[デトロイト/ワシントン 7日 ロイター] - 独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)(VOWG_p.DE)が排ガス規制を不正に逃れていた問題で、VWを含む自動車大手のディーゼル車に使われていた独自動車部品大手ボッシュ[ROBG.UL]のエンジン制御ソフトは書き換えられていないことが、7日までに分かった。米環境保護局(EPA)などが明らかにした。
EPAによると、ダイナモメーターと呼ばれる装置で車両が検査を受ける際に、排ガス浄化機能が働くように、VWがエンジン制御ソフトを書き換えていたという。
独ダイムラー(DAIGn.DE)のメルセデス・ベンツもボッシュのエンジン制御プログラムを採用しているが、6日夜に発表した声明で「ベンツのディーゼル車には、検査を検知できるソフトは使われていない」と強調した。
同じくボッシュのソフトを搭載している独BMW(BMWG.DE)も7日、車両に用いられている排ガス制御装置は検査時と実走行時の両方で機能を発揮していると発表した。
ボッシュは「EDC17」と呼ばれるディーゼルエンジン制御システムや、北米で販売されているほぼすべての4気筒ディーゼルエンジン車向けの基本制御ソフトを供給している。このため、VWの不正を調べている米国の議員らは、他の自動車メーカーも、各州や連邦の排ガス規制を容易に回避可能ではないかとの問題点を挙げている。
さらに、米下院エネルギー・商業委員会の監視・捜査小委員会に近い関係者によれば、ボッシュの基本エンジン制御ソフトなどが検査モードを検知できるよう自動車メーカーによって簡単に書き換え可能であるという証拠は、現在の排ガス検査のあり方を変える必要があるのではないかという課題を浮き彫りにしているという。
ボッシュは6日の発表文で、エンジン制御システムなどの部品は、各メーカーの仕様に沿って供給しており、「部品がどのように測定され、完成車のシステムにどのように統合されるかは各メーカーの責任において行われている」と説明した。
ただ今回の不正に関し、ボッシュが正確にどのうような役割を果たしていたのか、VWによるエンジン制御ソフト書き換えにどれほど密接に関わっていたのか、VWが不正目的でソフトを使うことを把握していたのかどうかははっきりとしていない。
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