伊方原発3号機:5首長が愛媛知事訪問 再稼働判断委ねる
毎日新聞 2015年10月05日 12時07分
四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の再稼働を巡り、原発5〜30キロ圏の愛媛県大洲、西予、宇和島、伊予の各市長と内子町長が5日、愛媛県庁に中村時広知事を訪ね、原発の安全確保などをそれぞれ要望した。5人連名での再稼働賛否の表明は見送り、事実上、判断を知事に委ねた。中村知事は「皆さんの意見を判断材料として(是非を)決断する」と述べた。
伊方3号機が立地する伊方町では、町議会特別委員会で再稼働賛成の陳情が採択され、6日の最終本会議に諮られる。山下和彦町長もその後、知事に同意を伝える見通し。5〜30キロ圏の自治体のうち、伊方町に隣接する八幡浜市は既に再稼働を了承している。
5市町は県が再稼働について意見を聞く対象ではないが、5市町長が7月に知事と面会した際、是非を最終判断する前に意見を聞く場を設けるよう求め、知事も了承していた。
連名での再稼働賛否の表明を見送ったのは、原発への考え方に温度差があるため。西予、宇和島両市長は「脱原発を目指す首長会議」メンバーで、両市が国や四電による住民説明会で出席者(各種団体代表や市議ら)に再稼働の賛否を問うアンケートを実施したところ、いずれも「再稼働反対」が過半数を占めた。一方、他の3市町はアンケートを実施しなかった。【渕脇直樹】