あなた方はわかっていない。
相続税の恐怖を。
大体どうして、人間の容姿やらには相続税がかからないのに、売れない会社の株には相続税がかかるのか。
もし、父親がうまく兜町で鐘を鳴らせば自分はまだ人より有利になる。
もし、出来なかったら全ておじゃんだ。
数百日眠れば結果は分かる。
どうすればいいんだ。どうしようもない。
ただ、祈るだけなんだ。
もし、明日父親が死んだら。。。
もし、鐘を聞いても自分は容姿が良くなるわけじゃないからどうしようもない。金があっても容姿は良くならない。
収入が高くなれば、容姿コンプはなくなると思って生きている人がいたら、それは大嘘だ。
金があっても容姿はキモいままだ。金に愛されるだけだ。美人局に狙われるだけだ。
数百日間が怖くて怖くてただ本を読んだり、絵を見たりするのだ。
大学に行くと、セックスに困らない顔のいい女が授業をまじめに受けず楽しくやっている。
それでも、自分よりも彼女のほうが価値は上だ。容姿がいい。性的魅力がある。楽しそうだ。
苦しくなるから、いつも鐘がなった時にはこっちはあいつらとは別世界に行くんだと自分に言い聞かせている。
そうすると、なんとかやりすごせるのだ。
でも、父親が鳴らした鐘の音を聞くことが出来なかったら、自分はただのグロメン腎臓病のやつになってしまうという恐怖がある。
そもそも、金すら無くなる可能性だっていっぱいある。
同じ学部のドブスを見る。金はあまりなさそうだ。彼女は容姿のせいで孤独だ。スカートを履いている姿を見たことがない。
悲惨だ。哀れだ。
美しく生まれたか醜く生まれたかなんて自分の行いじゃ決められないんだ。
金はどうにもならない。
容姿は美しくならなくても、まだ惨めさは軽くなって生きることができる。