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三重18歳女子高生 親友が明かす嘱託殺人の全貌〈週刊朝日〉

dot. 10月7日(水)7時8分配信

 小説『半分の月がのぼる空』(橋本紡著)の舞台で「恋愛の聖地」と呼ばれる三重県伊勢市の虎尾山の山中で、少女の遺体が9月28日夜、発見された。

 死亡したのは、同県松阪市の高校3年生、波田泉有(はだ・みう)さん(18)。三重県警は、波田さんのそばにいた、同じ学校の男子生徒A(18)を殺人容疑で逮捕した。2人に一体、何があったのか?

 通っていた高校によれば、波田さんは、常に上位にランクするほど優秀な成績だった。所属の演劇部でも中心的存在だったが、7月2日、突然、家出した。

「7月2日が誕生日なのでそれまでに自殺したいと、Aではない男子生徒と家出。しかし、男子生徒の説得で自殺を思いとどまり、9月からの2学期は普通に授業を受けていた」(同級生)

 一方、Aは料理の専門学校に進学したいと希望し、「やさしいタイプ」(別の同級生)という。

 9月28日、波田さんとAは体育祭の練習を終え、午後4時ごろ学校を後にした。2人に恋愛関係はないが、普段から親しかった。

 波田さんとAと親しい同級生がこう説明する。

「夕方5時過ぎ、Aは付き合っていた彼女にLINEで波田さんを殺して、自殺すると予告。心配になった彼女は友人らに連絡し捜しはじめた。駆けつけると、Aは放心状態だった。彼女はAの手を握り、必死で自殺を思いとどまらせた」

 波田さん、Aの家族にも連絡がいき、皆が虎尾山に駆けつけたのが同9時ごろ。

「Aは刺した場所を言わず、みんなでどこなんだと問い詰めて、ようやくわかったのが9時半くらいだった」(前出の親しい同級生)

 すぐさま119番通報して、パトカーや救急車が駆けつけたが、すでに波田さんは息を引き取っていた。

「Aは『波田さんから、死にたいから刺してと頼まれ、刺した。使った包丁は自宅から持ち出した』などと取り調べで話し、嘱託殺人のようです」(捜査関係者)

 別の同級生はこう言う。

「7月の家出後、波田さんは立ち直ったかに見えた。だが、その後も絶望感が続き、ずっと自殺願望があった。Aは『何度も頼まれ、死ぬのを手伝った』と事件後、話していたそうです。やさしい性格なので、苦しむ彼女の助けになると刺したようです」

「恋愛の聖地」での悲劇。同級生らは夜空に向かい少女の名を叫んだという。

(本誌・鳴澤 大、永野原梨香、牧野めぐみ、西岡千史、林 壮一、松岡かすみ、秦 正理/今西憲之)

※週刊朝日 2015年10月16日号

最終更新:10月7日(水)20時9分

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