として最低のことよ。
わたし前に言ったよね?あんたをアシスタントにした理由。
あんたは変に報道ズレしてなくて真っ白だったからって。
確かにあんたはあのころとは違う。
スレちゃダメなんだよね。
人の心を材料として思うようになったらおしまいなんだよ。
慣れちゃダメなんだよ。
わたしたちの仕事は人の心を命を扱ってる仕事なんだから!ちょっとでもそんな思いのある人にキャスターをやってほしくない。
ほら飲めよ。
いい。
ぬるそうだし。
いやいや。
めっちゃ熱くいれたって。
熱いお茶飲んで元気出して。
ありがとう。
うん!?何だよ。
気持ち悪いな。
望美がお礼言うなんて。
ヘヘヘ。
(健介)俺と結婚しようこの間の話なんだけどさ。
あっいや…。
別に俺は返事を急いでるわけじゃないしそういう気になったときにでも。
そういう気かもしれない。
今。
えっ?それって俺のプロポーズを受けるってこと!?断る!えっ?無理。
ちょっ。
何言ってんの?自分からプロポーズしといてわけ分かんない。
今の望美はカニで言うとまっすぐ走ってる。
えっ?カニはさふだん横に歩くだろ?だけど怖くなって逃げるときはまっすぐ走るんだよ。
ふーん。
俺はそんなカニは嫌いだ。
俺が好きな望美はちゃんと横に歩いてる望美だ。
夢を見てる望美だ。
元の望美に戻ったらまた考えてくれ。
うん。
(雅人)ああー。
珍しいな。
君から誘いの電話をかけてくるなんて。
(春香)間違えてかけちゃったの。
(雅人)ふーん。
まあ俺もちょうど飲みたい気分だったしな。
何かあった?会長とちょっとね。
親子ゲンカか。
そっちは?うん。
アシスタントとケンカ。
フフッ。
(雅人)ふーん。
あんたに一つ確認しておきたいことがあるんだけど。
うん?ねえ?加治木市役所の取材誰か一緒に…。
(令子)そっち。
そっちじゃない。
(角高)ここにあったような。
うーん。
どこだ。
(令子)もういいですよ。
もういい。
もういい…。
行ってきます。
ハイヤーは認めませんよ!電車で行ってくださいよ!フッ。
(スタッフ)お疲れさまです。
(雅人)飛鳥君。
はい。
夕方のニュースの件で話がある。
はい。
デスクに残っていた父の備品です。
何か気になるものとかありました?特には。
あっ。
一つ気になるというか見当たらないものが。
見当たらないもの?すみません横山さん!またいらしたんですか。
(佳奈)どんなことでもかまいません。
あの。
何かご存じありませんか?そんなことをしてもお父さんは浮かばれませんよ。
えっ?
(横山)こう言っては失礼ですが係長どまりだった山田さんが危ぶまれていた森の売却という大仕事を成し遂げられた。
すばらしい功績です。
亡くなられた理由など二の次でよいのではありませんか?そんな。
それは違うんじゃないでしょうか!?
(横山)何ですか?あなたは。
山田さんの人生は役所のものではありません。
山田さんとその家族のものです。
山田さんは平凡な方だったかもしれない。
出世も望まない方だったかもしれない。
だからと言ってその人の人生の価値を他人が決めてもいいんですか!?ちょっと待ってください。
お話聞かせてください!
(雅人)君を夕方のニュース番組でメーンキャスターとして招きたい。
えっ!?
(健介)あっ。
ど…どういうことなんでしょう?望美がキャスターになる話は椿木さんが断ったんじゃ?
