GDPがマイナスに転落して、経済再建は待ったなし。そんな緊急事態なのに、「チーム安倍」はまさかの内輪もめを始めた。内閣崩壊から、経済崩壊へまっしぐら……。不吉なムードになってきた。
メンツを潰された
表情には今夏の安保国会での疲労感を残しながらも、声には力強さを込めた。
「強い経済を作っていく」
安倍晋三総理は61歳の誕生日という節目を迎えた9月21日、記者団を前にしきりと「経済」をアピールして見せた。
「安倍総理は安保強行で落とした支持率をいち早く回復させたい。だから憲法改正などの安倍色はいったん封印して、世論受けのいい経済政策を進めていくしかないと考えている。ぐらついた足元を整えるために、経済政策の花火を高々とぶちあげて支持率回復を目論むのはいつもの安倍方式。経済政策の妙案はないかと、安倍総理はブレーンや各省庁に相談し始めた」(政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏)
しかし、である。
実はいま、安倍内閣の経済政策を支えてきた麻生太郎財務大臣、甘利明経済再生担当大臣、さらには日本銀行の黒田東彦総裁らと安倍総理の間に隙間風が吹き始めている。
事実上の仲間割れ寸前で、まともな経済運営が期待できるような状況ではなくなっている。
「最も怒っているのは麻生大臣です」
財務省幹部が言う。
「安倍総理は10月予定の内閣改造で、財務大臣からの『麻生外し』を画策したのです。安倍総理が『日本のヒラリーにする』とまで買い被っている稲田朋美政調会長を財務大臣に据えて、麻生大臣を自民党副総裁に勇退させようとした。
もちろん麻生大臣からすれば、安倍総理に仕えてきたのにどういうつもりだ、と。現副総裁の高村正彦さんにしても安保成立に汗をかいた中心人物であり、こんな冷遇人事は受け入れ難い」
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