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梶田さん「ニュートリノ振動」世界で初めて捉える10月6日 19時50分
ノーベル物理学賞の受賞が決まった梶田さんは、物質を構成する最も基本的な粒子である「素粒子」の1つ、「ニュートリノ」に質量があることを裏付ける「ニュートリノ振動」という現象を世界で初めて捉え、ニュートリノに質量はないとされてきたそれまでの素粒子物理学の定説を覆しました。
ニュートリノは、私たちの身の回りにも飛び交っている素粒子で、地球上の1センチ四方の狭い範囲には、太陽から、1秒間に660億個が降り注いでいます。しかし、その性質には分からない部分が多く、質量、つまり重さはないと考えられていました。ニュートリノは、直径が1ミリの1000兆分の1以下と極めて小さく、どんな物質でもすり抜けてしまうため観測が非常に困難だからです。
ニュートリノの性質を詳しく調べるため、梶田さんらの研究グループは岐阜県飛騨市の地下1000メートルに設けられた「カミオカンデ」という施設で観測を始めました。この施設は壁一面に取り付けられた高感度のセンサーでニュートリノが水と反応したときに出る僅かな光を捉えることで、ニュートリノの飛んできた方向や時刻などを正確に把握することができます。「カミオカンデ」での観測の結果、平成元年、梶田さんらは太陽から放出されたニュートリノの数が、予想される数の半分程度しか地球に届いていないことを明らかにしました。
この成果は、太陽から放出されたニュートリノが、地球まで飛んでくる間に、別の種類のニュートリノに変化している可能性を示唆するものでした。ここで示唆されたニュートリノの種類が変化する現象は「ニュートリノ振動」と呼ばれ、ニュートリノに質量があるときにだけ起きる現象でした。つまり、この現象が実際に起きていることを証明できれば、ニュートリノに質量はないとされてきたそれまでの素粒子物理学の定説を覆すことになるため、世界の注目が集まったのです。
梶田さんらのグループは「カミオカンデ」をさらに発展させた「スーパーカミオカンデ」という装置を使って、ニュートリノの質量の有無を巡る議論に答えを出すことを目指しました。そして、17年前の平成10年6月、ミューニュートリノという種類のニュートリノが別の種類に姿を変えていることの観測に成功し、「ニュートリノ振動」が実際に起きていることを世界で初めて証明しました。これによってニュートリノには質量があることが裏付けられ、梶田さんらの業績は世界的に高い評価を受けました。
ニュートリノの性質を詳しく調べるため、梶田さんらの研究グループは岐阜県飛騨市の地下1000メートルに設けられた「カミオカンデ」という施設で観測を始めました。この施設は壁一面に取り付けられた高感度のセンサーでニュートリノが水と反応したときに出る僅かな光を捉えることで、ニュートリノの飛んできた方向や時刻などを正確に把握することができます。「カミオカンデ」での観測の結果、平成元年、梶田さんらは太陽から放出されたニュートリノの数が、予想される数の半分程度しか地球に届いていないことを明らかにしました。
この成果は、太陽から放出されたニュートリノが、地球まで飛んでくる間に、別の種類のニュートリノに変化している可能性を示唆するものでした。ここで示唆されたニュートリノの種類が変化する現象は「ニュートリノ振動」と呼ばれ、ニュートリノに質量があるときにだけ起きる現象でした。つまり、この現象が実際に起きていることを証明できれば、ニュートリノに質量はないとされてきたそれまでの素粒子物理学の定説を覆すことになるため、世界の注目が集まったのです。
梶田さんらのグループは「カミオカンデ」をさらに発展させた「スーパーカミオカンデ」という装置を使って、ニュートリノの質量の有無を巡る議論に答えを出すことを目指しました。そして、17年前の平成10年6月、ミューニュートリノという種類のニュートリノが別の種類に姿を変えていることの観測に成功し、「ニュートリノ振動」が実際に起きていることを世界で初めて証明しました。これによってニュートリノには質量があることが裏付けられ、梶田さんらの業績は世界的に高い評価を受けました。