【重要追記あり！都の汚染隠蔽発覚】イノセ副知事の傲慢発言（2008年11月号『世界』記事から）

　前述のような豊洲移転反対論について、都の猪瀬直樹副知事は日経BPネットで「感情論だけの原理主義的反対は問題を混乱させるだけだ」と批判している。そこで、猪瀬副知事の豊洲移転論を聞いた。

－－「感情論だけの原理主義的反対」とはどういう意味ですか。

猪瀬　世の中すべてにリスクはある。しかし、移転反対の人たちはゼロリスクでなければいけないと言っている。それを言い始めたら飛行機にも乗れませんよ。

－－豊洲のリスクは桁違いです。

猪瀬　築地にもアスベストが使われている（管理人：　ほとんど工事の終わった、既存工法で行っているものを今さら！）。地震が来たらそのリスクは大きい。専門家会議は、情報も全部隠さないでやった。それは評価していいんじゃないか（管理人：　あのしろものでは到底できないですね）。今度は技術会議を設置して（管理人：　裏も表も、座長代行もすべてが密室！）、汚染を封じ込める新技術をコストと工法の両面から公募している。

－－その会議は非公開ですし、委員名も委員長以外は明らかにされていません。

猪瀬　建築のコンペでも途中経過は言わない。委員名を非公開にしたのは企業が自社の技術を採用してくれと陳情合戦になっては困るから（管理人：　なんでしょう、この尊大さ）。終わったら、全部情報公開されます。

－－終わってからでは遅いのではありませんか。そもそも汚染を封じ込める新技術は安全性が実証されておらず、「人体実験」になってしまわないですか。

猪瀬　それを言ったら、何も決まらなくなる。六人の一流の学者がチェックするんだから。それよりはボクはよくここまで来たなあと思いますよ。昔の都庁なら全部隠してるよ（管理人：　今も）。それに、仲卸のｌ八割は移転に賛成で（管理人：　事実歪曲）、反対は二割だと聞いている（管理人：　誰に？）。

－－それは違うと思います。

猪瀬　「思います」じゃなくて事実に基づいてしゃべってもらわなくちゃ。（管理人：　ご自身こそが！）

－－九八年の仲卸の組合・東卸（東京魚市場卸協同組合）の全組合員投票では、築地再整備が六割、移転が四割でした。しかも、これは豊洲の汚染が発表される前の数字です。

猪瀬　少しデータが古いね（管理人：　この尊大さ）。築地で営業しながら再整備するのは不可能だとなって豊洲移転がきまった経緯がある。豊洲がダメなら代案（管理人：　出ました！代案！）を出していただきたい。石原知事も「他によい場所があればいいんだよ」と言っていました（管理人：　よく平気でこうした嘘を言うものです）。築地は昭和10年の建設で、建物が円弧を描くように建てられているのは貨物列車が入りやすいように設計したから。鉄道輸送が前提ですよ。トラック輸送んお時代に対応できなくなっている（管理人：　構造カイカクしないと時代遅れだというあれですね）。最盛期より四割くらい減っている。このままではジリ貧ですよ。イトーヨーカ堂やイオンに価格決定力を奪われかけている（管理人：　だってそう仕組んでいるからでしょう）。広いところに行けば、大きな取引（管理人：　投機）ができて仲卸の人たちが生きていける可能性も高まる。

（ここまで、1/26　0時ころ）

～～～～～～～

【ここから朝になって追記】

朝日新聞が1月26日朝刊のトップ記事で、東京都の豊洲新市場予定地での「深刻な汚染隠し」を報道しています。

朝日
発がん性物質、都公表の１１５倍　築地市場移転先
2009年1月26日3時0分
http://www.asahi.com/national/update/0125/TKY200901250191.html

　東京都中央区にある築地市場の「移転先」にされている江東区豊洲の土地から極めて強い発がん性を持つ化学物質が公表値の１１５倍の濃度で検出されていたにもかかわらず、都が汚染対策を話し合う公開の専門家会議にその結果を報告していなかったことが分かった。会議の座長は「情報隠しと受け取られかねない」と問題視している。

　高濃度で検出された化学物質はベンゾ（ａ）ピレン。都は０７年５月、土壌汚染への対応のための有識者による専門家会議を開始。ここで同年１１月、土壌１キログラムあたり最大５．１ミリグラムのベンゾピレンが検出されたと報告した。ベンゾピレンについての環境基準や指針は国内にはないが、会議の座長は「米国やドイツなどでは２ミリや３ミリがリスク評価のための基準」と発言している。

　都は、０８年３月から改めて土壌汚染調査を実施し、同年６月末までにその結果を把握。同年７月の専門家会議で、それまでに測定されていた最大値を下回るか、増えても数倍程度のベンゼンやシアン化合物などの結果は公表したが、ベンゾピレンの結果には触れなかった。

　ところが、調査を請け負った業者が同年９月末に都に提出した報告書を朝日新聞が情報開示請求で入手したところ、ベンゾピレンの最大値は５９０ミリで、０７年の最大値の１１５倍に達していた。検出個所は１５１地点あり、そのうち５０ミリ以上が１５地点、５ミリ以上も５８地点あった。

　都は会議終了後４カ月近くたった０８年１１月、ベンゾピレンの新濃度について専門家会議の元委員らにメールで報告し、見解を求めた。元委員らは「水に溶けにくく、地下水が気化して起こる大気汚染の心配はない」としながらも、「環境基準がないので土壌の掘削・搬出の際には自主的な基準を設けて適切に処理し、再汚染に注意すべきだ」と助言したという。

　専門家会議は都民らと情報を共有しつつ移転に向けた合意形成を図るために都が設置。公開で０８年７月まで９回開かれたこの会議でベンゾピレンの新濃度を明かさなかったことについて、都側は「法で定められた汚染対策の対象物質でも正式な調査項目でもなく、委員からも汚染対策のためにデータを持っておく方がよいと言われた程度だったので、この時点では報告を考えていなかった。後でメールで報告したのは、それまでの最大値を超えたため、汚染対策の留意点が聞きたかったからだ」としている。

　豊洲地区は東京ガスが８８年まで３０年余り、石炭などから都市ガスを製造。跡地の土壌からベンゼンなどの高濃度汚染が見つかり、都は専門家会議を開催。その意見公募手続きで「調査結果はすべて公表している」と説明していた。（香川直樹）