NHKニュース7 2015.10.06


こんばんは。
ニュース7です。
きのうに続く快挙ですね。
ことしのノーベル物理学賞の受賞者に、物質のもとになる最も基本的な粒子の一つ、ニュートリノに質量があることを、世界で初めて観測によって証明し、ニュートリノには質量がないと考えられてきた、それまでの素粒子物理学の定説を覆した、東京大学宇宙線研究所所長の梶田隆章さんが選ばれました。
日本人がノーベル賞を受賞するのは、アメリカ国籍を取得した人を含め、きのう、医学・生理学賞の受賞が決まった大村智さんに続いて、24人目です。
2015年ノーベル物理学賞の受賞者を決定しました。
受賞者は、梶田隆章さん、アーサー・ビー・マクドナルドさんです。
ニュートリノに質量があることを発見しました。
ニュートリノというのは、パズルのようなものです。
そしてことしの物理学賞は、その謎を解く一歩に対して授賞されます。
つい先ほど日本時間の今夜7時前、ことしのノーベル物理学賞が発表されました。
東京大学宇宙線研究所所長の梶田隆章さんが選ばれました。
梶田さんは、埼玉県東松山市の出身で、56歳。
昭和56年に、埼玉大学理学部を卒業したあと、東京大学大学院で、後にノーベル賞を受賞した、小柴昌俊さんの教えを受けました。
平成11年に、東京大学宇宙線研究所の教授になり、平成20年からは所長を務めています。
この間、梶田さんは小柴さんらと共に、物質のもとになる最も基本的な粒子である素粒子の一つ、ニュートリノの研究を続けました。
そして、岐阜県飛騨市神岡町の、地下深くに設けられた観測施設、スーパーカミオカンデで、大気中から飛来したニュートリノの様子を、詳しく観測することに成功しました。
その結果、ニュートリノに質量、つまり、重さがあることを世界で初めて突き止め、平成10年に開かれた国際学会で発表しました。
この研究成果は、ニュートリノには質量がないと考えられてきた、それまでの素粒子物理学の定説を覆すもので、世界の研究者を驚かせました。
梶田さんは、この研究成果で、平成11年に物理学の大きな業績に与えられる、仁科記念賞を受賞したほか、平成24年には、すべての学術分野の中から、特に大きな業績を上げた研究者に贈られる日本学士院賞も受賞しています。
日本人がノーベル賞を受賞するのは、アメリカ国籍を取得した人を含め、きのう、医学・生理学賞の受賞が決まった、大村智さんに続いて24人目です。
物理学賞の受賞は、去年の赤崎勇さんと天野浩さん、中村修二さんに続いて、11人目となります。
この梶田さんの研究は、ニュートリノという素粒子に、重さがないという定説を覆しました。
ニュートリノは、私たちの身の周りにあるありふれた素粒子で、地球上の1センチ四方の狭い範囲には、太陽から1秒間に660億個が降り注いでいます。
しかし、その性質には分からない部分が多く、かつては、質量、つまり重さもないと考えられていました。
謎の多いニュートリノの性質を詳しく調べるため、梶田さんや、東京大学の研究グループが使った施設が、岐阜県飛騨市の地下1000メートルに設けられた、スーパーカミオカンデや、その前身のカミオカンデでした。
この装置を水で満たし、壁一面に取り付けられた高感度のセンサーで、ニュートリノが水と反応したときに出る、僅かな光を捉えることで、ニュートリノの飛んできた2方向や、時刻などを正確に把握することができます。
観測の結果、太陽から放出されたニュートリノの数が、予想される数の半分程度しか、地球に届かないことが明らかになり、ニュートリノが地球まで飛んでくる間に、別の種類のニュートリノに変化している可能性を示唆するものでした。
この現象は、ニュートリノ振動と呼ばれ、ニュートリノに質量があるときにだけ起きる現象でした。
その後、ミューニュートリノという種類のニュートリノが、別の種類に姿を変えていることの観測に成功し、ニュートリノ振動が実際に起きていることを、世界で初めて証明しました。
これによってニュートリノには質量があることが裏付けられ、梶田さんらの業績は世界的に高い評価を受けることになったんです。
スタジオには、物理学のさまざまな研究分野に詳しい、科学技術振興機構の嶋田義皓さんにお越しいただいています。
嶋田さん、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
まず梶田さんの受賞決定、どのようにお聞きになりましたか?
