TPP大筋合意:対策本部設置へ 首相「国内農業守る」

毎日新聞 2015年10月06日 11時43分

 安倍晋三首相は6日午前、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉が大筋合意したことを受けて首相官邸で記者会見した。コメや牛肉などの農産物の「重要5項目」に関して「関税撤廃の例外を数多く確保できた。自民党が掲げた国民との約束は守ることができた」と述べ、「国益にかなう最善の結果を得ることができた」と強調した。全閣僚をメンバーとしたTPP総合対策本部を設置するとし、「国会承認を求める間に国内対策をとりまとめ、総合的な対策を実施する」と語った。

 首相はTPPについて「幅広い分野で品質の高さが正しく評価され、公正なルールを共有し、持続可能な経済圏」と説明した。国内の小規模事業者の製品や地方の名産品を列挙し、「世界に広げていく絶好の機会だ」と強調した。

 一方で影響が懸念される国内農業については「しっかり守っていく決意は今後も揺らがない」と語った。「重要5項目」の関税維持を求めた国会決議に言及し、「堅持するとともに、セーフガード(緊急輸入制限)創設など有効な処置を認めさせることができた」と説明。「我が国の誇る皆保険制度は今後も堅持する。食の安全・安心にかかわる基準も守られる。我が国の主権は全く損なわれない」とも述べた。

 首相は会見でTPPの枠組みについて「基本的価値を共有する国々と作り上げ、経済面での法の支配を強化するものだ」と指摘。「米国と日本が参加する新たな経済秩序が21世紀の世界のスタンダードになる」と語り、中国をけん制した。一方で「将来的に中国も参加すれば、我が国の安全保障やアジア太平洋地域の安定にも寄与する」と語った。

 また、アジア太平洋経済協力会議(APEC)に参加する21カ国・地域の自由貿易協定「アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)」構想や、東南アジア諸国連合(ASEAN)に日中韓など6カ国を加えた東アジア地域包括的経済連携(RCEP)構想を推進することや、日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)の年内合意に意欲を示した。また、今秋の臨時国会については「与党と相談する」と述べるにとどめた。

 7日に行う内閣改造で新設する「1億総活躍社会」の担当相については「縦割りを排した広い視野と発想力、強い突破力が求められる」と述べた。【高本耕太】

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