中国人民元の「フリーランチ」は終わり-ハンセン銀の馮氏
2015/10/06 16:10 JST
(ブルームバーグ):中国人民銀行(中央銀行)が8月に人民元を実質的に切り下げるまで人民元がもたらしていた高いリターンとボラティリティ(変動性)の小ささは失われた。ハンセン銀行(恒生銀行)のエグゼクティブディレクター、馮孝忠氏が指摘した。
馮氏は香港で6日開催された「ブルームバーグ・マーケッツ・モスト・インフルエンシャル・サミット」で、そういった「フリーランチは終わった。一方、銀行としては人民元が双方向への動きを大きくするのは良いことだ」と語った。国際通貨基金(IMF)が11月に特別引き出し権(SDR)通貨バスケットの見直しを議論するまで、人民元は1ドル=6.35-6.40元前後で安定的に推移するだろうとも予想した。
中国の外貨準備高は8月に939億ドル(約11兆円)と過去最大の減少を記録。元相場の下落に歯止めをかけるため、人民銀が市場介入した証拠とされる。インベスコでアジア太平洋債券担当の最高投資責任者(CIO)を務める胡嘉林氏は、中国の外貨準備高が減少することは、世界経済のリバランスに寄与し、健全だと説明した。
クレディ・スイス・グループの大中華圏担当最高経営責任者(CEO)ニール・ハービー氏は、中国は実質金利を引き下げる必要があると指摘し、年内に0.25ポイントの追加利下げと1ポイントの預金準備率追加引き下げがあると見込んでいると述べた。
原題:Yuan ’Free Lunch’ Gone After Devaluation, Says Hang Seng Bank(抜粋)
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更新日時: 2015/10/06 16:10 JST