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東京が壊滅する日 ― フクシマと日本の運命
【第24回】 2015年10月7日
著者・コラム紹介バックナンバー
広瀬 隆 [ノンフィクション作家]

歴代ワースト総理・安倍晋三が犯す
日本史上最大の犯罪
――担当編集による著者インタビュー【中篇】

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北関東・東北豪雨で
フレコンバッグから猛毒物が流出!

広瀬 それに加えて、先日の北関東・東北豪雨被害です。危機的な状況は日ごとに増しています。『東京が壊滅する日』で触れた「フレコンバッグ」と呼ばれる除染物を入れる黒い袋ですが、今回の豪雨でそれが大量に川に流出しました。

編集本連載第10回で見た衝撃の「フレコンバッグのドローン空撮」は、すさまじいものでした。みな海岸線にあるのですからね。今、そこにちょっとした津波が来れば……。
 今回の豪雨によって、「除染廃棄物の流出数は439個。9月24日午前11時までに41袋が未回収で、うち36個が回収困難。回収した398袋のうち239袋で中身が流出。ほかに16袋が破損」、環境省の担当者は「草木類が大多数で、事故後4年半が経過しているため、放射線量は低いとみられる。環境への影響は少ないと考えている」(「毎日新聞」)と答えているようですが、本当に大丈夫なのでしょうか?

広瀬 大丈夫なわけはないでしょう。クソ役人の言葉を信じると、トンデモナイことになりますよ。危険物だからフレコンバッグに入れたんですよ。それが流出して、なにが大丈夫だ。
 忘れてはならないのは、「除染」というのはあくまでも「危険物を移動する」という意味であって、危険物そのものは永遠に「消滅」しないということです。

 だから小泉純一郎さんが、「地下水が豊かで、放射性廃棄物の処分ができない国なのに、原発の再稼働など絶対にしてはならん」と叫んでいるのです。
 大きな危険性のある放射性物質を大量に含んだものが、豪雨で川や海に大量に流れ出たわけです。

 土中や、地中の汚染はむしろ日増しに進んでいる。猛毒物のプルトニウムもトリチウムもストロンチウムも、海に大量に出ている。それを魚介類が取り込み、やがて子どもたちが体内に取り込み、それが体内で濃縮を起こし、トテツモナイ癌細胞となって放射線を放つ可能性が大なのです。
 しかし、地元紙をはじめ、いまでは大新聞もテレビもまったくこの危険性を報じない。このことに心から憤りを感じます。

編集 今、広瀬さんが一番コワイと思っているのは何ですか?

広瀬 ズバリ、です。体内に入れる水は、東京都内に住んでいる私自身も、遠くから安全なものを購入し、わが家では水道水は一切使っていません。
 深刻な影響は、東京を含む東日本地域で、これから出てきます。
 特に、女性や小さい赤ちゃんや幼児が先にやられるので、本当に心配です。

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広瀬 隆 [ノンフィクション作家]

1943年生まれ。早稲田大学理工学部卒。公刊された数々の資料、図書館データをもとに、世界中の地下人脈を紡ぎ、系図で衝撃的な事実を提供し続ける。メーカーの技術者、医学書の翻訳者を経てノンフィクション作家に。『東京に原発を!』『ジョン・ウェインはなぜ死んだか』『クラウゼヴィッツの暗号文』『億万長者はハリウッドを殺す』『危険な話』『赤い楯―ロスチャイルドの謎』『私物国家』『アメリカの経済支配者たち』『アメリカの巨大軍需産業』『世界石油戦争』『世界金融戦争』『アメリカの保守本流』『資本主義崩壊の首謀者たち』『二酸化炭素温暖化説の崩壊』『原子炉時限爆弾』『福島原発メルトダウン』『原発ゼロ社会へ! 新エネルギー論』など著書多数。


東京が壊滅する日 ― フクシマと日本の運命

公刊された数々の資料、図書館データをもとに、世界中の地下人脈を紡ぎ、系図で衝撃的な事実を提供し続けるノンフィクション作家の広瀬隆。『東京が壊滅する日 ― フクシマと日本の運命』は壮大な史実とデータで暴かれる戦後70年の不都合な真実を描いた大作。51の【系図・図表と写真のリスト】と公刊された科学的データで誰も知らなかった真実を掲載。本連載では、本書周辺の原発再稼働をめぐる問題や、今そこにある危機を紹介する。

「東京が壊滅する日 ― フクシマと日本の運命」

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