2015年10月5日23時14分
北里大特別栄誉教授の大村智さんのノーベル医学生理学賞受賞が決まった5日夜、朝日新聞は電話で結んだ座談会を開いた。2012年に同賞を受けた京都大iPS細胞研究所長の山中伸弥さん、元日本学術会議会長の黒川清さん、青山学院大教授の福岡伸一さんが参加し、受賞の意義を語り合った。(司会=桑山朗人・東京本社科学医療部長)
――日本人として、3年ぶり3人目の医学生理学賞の受賞が決まりました。山中さん、まず感想をお願いします。
山中 大村先生は世界中で何億人もの風土病の人を助けてきた人なので、今回、ノーベル賞を受けるのは当然のことかなと思います。
――人間の病気というよりも、動物に効くものを、というところからスタートされたようです。
山中 今はがんなどとの闘いが大切ですが、人類の歴史の大部分は感染症との闘いでした。
――福岡さん、どのような感想をお持ちですか。
福岡 ノーベル賞は、人間と病気の闘いに関して画期的な薬を見つけ出した人が受賞してきた歴史があります。ペニシリンを見つけたフレミング、ストレプトマイシンを見つけたワックスマン。大村先生はこれに連なるものだと思う。人間は、細菌に対する画期的な抗生剤を見つけてきたが、今回のような線虫やマラリア原虫に対する薬は、なかなか見つけることができませんでした。
山中 薬を天然に存在する物から収集するのは日本人の得意技だと思う。それが評価されてノーベル賞につながったのは、大変な努力への評価。日本の創薬の力を改めて見せつけたのではないでしょうか。
――どこを評価しますか?
黒川 寄生虫に効く物質のスクリーニングは大変。それがうまくいった。人間でも試してみようとなって、風土病のフィラリアとかに効いた。大村さんは行くところにいつも袋を持って、しょっちゅう(研究材料を)集めています。
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