(柴田)椿木さんは断ってはいませんよ。
(石場・健介)えっ?はい?いや。
むしろ飛び上がらんばかりに喜んでらっしゃいました。
わたしにはキャスターになる資格なんて。
彼女に言われたよ。
今回の君の起用に関して一つ確認しておきたいことがあるって。
(春香)あの子失敗するかもしれない
(雅人)えっ?今キャスターになってもまだまだ満足に取材もできないし局のアナウンサーにはもっとうまい人もいるわやっぱりダメかダメでいいと思うえっ?あの子は飛鳥はまだまだ優柔不断だし弱虫だし自分を見失ったりする。
でもねいいの。
ダメでいいのよ。
どんなに取材ができたってどんなに話がうまくたっていちばん大事なのはここなんだから。
キャスターにとっていちばん大事な資格は熱くなれるかどうかなんだからだからあなたに聞きたいの。
飛鳥望美を本気でキャスターとして育てる気がありますか?軽い気持ちで起用して一度や二度失敗したからって使い捨てにする気じゃないでしょうね?もしそうだったらあの子をダメにしたら今度こそ絶対に許さない!任せてくれ任せた横山さん?横山さん!横山さーん!ああー。

(石場)椿木さんあの。
傘持ってきました。
だから多すぎるんだよ!一つでいいんだよ一つで。
椿木さん!俺にも取材手伝わせてください!わたしも手伝います!ガンガン行きましょう。
ガンガン。
警察関係ならわたしに任せて!俺がいないと何にもできないようだな!
(石場)こらこら!みんな取材行っちゃったらあと誰がやんだよ?俺か?俺やるか。
ハハッ。
椿木さん。
わたしやっぱりこの仕事が好きです。
椿木さんに負けないぐらい好きです。
だから椿木さんに認めてもらえるまで安心して見送ってもらえるまで絶対あきらめません。
何よ。
仲よしごっこしてんじゃないわよ。
早くスクープ取ってらっしゃいよ!遅いのよ来んの!びしょびしょよもう!
(職員)知りません。
横山部長について教えていただけませんか?ささいなことでもかまいません!
(男)闘うぞ!はい。
ありがとうございました!
(女)横山部長わたしたちの話を全く聞いてくれないのよ!
(令子)ふれあいの森売却問題なんですけど。
(刑事)あああれね。
(角高)何か捜査に進展あったでしょう?
(刑事)なかなか…。
これ社会部行って確認してきて。
(スタッフ)はい。
このカバンは父の誕生日のときにわたしがプレゼントしたものなんです。
ああー。
(角高)横山に対して警察が動いてる様子がある。
ふれあいの森売却に絡んで賄賂を受け取ってた。
最初に山田さんの遺体を発見したのは横山部長でした。
(令子)ということは!あの遺書メールを出したのは横山部長かもしれない!
(横山)救…救急車!
(部下)あっはい!
(横山)山田さん?
(春香)自殺に見せかけて住民の声を鎮めようとした。
間違いない。
山田さんの死を利用してふれあいの森売却をたくらんだのは横山部長だ!決まったな!
(令子)よし!じゃあ裏取りに行きますか。
まだ分からないことがあります。
うん?どうして山田さんが亡くなったのかが分かりません。
(令子)だからそれは椿木さんの言うとおり事故だったんじゃないの?だとしてもどうして山田さんは屋上なんかに行ったんでしょう?だから屋上に頻繁に出入りしては独り言言ってたっていうから。
何を言ってたんだろう。
(石場)うーん。
あっ分かった。
実はさ椿木さんみたいなキャスターにあこがれてて何か練習してたとか。
(令子)まじめに考えろ!
(石場)ごめん。
それだ!
(石場)えっ?えっ?えっ?山田さんは屋上で練習してた!練習?ほら。
山田さんの備品からなくなってたテープレコーダー。
(角高)テープレコーダー?山田さんはテープレコーダーを持ち歩いていて毎日自分の声を録音して練習してたそうなんですよ。
(一同)何を?何を録音してたの?娘さんの結婚式でする新婦の父親からのスピーチ。
(令子)ああー。
山田さんは毎日人けのないところに行っては繰り返し繰り返しスピーチを練習していた。
多分役所でも昼休みや仕事終わりになると一人で屋上に行って練習してた。
その姿が周囲からは仕事のことで悩んでいるように思われたのよ。
多分亡くなったあの夜も。
ひょっとしたらそのテープレコーダーに山田さんの最期の瞬間が録音されてるかもしれません。
だから自殺に見せかけたかった横山がそれを!
(一同)隠した!何としてもそのレコーダー手に入れて!
(一同)はい!そこに山田さんの残した本当のメッセージがある!
