こんにちは!はてなブログ「プロジェクトマネジメントの話とか」管理人のwiz7と申します。
この度、ご縁あってシゴトの効率化について書かせていただくことになりました。僕は専門家でもないイチ会社員ではありますが、僭越ながら、普段考えていることなどについて、お伝えしていきたいと思います。
「人は相変わらず少ないのに、仕事の量ばかり増えていくんだよねぇ」
「仕事が多いのは有難いことだけど、さすがにもう限界だ……」
次々と押し寄せる仕事を消化するため、残業や休日出勤で何とかしのいでいく僕たち。各種メディアでも長時間労働が度々話題にあがり、「社畜」「ブラック企業」などというフレーズを見かけることも珍しくなくなりました。
「慢性的な長時間の残業」が当たり前となっている職場も多いかと思いますが、コレって本当にあるべき姿なのでしょうか?一時的に稼動が膨らむことはあるかと思いますが、常態化している場合は根本的に何かが間違っていると考えるべきでしょう。
稼動が膨らむ根本的な原因は経営層・マネージャー層にあるにせよ、現場のメンバー達も工夫して乗り切る必要があります。今回は、そんな状況の中でとり得る一つのアプローチとして、「強制的に時間を切ることの効果」について考えてみたいと思います。
忙しいときこそ、労働時間を減らす
仕事が立て込んだ場合、まずは残業時間を増やすことで物理的な作業時間を増やそうとするのが一般的な対応かと思います。
しかしこれでは、すぐに限界が訪れることになります。時間を増やしたいという発想から抜けない限り、行き着く先は睡眠時間の削減という最悪の結末を迎えるのが関の山です。
(図1:足し算型の発想では、すぐに限界がくる)
忙しいからこそ、労働時間を減らすべきなのです。
物理的な作業時間を足していく「足し算型」の発想から、時間でなく密度を求める「かけ算型」の発想に切り替えること。これが一つのカギになります。
(図2:密度を最重視したかけ算型の発想への転換が必要)
一つの解決手段の例として、あえて平日の夜にプライベートの予定を入れることの効果について考えてみましょう。
平日の夜に予定を入れることで生まれる「2つのメリット」とは?
1. 限られた時間の中で仕事を消化せざるを得ないため、単位時間当たりの消化量がアップする
慢性的に長時間残業を強いられる環境に置かれた場合、特に意識いただきたいのが、その日の退社時刻を強く意識する、ということです。もし仮に、定時までしか作用時間が確保できないとしたら?作業時間に大きな制限がかかると、人は必然的に、必死に本気で無駄を省くようになります。
無駄な打ち合わせはないか?無駄な仕事は無いか?優先度の低い仕事はどれか?極限まで手持ちの仕事を削ろうとすると、思いのほか無駄な作業が多いことに気付きます。また、業務時間中の神経・感覚が研ぎ澄まされていきます。
そもそもの話になるのですが、朝の9時に出社して夜の22、23時まで全力で一日中、頭をフル回転させられているか?という話なんですよね。納品前などは、期間限定でダッシュすることはあるかもしれませんが、人間が「無酸素運動」で走れる距離には限界があるのです。人間の脳と体はムリを長期間継続できるようにできていません。ムリをすれば後から反動が訪れます。
また、スピードを追い求めるにあたり、コンスタントに自分で自分に火をつけ続けられる人はそう多くありません。効率化を目指す場合は、自ら効率的に処理せざるを得ない状況に自分を追い込んだ方が、結果的に楽に目標を達成できたりもするわけです。強制力を強めるためにも、人と会う予定を入れることをオススメします。
僕は以前、毎週水曜が「定時退社日」の現場で働いていたことがありした。実際は定時になっても誰も帰宅しない、完全に形骸化した制度でした。このような企業は以外と多いのではないでしょうか?
