岩田寛ドタバタ帰国劇

　男子ゴルフの来季の米ツアー出場権を獲得した岩田寛（３４）が７日、日本ツアーの新規大会、ツアーワールドカップ（８日開幕）出場のため、開催コースである茨城県小美玉市・石岡ＧＣでのプロアマ大会で最終調整した。米国での試合から数日の間に、手にしたばかりの米ツアーのメンバーカードを紛失するドタバタ劇を展開していた。

　米ツアーへの道をやっとの思いで切り開き、喜びの凱旋（がいせん）になるはずが、岩田は冷や汗をかいていた。

　米下部ツアーのファイナルシリーズ・ウェブドットコムツアー選手権最終日から一夜明けた５日、滞在先の米フロリダ州のホテルで、岩田は喜びもつかの間、「ツアーカードがない！！」と大慌てだった。名刺大（９センチ×６センチ）の青色のプラスチック製カードは、米ツアーメンバーとしての唯一の証明書。「なくさないようにと思ってどこかに置いたのがまずくて、どこに置いたか分からなくなって…」。スタッフ陣を巻き込んで捜索したが見つからず、失意のまま帰国の途に就いた。

　６日午後７時半ごろに成田空港に着くと、茨城県内のホテルへ直行。疲れた体を休めようと寝間着に着替えると、何やら固い感触が−。

　「（ツアーカードが）パジャマのポケットに入っていたんですよ。『あっ、あった…』みたいな。アメリカのホテルのテーブルに置いたら忘れると思ったので、絶対にはくズボンに入れておこうと思ったんです（笑）」

　寝間着のポケットにしまい込んでいたため、スーツケースを荷ほどきするまで「なくしたと思っていた」。岩田は安堵（あんど）の苦笑い、心配したスタッフたちも笑うしかなかった。

　ただ、用具使用契約先が主催する今大会はホストプロとして臨むだけに、「（米国の）試合が終わった時には、すぐにこの試合に切り替わっていた」と心強い。　（松岡祐司）