トップページ科学・医療ニュース一覧梶田さんたちの功績 “宇宙観を変えるほど”
ニュース詳細

梶田さんたちの功績 “宇宙観を変えるほど”
10月7日 4時35分

物質のもとになる最も基本的な粒子のひとつ「ニュートリノ」に質量があることを、世界で初めて実際の観測によって示した、梶田さんたちの功績は、それまでの定説を覆すだけでなく、これまで理論が先行してきた宇宙観の見直しを迫るほどのインパクトがありました。
この宇宙は、いったいどんな物質で成り立っているのか。その謎を解く重要な理論として、1960年代以降に「標準理論」がまとまり、宇宙は17種類の素粒子から成り立っているとされました。
当時、予想された素粒子の中には見つかっていないものもありましたが、標準理論では、その一つ一つについて特徴が説明されていました。
ところが、素粒子のひとつ「ニュートリノ」について、梶田さんたちがスーパーカミオカンデで実際に観測を行った結果、標準理論の中で「ニュートリノには質量がない」とされた前提を覆し、質量はあるという、全く逆の結果が明らかになりました。
ノーベル物理学賞の選考に当たった委員会は、今回の受賞理由の中で、梶田さんたちが実際の観測によって、「標準理論」の矛盾点を突いたことを、極めて高く評価しています。さらに、委員会は、梶田さんたちが観測に挑んでいる「ニュートリノ」こそ、その正体に迫っていけば、宇宙の成り立ちや構造、そして将来までも知る重要な手がかりが得られるかもしれないと指摘しています。
「ニュートリノ」を捉えようという実験は、今、世界の各地で活発に続けられていて、今回の受賞には、そうした観測や実験による宇宙の謎解きを後押ししようという、ノーベル委員会のメッセージが込められています。

関連ニュース

このページの先頭へ