しかしその後、業務効率化の観点から、特別な理由がない限りは定時で強制的に退社させられるようになったのです。
するとどうでしょう?タスクが溢れて休日出勤するメンバーが続出するかと思えば、全くそのようなことはなく業務は滞ることなく回っていったのでした。日頃、いかにチームがたるんだ状態(!?)で仕事をしていたか、ということがよくわかった出来事でした。
2. プライベートの時間が人間力を底上げし、仕事力の向上に繋がる
みなさんご存知の通り、仕事は総合力です。知識・技術を積み上げることはもちろん大切ですが、それ以前の問題として、コミュニケーションの能力が大きく問われます。
「人と人とのコミュニケーション」が仕事の成果の9割を決めます。これに職種・業種は関係ありません。
また、仕事に直接関係ない(ように見える)幅広い教養も、当然必要ですよね。長期的な観点で考えた場合、家族や友人などと過ごすプライベートの時間もこのような力を養うのだと思います。もちろん、趣味に没頭することも大切ですし、それもまた大きな財産になるかと思います。
また、リフレッシュ後は早めに帰宅し、帰宅時間睡眠・運動の時間をしっかりと確保することで、脳の機能自体を向上させることができます。いずれにせよ、パフォーマンスを向上させ、短時間で集中することが重要ですよね。
余談ですが、実際に僕が定時帰りを実践して感じたことの一つに「世の中の人たちは定時で帰って人生を謳歌している」というものがありました。人手不足のIT業界に入り、もう何年も定時で退社した記憶がなかった僕は、17~18時に駅のホームに溢れかえる会社員たちを見て驚いたのです。
「マジで!?みんなこんな早い時間に帰って人生を謳歌してんの!?」
おやおや、「社畜乙」という声が聞こえてきましたね。ご声援ありがとうございます。
当たり前じゃないか、と思われる人も多いかもしれませんが、閉塞した空間に長期間いると、人間は感覚が麻痺してしまうのです。外の空気に触れることが、いかに大切かを知った瞬間でした。
さいごに、効率化を考えるにあたって
効率化を考える上で是非とも認識しておきたいのが「誰にでも、どの職場でも、どのプロジェクトにも効く」万能の特効薬というものはない、ということです。
ITプロジェクトを例に挙げます。僕はIT業界で働いているのですが、一つ一つのプロジェクトには、それぞれ特有の「個性、顔つき」というものがあることをひしひしと感じています。
プロジェクトを構成するメンバーの規模や性格、プロジェクトの期間、システムの 要件(要望)や技術的な難易度、その他多くの要素によって「プロジェクトの性格」が決まります。
それに加え、プロジェクトマネージャーの性格も、人の数だけ存在しますよね。つまり、マネジメントの方法はプロジェクトの数だけ存在するのです。これが絶対に正しい!という絶対の解はないんですよね。
それと同じように、仕事の効率化ついても、自分の性格、仕事の性質、職場の文化に合うかどうかについては、自分で実際にPDCAを回してみないとわからないことが多々あるわけです。
要は、見聞きした情報は鵜呑みにすることなく、まずは実際に試して自分の生活の変化が、自分の価値観に合っているかを含めてみてみる。これが一番大事なことなのかな、と僕は思います。
「人が死ぬ際に後悔すること」のような話の中でよく見かける項目に、「働き過ぎなければよかった」というものがあります。
どのような働き方をしたとしても、多かれ少なかれ、誰もがそのような感覚を抱くかもしれないな?と僕は思いますが、少しでも納得のいく働き方を追求したいものですよね。
仕事は、金銭的報酬だけでなく、エクサイティングで、人に貢献することができ、かつ自分を成長させてくれる非常に尊いものだと僕は思います。だからこそ、上手に付き合って少しでも楽に、少しでも面白く、「濃い働き方」をしたいものですよね!
じゃ、今夜は久しぶりに定時であがって、飲みにいきますか!
そんな「小さな一歩」が、あなたの未来を「大きく楽しく変えていく」のかもしれませんね!
プロフィール
普段は普通の会社員としてWebサービス関連のプロジェクト管理など、最近は企画寄りの仕事もしています。
はてなブログ「プロジェクトマネジメントの話とか」では、プロジェクトマネジメントの他、ライフハック・IT業界の話を中心に、ビジネス全般について書いています。