韓国の釜山鎮警察署は4日、室内射撃場で女性経営者(46)を切りつけ拳銃と実弾を強奪したとして、容疑者の男(28)の逮捕状を請求した。
男は3日午前9時20分ごろ、釜山市釜山鎮区釜田洞の室内射撃場で45口径の拳銃1丁と実弾19発を奪って逃走したが、4時間後に警察に身柄を押さえられた。射撃場の女性経営者は男を止めようとして刃物で腹や太ももを切りつけられ、重傷を負った。
男は警察で「自殺しようとして銃を奪った」と供述していたが、後になって「郵便局を襲うためだった」と自白した。2年間経営していた美容院を廃業したことで3000万ウォン(約310万円)の借金を負い、これを返済して飲食店の起業資金を手に入れるため犯行を企てたという。先月、釜山・海雲台の市場で凶器の刃物を盗み、犯行2日前に同じ射撃場を訪れて内部の構造を確認するなど、緻密に準備していたことが警察の調べで明らかになった。
男は銃と実弾を盗んだ後に服を着替えて靴を履き替え、タクシーを何度も乗り換えるなどして追跡をかわそうとした。人を殺すことのできる武器を持った犯罪者が4時間もの間、釜山市内をうろつき、市民が危険にさらされていたことになる。
■9年前にも同様の事件、安全管理は依然不十分
射撃場から拳銃と実弾が持ち出される事件は、過去にもあった。2006年には、ソウル市陽川区木洞の室内射撃場から拳銃1丁と実弾20発を盗んだ20代の男が2日後に銀行を襲う事件があった。射撃場経営者がきちんと通報していなかったため、警察は銀行強盗事件が起きてはじめて射撃場から拳銃と実弾がなくなったことを把握した。また、05年には釜山の室内射撃場の従業員が38口径の拳銃と実弾を持ったまま金海国際空港の保安検査場を通ろうとして摘発された。今回またしても同様の事件が起き、射撃場の安全管理と警察の管理・監督体制が過去と全く変わっていないことが明らかになった。
実弾の射撃が可能な射撃場は全国に14カ所存在する。釜山に4カ所と最も多く、ソウル(2カ所)、済州島(2カ所)、慶尚北道・慶州(1カ所)など、観光客の多い地域にある。日本人観光客が主な客だが、韓国人も利用に制限はない。
警察庁は、射撃場の利用者が偽の個人情報を書かないよう、銃器台帳の作成時に身分証の確認を義務付けるほか、2人以上の従業員がいる場合に限り射撃場を営業できるようにするなど、安全ルールを強化する方針だ。