スポーツの試合で言えば「21-0」という大差だ。6日、東京大学宇宙線研究所の梶田隆章教授(56)がノーベル物理学賞の受賞者に決まったと発表された。これで、科学分野でノーベル賞を受賞した日本人は21人になった。しかも、医学生理学賞を前日受賞した北里大学の大村智特別栄誉教授に続く、二日連続のノーベル賞受賞だ。国内総生産(GDP)に占める研究・開発(R&D)投資の割合が世界1位の韓国からはまだ一人もノーベル賞受賞者が出ていない。なぜ韓国の科学界はこれほどの大きな差を付けられて日本に後れを取っているのだろうか。
■150年の歴史と職人気質の合わせ技
第二次世界大戦以降、米国は科学分野でノーベル賞受賞者を246人輩出しており、圧倒的な差で1位に立っている。日本は今回を含め21人の受賞者を出し、2位の英国(62人)、3位のドイツ(48人)に続く4位だ。
日本の科学力の源泉は、基礎科学の歴史にあると言えるだろう。日本は1868年の明治維新を機に多くの若者を海外に送り、新しい文明を探求させた。ニールス・ボーア(1885-1962年)やヴェルナー・ハイゼンベルク(1901-76年)など、1900年代初頭にノーベル賞を受賞した著名な物理学者たちの研究室には特に日本人の「弟子」が多かった。今年のノーベル医学生理学賞を受賞した大村氏が特別栄誉教授を務める北里大学は、細菌学者の北里柴三郎(1853-1931年)の名を冠した大学だ。北里柴三郎は「近代細菌学の開祖」とされるドイツのハインリヒ・ヘルマン・ロベルト・コッホ(1843-1910年)に師事した。西江大学のイ・ドクファン教授は「日本は量子論や細菌学を欧米などと共に始めた」と話す。