個人的にはこの物理学の分野で、このような非常に基礎的な分野で、日本の貢献が世界に認められたということに、大きな驚きと、非常に喜ばしく思っております。
このニュートリノの研究といいますと、かつてですね、小柴昌俊さんがノーベル賞を受賞していますね。
こちらの今回受賞された梶田先生もですね、この小柴先生、それからとつか先生などから一緒に研究をされて、このようなすばらしい成果につながったというふうに聞いております。
梶田さん、ニュートリノに質量があることを突き止めたということなんですけれども、これ、かなり難しい話なんですが、これ、簡単にかいつまんでいいますと、どういうことになるんでしょうか。
そうですね、ニュートリノというのは、この宇宙の中に、そんなに珍しい存在では実はありません。
どこにでもある素粒子?
どこにでもあって、例えば、私たちの今、体にも、当たって、突き抜けている、そういった、ありふれた粒子なんですね。
ただ、このありふれた粒子なんですが、この性質があまりよく分かっていなかった。
そこで、このニュートリノというものがまず観測するということが非常に大事で、この観測されたということでまず1つ目のノーベル賞、小柴さんのノーベル賞があったと。
途中ですが、今、テレビの画面でご覧いただいているのは、これは梶田さんの現在の様子です。
東京大学宇宙線研究所所長の、梶田隆章さんの現在の様子です。
横顔が映っています。
こちらは本郷の東京大学の現在の様子です。
今少し、表情が見えました。
そのニュートリノの発見、ニュートリノを実際に観測したのが小柴さん。
そしてこの梶田さんは、その質量があることを、見つけたと、発見したということなんですね。
そうですね。
やはりこういった、この世をつくっている基礎的な粒子のことを素粒子と呼んでいますけれども、この素粒子の最も基本的な性質は、まず質量があるかないかということなんです。
こちらのニュートリノ、質量がないとされてきたんですが、今回のこの観測によって、質量があるというふうに決まったわけですね。
こういった実験による実証というのが、この基礎物理の中では、非常に重要でして、理論的にいろいろ提案されていることはあるんですけれども、こういった形で、実際に観測して、そうなんだというふうに実験で実証するというのが、この自然科学の非常に重要なところで、これに対して、梶田さんらの、スーパーカミオカンデを使ったこの実験というのは、非常に大きな貢献をしたということが、ノーベル委員会のほうからもプレスリリースがあったとおりです。
そもそもなんですけれども、ニュートリノという存在、これがまあ、確認されて、さらに、質量があるということが分かったと。
これは世界、あるいは宇宙を理解するうえで、どういう意義があることだったんでしょうか。
そうですね、この世の中で、宇宙を調べている研究者というのは、かなり大勢いるんですが、その中で、今、最も疑問になっていることが、この世で観測できるものを足し上げたとしても、この世にあるべきすべての質量とすべてのエネルギーには、まだ到底足りないと。
何が足りないんだろうというのが非常に大きな疑問になっていて、それに対する一つの答えが、見つかりそうだというところが、こちらの大きな貢献かなと思います。
分かりました。
さあ、ここで1973年、昭和48年に、同じくノーベル物理学賞を受賞した、江崎玲於奈さんと中継がつながりました。
お話をお伺いしたいと思います。
江崎さん、よろしくお願いいたします。
NHKの武田と申します。
まず、梶田さんのノーベル賞受賞の決定のほうをお聞きになって、どのような感想をお持ちになりましたか?
