-
社会と並走した60年。『グッドデザイン賞』に世の中の変動を見る
ウォークマンやオリンパス・ペン。受賞プロダクトに見る戦後デザイン総まとめ
-
THE NOVEMBERSの発想をがらりと変えた、土屋昌巳による学び
ブランキー、GLAYらも手がけた土屋が断言「NOVEMBERSは正しいバンド」
-
音楽家歴約45年。矢野顕子が「自分の限界」を認めて学んだ喜び
音楽に詞を乗せる上での責任についても語る。「言葉は曖昧にすべきでない」
-
「苦労するために生きろ」曽我部恵一がキース・リチャーズに学ぶ
都市伝説に彩られた伝説のロッカーの素朴な素顔に学ぶ、素敵な歳の重ね方とは
-
21世紀の女子解放論 もっともっと、気持ちいい毎日を
女子も楽しめる、18禁の春画。卑猥に感じさせない理由は、芸術性だけでない
-
New Orderの復活作に見る80年代レイヴカルチャーとEDMの関係
ケミカル、THE KILLERSも参加。マンチェスターのレジェンドとEDMの関係
-
あの人の音楽が生まれる部屋
相対性理論を経て真部脩一が明かす、自身のルーツとVampillia加入の動機
-
YEN TOWN BANDは、なぜ20年ぶりに本格的に復活するのか?
小林武史インタビュー このバンドの復活について今話しておくべきこと
-
ラーメンズ・片桐仁と行く『アーティスト・ファイル2015』展
どれがお好み? 自由すぎる日韓12人の現代アーティストの表現が一堂に集結
-
でんぱ組.inc、森山未來も参戦。横浜が「ダンス都市」に変貌中
200を超えるプログラムが今夏開催。横浜はなぜ今「ダンス」に注目するのか?
-
『ニッポンのマンガ*アニメ*ゲーム』展を、Omamezと巡る
1989年以降のコンテンツを展示。めまぐるしい進化と、日本の個性を再発見
-
変わり者と呼ばれた異端の作曲家、エリック・サティを知る
西洋音楽300年の伝統をどうやって破壊した? 著述家の湯山玲子に聞く
-
美術館を丸裸?『NO MUSEUM, NO LIFE?』を箭内道彦と観る
アーティストからヌード、お金まで。美術館の裏側を「丸見え」にする展覧会
-
現代アートが嫌いでもいい。大規模すぎる『大地の芸術祭』ガイド
現代アートと日本の里山。異例のコンビが積み重ねた15年の魅力を振り返る
-
北野武インタビュー「老人を大切にしようなんて、大きなお世話」
海外で高い評価を得た北野映画は何故エンターテイメントに振れていったのか
-
ヤマジカズヒデ×チバユウスケ 飾らないカリスマたちの音楽談義
THEE MICHELLE GUN ELEPHANTとdipの結成から今日までの24年間を回顧
-
しりあがり寿に教えてもらう、めんどくさがりな脱力系芸術論
紫綬褒章受賞のギャグ漫画家が、アートでも「常識を後ろから膝カックン」
-
わざわざ足を運んで観ることの意味ってどこにある?「劇場」入門
小説を読むより根源的な欲求「舞踊」が今世界にできること 金森穣×大澤真幸
-
山奥で暮らす高木正勝が届ける、人生を変える「感じ方」の授業
もの作りの神髄に触れる最後のチャンス?希代の音楽家が山奥に越した理由
-
伊勢谷友介が語る、未来を変えるためにアーティストができること
映画『ザ・テノール』出演と共に、日韓関係・資本主義・芸術を考える男の言葉
-
アーティストをやめる、苦渋の決断が生んだ現代芸術チーム「目」
天才・荒神明香と共に。エゴやコンプレックスを乗り越えて目指したもの
社会と並走した60年。『グッドデザイン賞』に世の中の変動を見る
- 文:島貫泰介
- (2015/10/07)
1957年に「グッドデザイン商品選定制度」として始まった『グッドデザイン賞』は、今年で発足59年を迎える。つい先日、今年度の受賞結果が発表されたが、そのリストからは「デザイン」と定義されるものの幅広さを感じずにはいられない。自動車や家電といった生活に密着したプロダクトは当然として、太陽光発電などの再生可能エネルギーの地産地消にとりくむ市町村や、クラウドファンディングまでもがデザインの1つとして選ばれている。
デザインにせよアートにせよ、その定義は変化し、拡張し続けている。社会体制の変化、ネットワーク技術の普及、多様化する個人のライフスタイル。そういったものの影響をビビッドに受けてデザインは変わっていく。もはや10年後のデザインがどんな意味と姿を備えているか、正確に想像するのは難しい。だからこそ、『グッドデザイン賞』も半世紀を超える歴史の中で、その定義と役割を変えてきた。本稿では、グッドデザインの歩みを振り返りながら、戦後日本とデザインの関係を振り返ってみようと思う。そうすることで、未来のデザインもきっと見えてくる。
敗戦後の風景に闘志を燃やした、若きデザイナーたち
現在は、公益財団法人日本デザイン振興会のもと民営化されている『グッドデザイン賞』だが、その起源は通商産業省(現在は経済産業省)、そして特許庁が旗ふりしたデザイン振興政策にさかのぼる。
民間の経済活力の向上を目的とする通産省が、企業や民間団体の開発するデザインを支援するのは、わかりやすい関係だ。だが、なぜ発明や実用新案の事務管理をする特許庁が、『グッドデザイン賞』の最初の母体となったのか?
