中・米・日の3氏にノーベル医学生理学賞

中・米・日の3氏にノーベル医学生理学賞

 今年のノーベル医学生理学賞が、中国と米国、日本の3氏に授与されることが決まった。中国の伝統的な薬草についての文献を研究し、マラリアに効果がある調合法を見つけ出した中国中医科学院の屠ユウユウ首席研究員(ユウは口へんに幼)=84=と、寄生虫によって引き起こされる感染症の治療薬開発に貢献したアイルランド出身で米国ドリュー大学のウィリアム・キャンベル博士(85)、日本の北里大学の大村智・特別栄誉教授(80)の3氏だ。

 スウェーデンのカロリンスカ研究所は5日、今年のノーベル医学生理学賞受賞者を発表し「3氏の研究と業績により、南米やアフリカ、アジアなどの地域で、マラリアや寄生虫感染症から年間数百万人もの命を救い、感染による後遺症を最小限に抑えることができた」と功績を説明した。

 キャンベル氏と大村氏は、寄生虫に対する抗生物質「エバーメクチン」を発見した功績が認められた。この物質はごく少量でも、回虫などの寄生虫やダニ、蛆虫などを死滅させる効果があり、寄生虫の機序に広く用いられている。日本では昨年に続いて自然科学分野のノーベル賞受賞者を輩出したことになり、その数は20人に達した。大村氏は5日、東京大学で行われた記者会見で「微生物の力を借りているだけで、私がこのような賞をいただいてもいいのか」と謙虚な姿勢を示しながらも「日本には微生物をうまく利用してきた歴史がある」として、国内の研究基盤に対する自負心を表現した。

 盆唐ソウル大学病院感染症内科のキム・ウィソク教授は「今も開発途上国では多くの人たちが寄生虫感染症によって命を落としている。ノーベル医学生理学賞が寄生虫の研究者に贈られることで、この分野に対する関心を高め、途上国で発生する感染症の治療薬の研究者にも勇気を与えるだろう」と語った。

金哲中(キム・チョルジュン)医学専門記者 , 北京=アン・ヨンヒョン特派員
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