北朝鮮:ミサイル発射「兆候なし」…米大学が衛星写真分析

毎日新聞 2015年10月06日 22時19分

 【ワシントン和田浩明】米ジョンズ・ホプキンズ大学の北朝鮮専門サイト「38ノース」は5日、北朝鮮北西部東倉里(トンチャンリ)の「西海(ソヘ)衛星発射場」の最近の衛星写真を分析した結果、長距離弾道ミサイルの発射準備を示す兆候はないとの見方を示した。

 38ノースによると、9月21日に撮影された衛星写真では、発射台の上にミサイルやロケットなどの発射体が確認できない。また、発射台周辺の燃料貯蔵施設や打ち上げ制御センターなど、通常であれば打ち上げ前に動きが見られる部分にも、特段の変化がない。

 ただエンジン試験場では燃料関連施設などの建設作業が続いており、将来的に新型エンジンの試験を行う可能性があるという。

 北東部豊渓里(プンゲリ)の核実験場についても、北朝鮮に詳しい同大客員研究員のジョエル・ウィット氏は5日、最近の衛星写真を分析した結果「核実験の準備と見える動きはない」との分析を示した。

 北朝鮮は今月10日の朝鮮労働党創建70周年記念日に合わせた弾道ミサイル発射を示唆してきたが、韓国でも、少なくとも10日より前に発射することはないという見方が強まっている。

 北朝鮮は人工衛星打ち上げだと主張しているが、衛星打ち上げ用ロケットと弾道ミサイルの技術は基本的に同じ。国連安保理決議は、北朝鮮に対して「弾道ミサイル技術を利用したすべての発射」を禁じており、衛星打ち上げを名目にしても安保理決議違反となる。

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