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グランパスを子会社化 トヨタ方針、財務と戦力強化

 トヨタ自動車は二〇一六年春にも、サッカー・Jリーグの名古屋グランパスを子会社化する方針を固めた。現在は約20%の出資比率を50%以上に高めて累積赤字を一掃する。豊田章男トヨタ社長が今年四月からグランパス会長に就いたのに続いて、財務基盤を強固にすることで、選手獲得などのクラブ運営を機動的に行えるようにする。

 近年は新規スポンサーや入場料収入が伸び悩み、一五年一月期末の累積赤字は三億六千万円に膨らんでいる。累積赤字が四億円の資本金を上回って債務超過に陥ると、Jリーグから参加資格を剥奪されるため、大胆な補強に踏み切れない状態が続いてきた。

 グランパスは筆頭株主のトヨタのほかトヨタグループ十社と、名古屋財界の主要企業が出資している。関係者によると、来春の株主総会で資本金の大半を取り崩して累積赤字を解消した後、トヨタが増資して子会社とする手法が有力。トヨタは具体的な出資額を検討している。

 豊田会長は四月の就任会見で「最大スポンサーとしてのトヨタの責任は大きくなっている」と発言。豊富な資金力と人材を持つトヨタに支援を望む声が高まっていた。グランパスは昨季十位と低迷。今季も第一ステージ九位、第二ステージも現在十位で、不振から抜け出せていない。今月四日には西野朗監督(60)の今季限りでの退任が発表された。

 グランパスの年間予算は約四十億円。佐々木真一副会長は四月の会見で「世界的に見ると脆弱(ぜいじゃく)。世界で戦うには二倍は必要だ」と話していた。トヨタによる子会社化は、経営人材の投入やスポンサー集めをトヨタが主導してチームを強化するための布石となる。

 

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