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トップ > シゴタノ! > 毎日同じタイミングに同じ順番で同じことを繰り返す効用





大橋悦夫「オール・ユー・ニード・イズ・キル」という映画を観ました(2014年公開)。原題は「Edge of Tomorrow」で、原作は日本の同名の小説『All You Need Is Kill』(2004年刊行)です。

» オール・ユー・ニード・イズ・キル(字幕版)


ひとことで言うと、同じ一日が繰り返しやってくる物語。

ただし、「同じである」と認識できるのは主人公だけで、それ以外の人々は「新しい一日」として過ごしています。

「同じである」と認識できるということは、記憶が引き継がれている、ということです。

初日は主人公にとっても「新しい一日」なのですが、“翌日”以降は、“前日”の繰り返しになるため、何がいつ起こるのか、誰によって引き起こされるのかが事前にわかるようになります。

以下、予告編(3分34秒)。

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この映画は、エイリアンとの戦争がテーマ。

何の訓練も受けずに新兵として最前線に投入された主人公は、初日は実にあっさりとやられてしまいます。

それでも、敵の攻撃してくる順番は“翌日”以降も同じなので、毎日繰り返し出撃ているうちに、どんどん先手を打てるようになり、なかなか死ななくなります。

死ぬとまた最初からやり直しになります。まさにゲームのリセット。

映画なので、繰り返しの最初の部分(=退屈な部分)は鮮やかにカットされ、

  • “前日”の失敗シーン → “翌日”の克服シーン

という順に次々と映し出されます。

主人公が同じ一日を繰り返す中で、どんどん成長し、強くなっていくさまを短時間で追うことができるわけです。

エイリアンが襲ってくるそばから、どんどん撃退していきます。どこから襲ってくるかは決まっているので、よそ見をしながらでもやっつけられるわけです。

じつに痛快!

パターン化の威力

映画ということもありますが、それでもこれほど早く成長できるのは、毎日まったく同じシチュエーション・タイミング・パターンであることが大きいでしょう。

ピッチャーが常に同じところにしかボールを投げてこなかったとしたら、そして、スピードも常に一定であるとしたら、ヒットを打てるようになるまでの時間は相当早くなるでしょう。

逆にいえば、シチュエーション、タイミング、パターンのすべてが少しずつであれ、毎回変わると、急に難易度がアップするということになります。

これはスポーツだけでなく仕事にも当てはまります。

いつ何がどんなタイミングで起こるのかがわからない職場は、スリリングではありますが、そこでの仕事に慣れるまでには相当の時間を要するでしょう。

すべてを完全にコントロールするのは難しいとしても、その一部だけでもパターン化することができれば、その部分については、少ない労力と時間でこなせるようになります。

TaskChuteでいえば、一つでも多くのタスクに(repeats)がつけられるように持っていく、ということになります。

単に(repeats)をつけるだけでなく、セクションラベルや節内ソート順を設定することで、タイミングや順番も固定化し、複数のタスクを次々と片づけるようにすれば、さらにスピードがアップします。

毎日同じタイミングに同じ順番で同じことを繰り返すことになるので、身につくスピードもおのずと早まります。

ラクにできることがわかっているので、取りかかる上での抵抗も少なく、文字どおり、サクサク仕事がこなせるようになるわけです。

すべては、パターン化のなせるわざです。

映画のように、まったく同じ日が毎日続く、ということはありませんが、それでも、一日の大半は実は判で押したようにほとんど同じように流れているはずです。

これを目ざとく見抜いて捕まえることができれば、つまり、記録をとってそこにあるパターンを読み取るようにすれば、仕事も痛快になるはずです。

関連作品

同じく、「同じ一日が繰り返しやってくる物語」として、「恋はデジャ・ブ」(原題は「Groundhog Day」)という映画があります。

こちらは戦争ではなく恋愛がテーマ。同じ相手に対して、さまざまなアプローチができるため、最初はダメダメだった主人公も、だんだん“スキルフル”になっていきます。何と言っても、フラれても翌日また再チャレンジができるのですから。

» 恋はデジャ・ブ (字幕版)

 

参考文献:

原作は文庫版のほか漫画版(全2巻)もあります。

僕自身は映画から入ったので、さっそく漫画版を読み始めました。1巻は30分ほどで読了。

どこでどう動くか
相手は何をしてくるのか

これらはすべて技術なんだ

繰り返しやれば誰でも身につく

というくだりがあり、まさに今回本文で書いたとおりの展開でした。

» All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫)


» All You Need Is Kill 1 (ジャンプコミックス)


» All You Need Is Kill 2 (ジャンプコミックス)


関連エントリー:

» 「ミスを犯していない人間」と「ミスを犯さない人間」

その昔、ゲームセンターに足繁く通っていた頃、シューティングゲーム(例えば、グラディウス)で、一度も死なずに最終ステージまで到達、その後もえんえんとプレイし続けるゲーマーの周りにはギャラリーができていたのを思い出す。

自分でも、いくらつぎ込んだかは忘れたが、とにかく1つのゲームをやり込んだ。やがて先のゲーマーと同じように最初にコインを入れれば、1時間以上ずっと同じゲームをし続けることができるようになり、ギャラリーに囲まれるようにもなった。

言うまでもなく、そうなるまでに何度となく“死に目”に遭い、様々な“死に方”を経験し、パターンに習熟したからこそ、“死ななくなった”。


» 「スキル」を身につけるより「好きになれる」ことに身を投じていく、という指針

結局のところ、このゲームの攻略法とは、反射神経や動体視力といったセンスやスキルではなく(あればそれに越したことはないですが)、敵機の出現パターンを覚えて、それに対応する動きをタイミングよく繰り出せるようになることに尽きます。

つまり、グラディウスの攻略法には「再現性」があり、練習こそ必要ですが、時間さえかければ誰でもできるようになるのです。


» TaskChuteを使っていれば時間をうまく使えるようになる

不可能なことが可能になるのは頭の中かマンガの中だけです。不可能なことをやる気や気合いや勇気やヒロイックで成し遂げようとするのはやめましょう。不可能事に挑戦しようとしていたら、なにもしないうちに時間がどんどん過ぎていってしまいます。時間的制約がある中、何が可能で何が不可能かを知るためにもTaskChuteが必要なのです。


11月7日(土) なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか?

タスクカフェ
『なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか?』(佐々木正悟・著)の内容をベースに、タスクシュート時間術、すなわち仕事を予定どおりに終わらせるための時間管理の考え方とツールを駆使した具体的な方法をお伝えします。

今回のテーマは、

-プロジェクト推進ワークショップ

です。

抱えているプロジェクトを持ち込んでいただければ、行使の佐々木と大橋が個別にアドバイスします。

知識としては理解できているとは思うものの、なかなか実践に結びつけられず苦戦している、という方は、ぜひこの機会にブースターとしてご活用ください。


本日時点で、残り7席ですので、ご検討中の方はお早めに。

» 仕事を予定どおりに終わらせたい人のための「タスクカフェ」@渋谷

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