イベントレポート
CEATEC JAPAN 2015レポート【センサー/部品/その他編】
〜かつて光学メディアを手掛けていたメーカーの今
(2015/10/8 06:00)
既報の通り、CEATEC JAPAN 2015が現在開催中だ。会場では特に、中国のBOEの10K液晶ディスプレイと、世界初の洗濯物を自動でたたんでくれる「laundroid(ランドロイド)」に注目が集まったのだが、これらの詳細は僚誌を見てもらうとして、ここではIoT関連や、それの下支えとなっている部品について、写真を中心にかいつまんで紹介して行こう。
IoTは、やはり低消費電力で通信できるBluetooth Smartが外せない。太陽誘電、ROHM、村田製作所、アルプス電気など、大手部品メーカーはこぞってBluetoothモジュールを用意している。つまり、それだけ活発な市場であるということだ。
ちなみに太陽誘電は6月に光記録メディア事業からの撤退を発表したのだが、既に同社の事業の主力は電子部品に移行している。しかし光記録メディアで培ったノウハウを駆使した部品が存在するのが特徴だ。
例えば可視光を用いた近接通信モジュールは、双方向全二重で100Mbpsの通信が可能。光を用いた通信は、法制上の制限が少なく、なおかつ指向性があるため秘匿性が高い。これを無接点給電と組み合わせることで、ケーブルのねじれに制限されず、無制限回転の監視カメラやロボットアームが実現できる。
一方で被測定物の変位検出を簡便かつ低コストで実現する「光変位センサー」も、新たに±5nmという非常に高い精度で検出できるモデルを用意した。難しい言葉を並べたが、簡単に言うと被測定物の変位を検出するセンサーである。センサーは2つのブロックからなり、1つは発光素子、もう1つは受光素子となっている。この2つのブロックで、光学素子を挟む。発光ブロックが変位すると、その移動量に合わせて受光ブロックに入る光の量が変化する。その明暗を距離に置き換えて数値化を行なうのが、光変位センサーである。
例えば重量計では、天板に物を載せると、天板に歪みが生じる。太陽誘電のセンサーは、1,000μmの検出レンジを持つので、1μmを1g分の重量に置き換えて換算(というより、1gで1μm歪むよう天板を設計)し、精度が±0.1μmであった場合、0.1g単位での計測が可能な計算だ。今回は±5nmの精度を実現できたので、これに当てはめると0.005g単位での計量が可能、となるわけだ。
もっとも、いくらIoTが来ると言っても、コンシューマにとってこれだけの精度が必要になることはまず考えられない。どちらかと言えば、手術ロボットのアームのワイヤー移動量や張力を測定し、精密な位置決めを行なうと言った、精密さを求められる医療分野で応用されていくだろう。
光メディア繋がりで言えば、TSST(東芝サムスンストレージテクノロジー)も出展をしていた。ご存知のように近年は光メディア市場が大幅にシュリンクしているので、同社の主力は既に光学ドライブではなく、スマートフォンアクセサリに移りつつある。と言ってもこれらはOEM生産に委託して、TSSTのブランドを冠しているだけで“本業”ではない。
では“本業”は何かと言うと、これまた光学ドライブの技術で培った光学技術を駆使した超小型のプロジェクタモジュールである。CEATECの会場では、このモジュールを内蔵した超小型Androidプロジェクタのプロトタイプを展示していた。なお、このプロトタイプは世界で2つしかないという。
純粋な超小型プロジェクタならば他社でもあるのだが、本プロトタイプはAndroid内蔵のため、Google Playのアプリなどが利用可能なほか、本体上部にタッチパッドを備えており、マウスポインタで操作できる。また別途マウスを繋げての操作も可能だ。スピーカーやMiracast機能、バッテリも内蔵しており、まさに1台でなんでもできるといった感じだ。同様の製品はソフトバンクの「モバイルシアター」が挙げられるが、モバイルシアターからディスプレイやLTE通信機能を省いたものだと思えば良いだろう。
プロジェクタモジュールは、200ルーメンという明るさを実現している。このためデモではわざとカーテンを開けた状態でデモを行なっていた。解像度はHDクラスだとしているが、「現在フルHDモデルも準備している」という。
そのほか会場ではいくつか面白い展示があったので、写真でまとめて紹介しよう。
URL
- CEATEC JAPAN 2015のホームページ
- http://www.ceatec.com/ja/
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