島脇健史
2015年10月8日15時16分
パチンコやマージャンなどの遊技を介護予防の主な訓練内容とするデイサービス施設や特別養護老人ホームなどを、介護事業所として指定しないとする条例改正案が9日、兵庫県議会で可決される見通しだ。ギャンブル依存につながる恐れがあるなど、介護保険法の趣旨にそぐわないと判断。こうした規制は都道府県で初となる。
条例で規制するのは、「アミューズメント型」「カジノ型」と呼ばれる介護事業所。パチンコやカードゲームなどの設備を備え、疑似通貨を使って利用時間の大半を遊技にあてるような施設で、関東を中心に増え、県内でも新設の動きがあるという。
神戸市もデイサービス施設を対象に同様の条例改正が9月下旬に成立。県は特養や介護老人保健施設などにも対象を広げる。
条例改正案は、射幸心をそそったり依存性が強くなったりする恐れのある遊技を、日常生活を逸脱して提供しない▽疑似通貨を使用しない▽内外装や備品、事業所の名称、広告などを賭博や風俗営業を連想させるものとしない――などとしている。違反すると県が改善を指導し、従わない場合は最終的に介護事業所の指定を取り消す。
■疑似通貨でパチンコ
「ロン! やったー」「惜しかったな」。6日、横浜市都筑区の「デイサービス ラスベガス横浜都筑店」を訪ねた。兵庫県が「カジノ型」とみている施設にあたる。約200平方メートルのフロアに高齢者のにぎやかな声が響いていた。約20人が、パチンコ台やマージャン台に向かう。
施設を運営する日本エルダリーケアサービス(東京)の説明では、利用者は午前、午後に各10分間のストレッチをすると、疑似通貨「ベガス」が1日最大2万ベガス渡される。パチンコなら1千ベガスを250玉に換えて遊ぶ。その日最も多くのベガスを獲得した人が最後に表彰される。
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朝日新聞社会部
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