【10月8日 AFP】シリア領内での空爆作戦を続けるロシア軍は7日、激しい爆撃とカスピ海(Caspian Sea)の軍艦からの巡航ミサイル攻撃によって同作戦を大幅に拡大するとともに、シリア軍の反体制派に対する大規模地上作戦の支援を開始した。

 ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は、同国軍がシリア軍の地上部隊の動きに合わせた空爆を開始したと発表。さらに、ロシア軍艦4隻が26発の巡航ミサイルを発射し、イスラム過激派組織「イスラム国(Islamic StateIS)」の標的を初めて攻撃したことを明らかにした。

 ロシア国防省が公開したビデオマップは、南カスピ海の艦艇から発射されたミサイルが、1500キロ近く飛行してイランとイラクの領空内を通過し、シリア領内の標的に着弾する様子を示している。

 AFPがロシアのビデオマップを精査した結果、少なくとも巡航ミサイル1発がISの掌握する北部アレッポ(Aleppo)県バーブ(Al-Bab)近くに着弾し、他にも数発が北西部イドリブ(Idlib)県の攻撃目標に向かったとみられることが分かった。

 一方のシリア軍当局筋はAFPに対し、同政府軍がハマ(Hama)県のラトミーン(Latmeen)村近郊で、ロシア軍の上空援護を受けた大規模な地上作戦を開始したことを明らかにした。作戦は、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)系の武装組織「アルヌスラ戦線(Al-Nusra Front)」の他、穏健な反体制派やイスラム系の反体制派を含む、さまざまな反体制派組織を標的としている。

 ロシアは空爆作戦の標的はISなどの「テロ集団」だとしており、9月30日の攻撃開始以降、112目標を攻撃したと発表している。しかし、シリアの反体制派とその支持者らは、過激派以外にもさまざまな反体制派勢力が攻撃を受けたと主張している。(c)AFP/Sara Hussein and Max Delany in Moscow