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梶田さん会見「若い人に宇宙の謎解き参加を」
10月6日 23時14分

ノーベル物理学賞の受賞が決まった、東京大学宇宙線研究所所長の梶田隆章さんは、6日午後8時40分から東京大学で会見を開きました。
梶田さんは、ノーベル賞の受賞が決まったことについて「頭が真っ白な状態で、何も考えられない状態。非常に喜んでおります」と述べたうえで、受賞を伝えられたときの様子について、「携帯電話がぶるぶると鳴って、電話番号が変な番号だったので、びっくりしました。電話を受けたあとは、ずっと足が震えているような感じでした」と振り返りました。
そして、「ニュートリノの研究は、すぐに役立つわけではなくて、人類の知の地平線を拡大するようなものを、研究者個人の知的好奇心に基づいて行ったものです。こうした純粋科学にスポットを当てていただいたことに、非常にうれしく思っています」と話しました。
また、ニュートリノの研究に進んだきっかけについて、「大学院生のときに『カミオカンデ』が動き始めましたが、そのときの私の研究テーマは『陽子崩壊』という別の現象で、ニュートリノのデータは取り除いていました。その後、博士号を取って、助手になった1年目ぐらいに、もっと感度を上げようとして、データを詳しく調べてみたところ、ニュートリノのデータが予想と全然合わないことが見つかりました。そこから本気でニュートリノの研究に入りました。結果が予想と合わないことを発見した瞬間は、私にとっていちばんよかった瞬間だったと思います」と述べました。
そして、研究者としての重要な出会いとして、平成14年にノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊さんと、その後を継ぎ、7年前にがんで亡くなった戸塚洋二さんという、恩師2人の名前を挙げ、「2人とも研究に関するすべての面で私を導いてくれましたし、スーパーカミオカンデの研究に参加する機会も与えてくれました。すばらしい実験との出会いにも感謝しています」と述べました。
そして、子どもたちに伝えたいこととして、「私たちが住む宇宙は、まだまだ分からないことがたくさんあります。そのような大きい問題というのは、1日とか2日とかいう短い間の研究で解決できるものではなく、たくさんの人が興味を持って、長い年月をかけて解き明かしていくものです。そのような宇宙の謎解きに、若い人には、ぜひ参加してもらいたい」と話していました。

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