(記者)ただいま加治木市役所前です。
警察の捜査も入っていますがいまだ大きな動きはありません。
(春香)「逮捕された横山容疑者は山田正夫さんの死を自殺と見せかける偽装をしていました。
しかし真実は山田さんの残したテープレコーダーの中に隠されていたのです。
山田さんの事故死を裏付ける音声とともに娘さんに残した最期の言葉が録音されていました。
わたしたちはそのテープを独自に入手いたしました。
お聞きください」
(山田)「えー。
えー。
えーただいまご紹介に預かりました花嫁の父であります山田正夫と申します。
わたしは何の取り柄もない男です。
大きな夢を見たこともなく似たような毎日を送り大した仕事もしてまいりませんでした。
ただこんなわたしにもたった一つだけ夢がありました。
人生においてもっとも大仕事と考えていることがありました。
それは今日この日のことです。
娘を無事に嫁に送り出すことが妻を早くに亡くしたわたしにとって人生のすべてでした。
この子の幸せな花嫁姿を見ることができればいいと。
今もこうして目を閉じれば娘との日々が思い出されます」
(山田)「佳奈。
お前は覚えていないと思うけど小学校1年生のころ夜中におなかが痛いと言って泣き出したときはお父さん近所の病院までお前をおんぶして走っていったんだよ。
『何でもないですよ』とお医者さんに言われて本当にほっとして涙が出た。
高校のころ近所のパン屋さんでバイトしてたね。
最初のお給料で買ったのはお父さんへの誕生日プレゼントだったね。
今でもそのときにもらったカバンはお父さんのいちばんの宝物だ。
妻を早くに亡くしたわたしを心配して今日まで嫁にも行かなかった佳奈。
でも大丈夫だ。
これからは自分の幸せ第一に考えておくれ。
佳奈ありがとう。
佳奈。
お前はお父さんの誇りだ。
お前がお父さんの人生のすべてだ」「お聞きいただいた音声の後山田さんはテープレコーダーを落としてしまいそれを拾おうとして誤って屋上から転落してしまったものと推測されます。
その一部始終がテープレコーダーに収められていました」「CMです」
(俊平)CM入りました。
お疲れさまでーす!
(俊平・健介・芽衣)お疲れ!
(健介)あのー。
先にウチの店行ってるわ。
えっ?また飲むの?あっ。
椿木さんは?ああ。
何かスタジオで待ってるって。
あらら。
また何かやらかした?ほら。
行くぞ!待ってるって!?何怒られるんだ?お疲れさまです。
お疲れ。
あのー。
何か?乾杯しよっか?乾杯?キャスター飛鳥望美に乾杯。
あんときあんたさ何て言ったか覚えてる?テレビばっか見てたらバカになるっつーのって言ったんだよ?バカになるって!言いましたっけ?ありえない!普通クビだよ!クビ!まあクビになるよりももっとひどい目に遭いましたけどね。
よく言うよ!誰のお陰でキャスターの声がかかるまでになったと思ってんのよ?あんたさ。
はい?キャスターやる自信ある?全然ありません。
正直わたしでいいのかなって思うしまだ迷ってるし不安だし怖いです。
だけど自信なくても信じてみる。
迷ったらやってみる。
不安だったら飛び込んでみる。
怖かったら走ってみる。
それが椿木さんに教わったことだから。
しっかりここにしまって行ってきます。
いいんじゃない?
(雅人)会長。
少しよろしいでしょうか?外してください。
妙なものを手に入れました。
シンガポールにある少々きな臭いダミー会社の定款です。
(英雄)お前の希望どおり報道に行かせたのは間違いだった。
余計なことばかり身につけとる。
できればもう一度現場に戻していただいたほうが。
もう遅い。
社長の椅子を継ぐということは会社のやましさも継ぐということだよ。
(春香・望美の笑い声)だからさダメなんだって食っちゃ寝食っちゃ寝したら。
あらゆるところに肉がついて…。
おなかが…。
あれ?あんたこんな時間まで何してんのよ?
(せきばらい)会長!?ああー。
椿木さん。
いやお久しぶりですねえ。
いつも見てますよ。
ありがとうございます。
報道はテレビ局の要です。
今後もとことん真実を追究してください。
期待してます。
ありがとうございます。
じゃっ。
ちょっと時間あるか?うん?あっ。
どうぞどうぞ!あの。
わたし先にお店行ってますね。
お疲れさまでした!どうも。
ちょっ。
ちょっちょっと!あれ?ここってさぁ。
(雅人)8年前君がプロポーズの返事をしてくれた場所だよ。
あんまり変わってないねえ。
(雅人)あそこからやり直すんだ。
えっ?