『グッドデザイン賞』ロゴ
太平洋戦争が終結した1945年。敗戦した日本では、国力の復興が求められた。GKデザイングループ会長を務めた榮久庵憲司が、焦土と化した故郷の広島に「凄惨な無」を見出し、「有」としてのデザインの必要性を感じたというのは仏僧でもあった同氏らしいエピソードだが、大望を持った若きデザイナーたちにとって、その想いは大なり小なり共有できるものだったろう。戦争によって国力や物資を失った日本を、物質としてのデザインによって立て直すという意志。それは現在の日本を形作る、根源的なエネルギーになった。
デザインは、国家・地域の成長の勢いを示すバロメーターでもある
だが、国全体が勢いを持つ時期は、同時にいろいろなことがおざなりになる時期でもある。当時の特許省意匠課長であった高田忠は『グッド・デザインーその制度と実例ー』において以下のような指摘をしている。
「日本商品の外国意匠盗用問題は、今に始まったことではなく戦前にもしばしば問題になったが、国際問題として真剣に取り上げられたのは、昭和二十四年、イギリスから当時のG・H・Qを通じて、日本の輸出織物の意匠がイギリスのそれを盗用していると抗議されたことにはじまり(…)昨年九月(1957年)にも藤山(愛一郎)外相がロンドンを訪問した際、日本からボンベイ方面に輸出したベアリングの外箱の意匠が、イギリスのポーラード社のベアリングの外箱の意匠に似ているというので、だいぶ問題にされたようである」
つまり模倣である。当時、アメリカ国内のデパートで日本人が買い物をしようとすると「私たちの商品を模倣するから、日本人には商品は売れない」と断られたという報告もあったほどで、国際信義保持、貿易政策の観点から「好ましからぬ状況」と日本政府は認識していた。
現在も、アジア各国で盗用・模倣された人気キャラクターが問題(話題?)になり、微笑ましくなくもない不名誉なニュースが報道されたりするが、見方を変えれば、それは国家・地域の成長の勢いを示すバロメーターでもあるだろう。理想とする他国を自身の範として、そこに近づくために技術や文化の吸収に全身全霊で挑む。すこし前のアジアがそうであったように、かつての日本もそんな「若い国」であったということだ。
島貫泰介
美術ライター&編集者。1980年生まれ。
CINRA.STORE カルチャーセレクトショップ
-
神尾茉利 - ブローチ「ひみつのはなし」(メガネザル)
¥5,400
クイズ形式で楽しみたいブローチ
-
majocco - モバイルバッテリー「わたしの舞台」
¥3,780
緻密な線で描かれる色鮮やかな世界
-
長谷川朗 - Tシャツ「パニック」(ホワイト)
¥3,240
幾何学的な作品を刺繍に落とし込んだユニークなデザイン
-
Totan. - iPhone6ケース「アヒル」(手帳型)
¥4,104
パターンになったアヒルが目を引くデザイン
-
苫米地正樹 - プレート「ターコイズスクエア(中)」
¥3,780
食卓だけでなくインテリアの一部にも
-
Mogu Takahashi - iPhone6ケース「Daydreaming」
¥3,780
「空想」する楽しみをくれるデザイン
-
ヌトグラン - トートバッグL「ねこすわり」(ナチュラル)
¥3,024
のんびりしたい休日に持ちたいトートバッグ
-
proef - ストッキング「LINE_ARCH」
¥3,456
顔料プリントで描かれた大胆な曲線
-
URBAN SAFARI - ケープペンギン(CINRA.STORE別注)
¥7,020
力強く美しい野生動物のブローチ
-
KURI BOTELLA - タイツ「Paradise」
¥6,048
「大人の女性」の為の上質で可愛いタイツ
-
POiNT - ハンドバッグ「A bag」(イエロー)
¥4,104
花瓶? 金魚鉢!? ユニークなフォルムが魅力的
-
Asuka Eo - モバイルバッテリー「アイスランドの黒猫たち」
¥3,780
いつでもどこでも猫たちと一緒
-
ハッカドロップス - 『ロマントピアからの手紙』(CD)
¥1,000
ポップなビジュアルやアートワークも注目!
-
kick FLAG - リュックサック「flag pack」(ブルーグレー)
¥15,120
ツートーンで魅せるシンプルなデザイン
-
BP. - キーホルダー「SNAP KEYRING」(シルバー)S
¥2,916
簡単に鍵の出し入れができる優れもの
-
kick FLAG - トートバッグ「flag bag」(ブルー)
¥9,930
気分によって使い分けたい2WAYデザイン