「物質の謎」解明に道 ノーベル物理学賞に梶田氏(10月7日日本経済新聞)
(1)2015年のノーベル物理学賞に決まった梶田隆章氏。
素粒子物理学の標準的な理論と矛盾する素粒子ニュートリノの性質を初めて明らかにした。
宇宙の謎を解く手がかりとされるニュートリノ研究に新しい道を開き、ヒッグス粒子発見でいったん完成したとされる理論が新たな展開を迫られることになる。
(2)宇宙には大きな謎が未解決で残っている。
宇宙の質量の大半を占めるのは正体のわからない暗黒物質や暗黒エネルギーで、現在の理論で説明できる物質は約5%にすぎない。
宇宙の誕生時には物質と、それとは性質が反対の物質(反物質)が同量あったはず。
今は反物質が消えて物質ばかりになった。その理由も不明だ。
(3)解決の糸口になるのが、不思議な振る舞いをする素粒子ニュートリノだ。
梶田氏らによって確認されたニュートリノ振動と質量の存在の確認は、難題に迫る突破口を開いた。
ニュートリノの性質を詳しく調べることで、標準理論を超える理論が構築できる可能性がある。
京都大学の佐藤文隆名誉教授は「標準理論を発展させた大統一理論への足がかりになる成果だ」と評価する。