今回の料理:カツカレー
自己解放の食べ物
枝元 西原さんも大好きなカツカレーを作ります!
西原 人生の抗生物質があるとしたら、それはカツカレー!
枝元 カレーって野菜切って、炒めてってやると地味に面倒くさい。今回は野菜をミキサーにかけてから煮込みます。
西原 えっ、野菜は炒めてうまみを閉じ込めろという「法律」はどうなったの?
枝元 あれはなしで。肉には有効ですけど、野菜はどうせ煮るし、あんまり関係ない。
西原 そうなんだ、これはすごい時短だな。
枝元 カレーを煮込む間にカツを揚げましょう。薄い肉だからすぐ揚がります。カツカレーで厚い肉っていらない気がして。衣が食べたいのかな。
西原 確かにね。エビフライでもいいのかも。
枝元 カレーとご飯の配分も人それぞれですよね。
西原 私は7対3だな。カレーをたくさん食べたい。ちなみにうちの息子は全混ぜ派なの。
枝元 最初から?
西原 うん。カレーもご飯も残したくないからって。息子の友人はカツカレーだったら、まずカツでご飯を食べちゃう。
枝元 なるほど。さあ、完成!
西原 店のカレーみたい! 野菜を炒めろ、一晩寝かせろっていわれるカレーが一瞬でできるなんて。部活帰りでイライラしてる息子を待たせずに済む。
枝元 女性って、お店でチキンカレーは頼めても、「カツカレーください」って言いづらくない? カツカレーは家でいただく自己解放の食べ物なの。
西原 私にとっては、自分へのご褒美!! OLのブランドバッグ並みの!!
枝元 私、カレーといえば、羽田空港が鬼門で。
西原 あっ、分かる。到着口からすぐのところにある店。出た瞬間、カレーの匂いが……。
枝元 でしょ。「ああ、東京に戻ってきたな」って思ってると、カレーの香りが「お帰り」って誘うんですよ!
西原 友達がね、海外出張で食事が口に合わなかったんだって。帰国の日、奥さんから「すき焼きを作って待ってる」と聞いたけど、あまりに空腹だったんで、連れに「オレが空港のカレー屋に寄らないように見張っててくれ」って頼んだんだって。
枝元 あははは。あのカレー屋さん、絶対入っちゃうんだよなあ。ほんとにやばい。
【構成・中川聡子、写真・徳野仁子】
材料〈2人分〉
- A(タマネギ1個、ニンジン1本、セロリ1本)
- 水 3カップ
- トマトジュース 1カップ
- カレールー 150グラム
- コンソメ顆粒(かりゅう) 小さじ1
- 豚薄切り肉 300グラム
- 小麦粉、卵、パン粉 各適量
作り方
- Aと水をミキサーにかける。鍋に入れ、トマトジュース、コンソメを加えて火にかける。全体が温まったら火を止め、カレールーを加えて約10分煮込む。
- 肉の筋を切り、小麦粉、卵、パン粉の順につけて揚げる。
- ご飯やキャベツ(分量外)と一緒に盛りつける。
西原理恵子と枝元なほみのおかん飯、単行本発売中!
毎日新聞朝刊で連載中の『西原理恵子と枝元なほみのおかん飯』(毎日新聞社)が2014年12月12日に単行本として発売されました。「おかん飯」は一昨年12月、「おんなのしんぶん」面が新設された時から連載を開始。今回は、37点のレシピとともに料理の写真や西原さんが描いたイラスト、料理家の枝元なほみさんとの楽しい会話も、もれなく収録しています。
『毎日かあさん』など数々のヒット作を世に出した西原さん初の料理本。描き下ろし漫画も収められています。ぜひ、手に取ってご覧ください!
毎日新聞での連載はこちらから。