当然もらうべき人が、私はもらったということ、まず梶田さんに、おめでとうとお祝いを申し上げたいと思います。
カミオカンデにはね、いろいろ私自身は、…さんって、物質科学なんですが、実は小柴先生が非常に努力をさせて、非常に努力をされて、装置を作るのに努力されて、あの装置を実は、ノーベル財団の選考委員のエキスポンという人をあそこへ連れていって、あれを見せて、私自身も非常に、大きな機械に感動をした覚えがあるんです。
そのあと、もちろん小柴さんが装置を作って、観測されて、しばらくあと、ノーベル賞をもらわれたという歴史があるわけです。
ニュートリノ、こういうものは、もう、非常に基本的な粒子なんです。
そういう、日本の物理学の一つの伝統は、湯川、朝長、こういう基礎分野の人、最近の小林、益川、基礎的な物理、現在、物理学は10人受賞者がおりまして、今度は11人になるわけなんですよ。
こういう日本の伝統的な優れた分野に与えられる、これはある意味においては、当然だと思います。
まず、それでこういうニュートリノというものの正体を突き止める、これは宇宙に限りなく、たくさんある、その、非常に基本的な、素粒子で、こういうものを、より解明することによって、宇宙の基本的な、根本的なものを、われわれ解明する。
これは人類のかぎりない、そういうものを理解したいという願望、そういうものを梶田さんが成し遂げられた、サイエンスというものは、長い流れの中で、一歩一歩前進していくものなんですが、その一歩に梶田さんが大きく貢献されたということ、これは日本の物理学の誇りであり、日本全体の誇りであり、日本サイエンスの誇りで、私自身、大変うれしく思うしだいです。
ありがとうございました。
そしてこちらが、きのう、ノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった、大村智さん。
祝福するムードは、さらに広がっています。
土壌微生物の地道な研究。
人の役に立ちたい、亡き妻への感謝。
会見のことばからは、偉業へとつながった、いくつかのキーワードが浮かび上がっています。
ノーベル医学・生理学賞の受賞決定から一夜。
自宅から姿を見せた北里大学特別栄誉教授の大村智さん。
早速、大学に向かいます。
大村さんの出身地、山梨県韮崎市では。
市役所に垂れ幕が掲げられました。
職員はそれに向かって。
市長は防災行政無線を使って、大村さんの受賞を報告。
こちらは、韮崎市内の温泉施設。
大村さんがふるさとに貢献したいと、10年前に作ったものです。
常連客は。
大学に到着した大村さん。
多くの学生に迎えられました。
日本時間のきのう、ノーベル財団の会見。
常に携帯していたのは、ポリ袋とスプーン。
土を採取し、微生物の研究を続けてきた大村さん。
ノーベル財団が評価したのは、熱帯の寄生虫が原因で起こる、深刻な病気の治療薬開発のもとになる物質の発明でした。
薬のもととなる物質を出す微生物。
見つかったのは、意外な場所でした。
静岡県伊東市にある、ゴルフ場。
40年以上前、大村さんがゴルフコースから採取した土がきっかけでした。
そして、その菌から生み出されたのが、エバーメクチンという抗生物質です。
大村さんの研究グループの一人、高橋洋子さんです。
当時、土の中の細菌を培養する中で、見慣れない、珍しい菌を見つけました。
その微生物が送られたアメリカの製薬会社は、牛や豚など、家畜の寄生虫の駆除剤、イベルメクチンとして実用化。
世界中で販売されました。
その後、ヒトの寄生虫でも効果が確認され、角膜の炎症によって失明を引き起こすオンコセルカ症。
リンパの腫れを引き起こし、多くの患者を苦しめている、リンパ性フィラリア。
アフリカなどで、予防薬として無償で配布され、これまでに4000万人を感染から守り、失明を避けられた人は60万人に上るということです。
大村さんは、どんな人なのでしょうか。
実家は農家で5人きょうだいの長男として生まれました。
高校、大学時代は、スキーの選手として活躍。
これが先生の、1回、2回の長距離で優勝したときの。
大会で優勝するほどの腕前で、高校時代の後輩は、大村さんから厳しい指導を受けたといいます。
その後、山梨大学を卒業し、定時制高校の教師に。
そこで。
高校の教師を務めながら、東京理科大学大学院に進み、研究者としての道を歩み始めました。
そして、微生物の研究で世界的に有名な北里研究所に入所。
その後、北里大学薬学部と北里研究所の所長を務めました。
創設者、北里柴三郎博士の教えから、学生にも伝え続けていることがあります。
それが。
長く研究生活を続けてきた大村さん。
支え続けてきたのは、16年前に亡くなった妻でした。
大村さんの発見から生まれたイベルメクチンは、家畜の寄生虫の駆除剤として販売。
世界で年間1000億円を売り上げるヒット商品になりました。
今の若い人たちに対して、大村さんは。
そして今後、やりたいことは。
次は、交渉が大筋合意したTPP・環太平洋パートナーシップ協定です。
