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【防衛装備庁発足(1)】防衛装備の海外移転で中国封じ込め 太平洋の安全保障に力こぶ 民間各社も海外展開前のめり

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【防衛装備庁発足(1)】
防衛装備の海外移転で中国封じ込め 太平洋の安全保障に力こぶ 民間各社も海外展開前のめり

防衛省に防衛装備庁が設置され、看板をかける中谷元・防衛大臣(左)と渡辺秀明・防衛装備庁長官=1日、東京都新宿区の防衛省 

 こうした取り組みの狙いの一つは、防衛装備の提供を通して親密国や友好国との連携を強め、共通の脅威に備えるものだ。アジアで海洋勢力圏拡大を急ぐ中国を念頭に置いたものであることはいうまでもない。

日米でアジア向け装備を

 安全保障問題に詳しい森本敏・拓殖大学特任教授(元防衛相)はインタビューで「装備技術協力は安全保障協力と表裏一体の関係」とした上で「今後は日米間で国際共同開発案件を増やしながら、できればアジアへのサプライチェーン(供給網)を作る必要がある。これが日米のインターオペラビリティ(相互運用性)を強化し、中国向け抑止力の強化につながっていく」と指摘する。

 安倍首相はハワイ(米)、日本、豪州、インドを結ぶ「安全保障のダイヤモンド」を形成し中国の拡張政策を封じ込める戦略を描き、これらの国との防衛装備協力を推進している。豪州向けには三菱重工業と川崎重工業が開発、製造している通常動力型潜水艦「そうりゅう級」(4200トン)を、インドには新明和工業製の海上救難飛行艇「US2」をそれぞれ売り込んでいる。

 このほか、南シナ海で中国の脅威にさらされているフィリピンに対し、自衛隊を退役する哨戒機や巡視艇を供給するなど、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国に対する「能力構築支援」も行っている。

 これらの国産装備はアジアの安全保障にどのように貢献するのだろうか。

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