(雅人)君はここに立って。
僕はここに立って。
君が返事した。
君が返事した。
いいんじゃない?違う。
もっと素直な感じだった。
そうかなぁ。
うーん。
うん結婚しましょ。
ありがとう。
あっいや。
で別にこれは前のわたしが言ったことであって別に今のわたしが言ったことじゃない。
だったら今の君の今の返事を聞かせてほしい。
えっ?ホントはもう遅いのかもしれない。
遅くはないと思うよ。
もしかしたら君はまた僕を憎むようになるかもしれない。
別にもう怒ってるわけじゃないし。
結婚しよう。
なっ!ちょっ待って!何?何?はいはいはい!分かったわよ!行くからもう。
はい。
あっ。
反省会早く来いって。
反省なんか全然してないのにね。
(二人の笑い声)じゃあ今日は。
うん。
歩いていくから。
うん。
春香。
うん?気を付けて。
うん。
はい。
(配達員)ありがとうございました。
どうもありがとうございました。
椿木さーん。
うん?何かニューヨークから。
来た?ありがとう。
何ですか?うん。
ちょっと気になってることがあってさ。
ニューヨーク時代の仲間に問い合わせたの。
日本じゃ隠された情報も海外通せば意外と筒抜けになったりするもんなのよ。
へえー。
シンガポールのダミー会社を通して政治家に闇献金が渡ってたらしいの。
ちょっと何メモしてんのよ?いいじゃないですかせん別代わりにね。
この名簿に名前が載ってる人間は贈収賄の可能性があってね。
どうしたんですか?ちょっと見せてくださいよそれ。
えっ?ちょっと椿木さん?ううん何でもない。
そんなにないしょなことなんですか?ふん。
ないしょ。
えー!あれ?何かあったんでしょうか?
(スタッフ)分かりました。
(柴田)頼みますよ。
よろしく。
(望美・春香)おはようございます。
(柴田)あっ。
何かあったんですか?
(柴田)今朝臨時の取締役会がありました。
そこで結城雅人さんが我が社の社長に就任されました。
すごーい!社長ですか!?
(報道陣たち)来たぞ!おっ来た。
社長お願いします!
(報道陣たちの騒ぐ声)
(雅人)君はまた僕を憎むようになるかもしれない・『Dearfriend』2015/10/05(月) 14:55〜15:50
関西テレビ1
トップキャスター #09[再][字]

「突然のクビ宣告!」

詳細情報
番組内容
 椿木春香(天海祐希)は、飛鳥望美(矢田亜希子)の企画した“ふれあいの森売却問題”を取材。加治木市が市民に何の相談もなく売却を決めてしまったというものだ。だが、夕方ニュースのキャスターに抜擢される話がある望美は、どこか浮き足立っている。春香は望美にさりげなく注意を向けるのだが、望美には今ひとつ届かない。
そして取材後、春香はなぜか、望美に対してキャスターの話は白紙に戻し、
番組内容2
当分、自分のアシスタントを続けるよう厳命する。
 ところが『ザ・ニュース』で“ふれあいの森売却問題”を取り扱った次の日、役所の係長、山田正夫(渡辺哲)が自殺してしまった。春香は、山田が役所に宛てた遺書メールに疑問を持ち、望美は、自分の企画から死者を出してしまったと落ち込む。
すると、山田の娘・佳奈(伊藤歩)から、春香に会いたいと連絡が入る。佳奈も父親の死に疑問を持っていたのだ。
番組内容3
キャスターを目指す望美の夢をつぶそうとしていると、『ザ・ニュース』スタッフらの反感を浴びながら、春香はこの件の取材を始める。だが、望美を取材に連れて行こうとはしない。
なぜ、春香は望美を突き放そうとするのか?また、山田の死の真相とは?
出演者
天海祐希 
矢田亜希子 
玉木宏 
谷原章介 
松下奈緒 
松田翔太 
田丸麻紀
 ・ 
須藤理彩 
矢島健一
 ・ 
生瀬勝久 
児玉清 ほか
原作・脚本
【脚本】
坂元裕二
監督・演出
【演出】
七高剛
【プロデュース】
現王園佳正

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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