交渉参加12か国のGDPは、世界全体のおよそ40%。
協定が発効しますと、世界最大規模の自由貿易圏が誕生することになります。
私たちの暮らしにも大きな影響を与えることになりそうです。
安倍総理大臣は。
アメリカのオバマ大統領は、声明を発表。
中国のような国に、世界経済のルールを作らせるわけにはいかないとして、TPPで、アメリカ主導の貿易のルール作りが実現できるという考えを強調しました。
TPP交渉参加国は、人口を合わせるとおよそ7億7000万人で、世界全体の11%。
GDPはおよそ36パーセントを占めます。
協定が発効すれば、世界最大規模の自由貿易圏が実現します。
TPP、ご覧のように多くの品目に影響を及ぼし、私たちの生活も大きく変わることになりそうですね。
まず牛肉です。
現在、38.5%の関税ですが、16年目以降にこちら、9%になります。
単純な計算では、輸入単価1キロ当たり1600円のロース肉の場合、16年目以降の関税は、今より472円安くなります。
これをスーパーで販売しますと、100グラム300円程度のロース肉ですと、単純計算しますと2割ほど安い、250円程度に下がる可能性があります。
輸入水産物の関税も、撤廃または削減されます。
すしネタとして人気のマグロは、現在3.5%の関税がかけられていますが、発効から税率が段階的に引き下げられ、11年目以降は撤廃されます。
飲食店で提供されるマグロの価格が安くなる可能性もあります。
そして輸入ワインです。
1リットル当たり125円、または15%のいずれか低いほうの関税が適用されているんですが、協定の発効後、8年目以降は、この関税が撤廃されます。
特に価格の安いワインは、関税分15%を支払わなくてもよくなり、お得感が強まりそうです。
外国産ワインの輸入販売や、ワインショップの運営を行っている企業は。
こちらは、大阪で100年の歴史があるワイナリー。
安い輸入ワインが増え、競争が激しくなると懸念しています。
ファミリーレストランでは、利用客から、牛肉や豚肉を使ったメニューの値下がりを期待する声が聞かれました。
ほかにもあります。
例えば品薄が続くバター。
バターと脱脂粉乳について、TPP参加国を対象に、新たな輸入枠を設けることになりました。
バター不足の解消につながることが期待されています。
また、輸入されたチョコレート菓子の価格も安くなりそうです。
現在、10%の関税がかけられていますが、関税がかからない輸入枠が設けられます。
単純計算しますと、例えば、1000円で輸入されているアメリカ製のチョコレートは、協定の発効後は100円、値下がりすることになります。
そしてコメです。
アメリカとオーストラリアを対象に、関税がゼロの輸入枠を設定したことで、価格の安い主食用のコメが、手に入り安くなる可能性があります。
最近のコメの市場価格で比べますと、国産のコメの相対取引価格が、去年産のコメで1キロ当たり202円だったのに対して、アメリカ産のコメの現地価格は107円と、およそ2倍の開きがあります。
ただし、為替の影響や輸入コストなどもありますので、その差額分が、そのまま安くなるわけではありません。
こちらの回転ずし店、現在は国産のコメだけを使っています。
しかし、TPPの大筋合意を受けて、より価格の安いアメリカ・カリフォルニア州産のコメが調達しやすくなれば、一部利用することを検討したいとしています。
国内のコメ農家からは。
酪農家からは、価格競争が激しくなるのではないかと、不安の声が多く上がっています。
安倍総理大臣は、国内農業への影響を最小限に抑えるため、すべての閣僚によるTPP総合対策本部を設置する考えを示しました。
気象情報です。
あすも広い範囲で晴れそうです。
ただ、風はきょうよりも強まる見通しです。
台風23号が北上してきます。
大型のため、関東から北海道の太平洋沿岸を中心に、瞬間的には30メートル、立っていられないほどの風が予想されています。
また高波にも警戒が必要です。
その後、台風は北日本に近づく予想です。
あすの午後以降、急激にスピードを上げまして、木曜日には北海道の東へと進みます。
雨、風ともに強く、大荒れとなるおそれがありますので、早めの対策をしてください。
では、あすの全国の天気です。
晴れる所が多い予想です。
3時間ごとの天気です。
こんばんは。
「クローズアップ現代」です。
2015/10/06(火) 19:00〜19:32
NHK総合1・神戸
NHKニュース7[二][字]

▽ノーベル賞大村智さん 各地で祝福 ▽TPPは 【キャスター】武田真一,【サブキャスター】松村正代,【気象キャスター】寺川奈津美

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【キャスター】武田真一,【サブキャスター】松村正代,【気象キャスター】寺川奈津美

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