最も強気予想のパーブス氏も降参-S&P500の年末予想を引き下げ
2015/10/06 14:50 JST
(ブルームバーグ):通常は楽観的な米株予想担当者の間でも予測を引き下げる人が増えており、最も強気な予想を示していたストラテジストも降参した。
ウィーデンのチーフ・グローバルストラテジスト、マイケル・パーブス氏のS&P500種株価指数の年末予想はブルームバーグが調査する21社で最も高かったが、このほど13%下方修正した。ドイツ銀行とバンク・オブ・アメリカ(BOA)も強気姿勢を後退させた。
パーブス氏は5日の顧客向けリポートで、企業利益の伸び低迷や中国など新興市場経済の不安定さが響き、S&P500種は年末に最高で2050にとどまると予想。従来は2350と見込んでいた。
同氏は電話インタビューで、「より長期の予測は変わりないが、世界経済が減速する真のリスクが存在することを現実的に認識する必要がある」と指摘。「私は長期の横ばいないし弱気相場に入ろうとしていると言っているわけではない。今われわれは疑問を解く必要がある」と語った。
8月にS&P500種が4営業日で10%下落し、2011年以来の調整局面入りした後、ブルームバーグが調査するストラテジスト21人中12人が年末予測を下方修正した。ストラテジストの予想平均は8月10日から現在までに4.1%下がって2142となった。S&P500種がこの水準に達するためには今後年末までに8%強上昇する必要があるが、09年以降の同期間の平均である6.4%上昇からさほどかけ離れた数字ではないだろう。
パーブス氏によれば、株価が一段と上昇するかどうかは中国の金融政策の効果や米インフレ率などの不確定要素に左右される。同氏は「市場が力強い強気のフレームワークに入るためには世界経済が順調である必要がある」とし、「中国の指標が妥当な数字になり始め、同国が本当に真摯(しんし)なやり方で景気減速に対処したなら、現在が小休止以外の何物でもないと想定することができるだろう」と指摘した。
原題:Biggest Stock Bulls Cut S&P 500 Estimates as Earnings Near (1)(抜粋)
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更新日時: 2015/10/06 14:50 JST