2015-10-06

ちんちんだけ異世界に入ってしまったんだが

目覚めたら壁と融合していた。しかマンション駐車場でだ。

近所の人は不審がるし、変な顔で皆ジロジロ見てくる。

三日も経った頃、あそこにさわさわした感覚が走ってついに俺は勃起してしまった。

ついでにどこからとも無く声が聞こえてくる。

「私の聞こえますか? 今私は賢者様にお願いしてあなたに声が聞こえる様にしていただいたのです」

なんだ、ツイッターネタみたいなこの声は、と思っていると、向うの麗人っぽい人は更に続けた。

勇者様、あなたの精液を1ナメロンすくい取ることにより、魔王を倒す秘薬が誕生するのです。

しかもその精液はただ絞りとるわけにも行きません。乙女の愛液と混ぜなければなりません。

ですから……その、ご自身の精をどうぞ私めにくださいまし」

そう言うと駐車場の向こう側でなにやらゴソゴソと音がし、華奢な指が先端を優しく撫でる感覚が走った。

驚く俺の感情は全く伝わらないらしく、拙い様子でカリと先っぽを交互に撫で回しながら、これでいいかしら、と困惑したふうにつぶやいている。

目を閉じて集中していた俺はそれどころじゃなくなり思わず目を開いたものの、そこにあるのは打ちっぱなしの壁。

見えない! 手でしてくれてるのに見えない!

そう思うと同時に俺はどうにも気持ちよくなって果ててしまう。

だけどちんちんが壁から抜けないため脱力も出来ず、ただ立ち尽くすのだった。

肝心の愛液は乙女の純血を守りつつ自分たちで混ぜるそうです……。

翌日も似たようなもん。

次の人はなんかエルフの人らしい。

長年魔王の放つ魔物に手を焼いてるらしく、どうにかそれを退ける結界を張りたいらしい。

なんでも聖水代わりに使うのだとか。

立ち尽くしたままで”立たされる”俺の男根に両端から柔らかい感触が伝わる。

この弾力はきっとあれに違いないと思うが、何しろ見えない。

見えない! 胸で挟まれてるのに見えない!

昨日から俺はこのセリフばかり叫んでる気がする。

見えないまま胸と思わしき感触は男根を刺激し続けていたが、やがて先端をすっぽりと何かに包まれているような感覚に襲われた。

もうこれはあれですよね。挟まれた上であれを何されてるしか考えようが……おうっふ

ことを終えた彼女たちは嬉しそうに去ってゆく。例によって愛液混ぜは自分たちでやるそう。

え、あそう。うーんああ。……まあそうですよね。やんごとないエルフですもんね。

……やんごとないのか?

翌日は誰なんだろうと思ってるとこっちの世界警察が来た。

警察事情を話していると近所のタレコミを受けたマスコミまでやってくる。

最初は小さな話題だったらしいが、スマホをみせられて炎上が発覚。

壁ちん男として画像まで出回ってるらしい。

そのうち記者たちが次々駐車場に訪れて警備員と押し合いを始めた。

炊かれるフラッシュの雨。

「一体どういう経緯でこうなったんですか?」

俺が聞きたいよ。

「今のお気持ちは?」

時々気持ちいいです。

そうやって頭のなかで答えられないジョーク飛ばしていると、あの時の麗人とエルフの声が交互に聞こえてくる。

麗人「こんにちわ勇者様。今日はこの間和解したオークの国のものを連れて来ました」

エルフ勇者様には感謝しております。折り入ってお願いが」

俺は嫌な予感がした。

麗人「どうかこのオークの娘に勇者様のお力を与えて頂きたいのです」

麗人がそう言うやいなや、たぶん前戯もなしに何かを割って入ってくる音がした。

脳内に響く豚のような声。

それとは別にねっとりと男根に絡みつく感触。

俺は気持ち悪さと勃起を抑えられず叫び声を上げた。

マスコミがその顔を連写する。

それでも俺は意図しない快感ごまかすために大声を上げる。

しまいには医者が駆けつけてきて脈拍まで測り始めやがった。

いや、この勃起は、机の角で勃起する程度の……あれなんだ。

これはそう、ラフレシアちんちんを突っ込んでいる程度の……いや余計に悪いか。

いやいやそう思うと勃起も収まって――。

そこにエルフと麗人の声が聞こえる。

麗人「勇者様の苦悩が聞こえますわ。お助けしませんと」

と言う麗人の口から何やら呪文。すると俺の男根は再び盛り上がり始める。

あうん。そうじゃないですお姫様推定)。

エルフ「私も手伝います

エルフも玉袋を撫ぜたり根っこを指で摘んだりし始める。俺はもう(オークの膣で)たまらなくなって情けない声を上げつつ涙を流してしまった。

垂れ落ちる鼻水と涎。取材陣のフラッシュ医者真剣眼差し、見えない美人と豚の声、警官の怒号。

全てが渾然となって俺は思い切りオークの膣に精魂放出

とたん、周囲に光が満ちた。

大丈夫ですか」

美人ナースの声で目が覚める。どうやら俺は駐車場で倒れていたらしい。

何事もなかったよに振る舞う人々に違和感最初は感じていたけど、きっとあれは夢だったのだろうと思いこむことにした。

ある時俺は男根を見た。そこには謎の紋章が刻まれていた。

「なんだ、これ……」

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