デュポン(ティッカーシンボル:DD)のCEO、エレン・カルマンが今日、突然、引退すると発表しました。これと同時に同社は利益警告をしており、この引退は業績の悪化に対する引責辞任と取ることが出来ます。

デュポンの業績が急激に暗転した理由は、中国が当初予想されたほどブラジルから穀物を買い付けなかったことによります。中国からの需要を当て込んでいたブラジルの農家は、思いもよらぬ需要減で打撃を受けました。

これに加えて、折からブラジル・レアルは急落しており、それがデュポンのブラジルからの売上を小さくしています。

デュポンはアクティビスト投資家のネルソン・ペルツから付け狙われ、一時は「この好まざる客人」を撃退したかに見えました。

しかし今回の業績悪化は、かねてからメタボ体質を指摘されてきたデュポンの経営のぬるさを投資家に改めて印象付ける結果となりました。

当座、デュポンのターンアラウンドの采配は取締役のひとり、エド・ブリーンが執ります。ブリーンはタイコ・インターナショナルをターンアラウンドさせた実績を持っており、ウォール街にはファンが多いです。

このため短期的にはデュポンは「in play」、すなわち材料株として仕手筋の参戦も予想されます。


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