北佐久郡立科町の町民でつくる「『戦争法案』に反対するたてしな連絡会」が、安全保障関連法案に反対する町民の名前を載せた新聞折り込みチラシを作り、7月から町内各戸への配布を続けている。今月13日に第4弾の配布を始め、これまでにチラシに名前を掲載して反対の意思を表明した町民は約350人に上った。
連絡会は「9条を守るたてしなの会」など6団体が7月初めに結成。各団体のメンバーが町内で賛同者を集め、7月15日に135人の名前を載せた第1弾を発行した。その後、賛同を希望する人が増えたため、一定数が集まるごとに発行。米村匡人町長も名前を連ねた。
発行は毎回約2500枚。いずれも「『戦争法案』に反対します」と大書し、「(法案に)納得できないので反対します」「暴力が造り出すのは、憎しみと暴力の連鎖だけ」といった賛同者が寄せたメッセージも併記した。
町遺族会長の大角貞夫さん(77)も第1弾から名前を載せ、「(安倍首相は)戦没者の気持ちも考えて行動してもらいたい。集団的自衛権など必要ない」とメッセージを書いた。父、直人さんは太平洋戦争中にニューギニアで戦病死した。「無念だったと思う。安倍首相は自衛隊の仕事を『後方支援』と言うが、実際に隊員の仕事がどうなるか、まだ説明できていない。不安だ」と話す。
9条を守るたてしなの会会員の徳嶽澄子さん(64)は、集落内を中心に約50人の賛同者を集めた。「政治への抗議なんてしたことがないお年寄りがほとんどだが、『急いで決めようとするのはおかしい』との危機感で賛同してくれる」と言う。「あきらめないで、反対の声を上げ続けたい」と力を込めた。
連絡会は第4弾のチラシを県関係の自民党参院議員にも送る予定だ。