2011年04月15日

芦屋市が今、取組むべき政策 「防波堤・防潮堤の改修」

 3月11日に発生したM9.0の東日本大地震は、津波による被害が甚大でした。もしも南海地震(和歌山県、高知県沖を震源)や東南海地震(和歌山県、三重県沖を震源)が発生した場合、芦屋市を津波から守れるのでしょうか。
 南海・東南海地震で想定される津波は約3mとされています。しかし、想定外に想定外が重なった東日本大地震の反省を踏まえると、津波の高さや想定震度もより激しい状況を想定しておかなければなりません。芦屋市を津波から守るには、南芦屋浜の沖合約3kmにある西宮防波堤の改良が必要です。

西宮防波堤 地図西宮防波堤とは
 芦屋市から尼崎市沖にかけて延びる全長4,433mの防波堤。かつては日本一長い防波堤として有名だった。別名「武庫川一文字」とも呼ばれる。


提案 西宮防波堤の西側延伸、堤の高さ増設
 全長4,433mと国内2番目の長さですが、芦屋沖にはフェリー航行のためスッポリ空間があります。西側へ約300m延伸して空間を狭めることで、波の侵入を緩衝できます。
西宮防波堤から大阪方面を望む 高さは約4mありますが、私が視察した時の印象では、満潮時には4m未満しかないように思えました。南海沖地震の津波は3mが想定されていますが、想定外が複合的に重なった東日本大震災の教訓を踏まえ、堤の高さを2m以上カサ上げする必要を感じました。

防潮堤の劣化点検、堀切川水門の稼働点検の徹底を
 芦屋浜、南芦屋浜共に防潮堤は約5mの高さが保たれています。しかし、防潮堤のコンクリートは塩分と強風で劣化しやすいため、適宜点検と改修が必要です。また、大東町にある堀切川水門(高さ3.1m、鋼製ローラーゲート式)の緊急時における動作チェックを確実にしておくことも重要です。

尼崎西宮芦屋港の何が問題か
 尼崎西宮芦屋港の沖合には常時50〜100の船隻が停留しており、係留船隻を含めると西宮防波堤の内側には約1,000隻の船やヨットがあることになります。停留船隻は特にタンカー船が多いのが特徴です。ここに防波堤を超える波が押し寄せるなら、船は巨大な鉄の塊となって沿岸部を襲うでしょう。

 私は以前、「南海・東南海地震によって発生する津波は、紀淡海峡や防波堤によって減衰するから大丈夫」と考えていました。東日本大震災を機に、津波防災への既成概念を改める必要を感じています。

Posted by ashiya_city at 22:21