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破られないセキュリティを目指して、量子暗号の研究が進む(前)
2015/10/06
量子暗号は現在のセキュリティ界で最もホットな話題の1つだが、その説明を読んでも、わけの分からないSF用語が並んでいるように見えるのは間違いない。結局のところ、量子暗号とはどのような技術なのだろうか。
「量子もつれ光子対」「ハイパーエンタングルメントの光周波数コム」「光渦の軌道角運動量を利用した符号化」「量子力学に基づくエントロピーエンジンによる乱数発生」…
量子暗号は現在のセキュリティ界で最もホットな話題の1つだが、その説明を読んでも、わけの分からないSF用語が並んでいるように見えるのは間違いない。結局のところ、量子暗号とはどのような技術なのだろうか。
米KEYW CorporationのCTO(最高技術責任者)、Bruce Potter氏は2015年7月、セキュリティカンファレンス「Black Hat」のセッションの中で、会場を埋めたセキュリティ関係者を前に、量子暗号についての解説を行った。従来の暗号化手法は、その保護の質に関して大きな懸念が生じているが、その一方で、量子暗号のプロセスは依然として複雑で、誤解を受けていると同氏は説明した。量子暗号や、その構成要素は、非常に難解な概念で、経験豊富な科学者ですら困惑するほどだ。現在使われている暗号の仕組みを理解しようと試みても、各種ソフトウエアコンポーネントの多様性、歴史、コードの複雑さに打ちのめされて断念する羽目になる。暗号の中核となるアルゴリズムは深く研究されているものの、企業の暗号システムを構成するその他の要素はそこまで理解されていない。したがって、この分野の科学が議論を呼ぶのも不思議はない。