失敗は成功の母。
「失敗をすればその原因を追及したり欠点を反省して、手段や方法を改善するので、かえってその後の成功につながる」ことを意味することわざです。
ぼくは昔から、このことわざを聞くたびに『「失敗」という「成功の母」は、成功を生み出したらそのまま終わりなんて寂しいな』と感じていました。
photo credit: John Spade
目次
失敗は成功を生み出して終わりで良いの?
失敗は成功の母という言葉は、確かに
「失敗をしても凹まなくていいよ」・「きちんと反省すれば将来成功を生んでくれるよ」
という前向きな言葉です。
ただ、その後には必ず「原因を追及」「反省」「改善」といった失敗を失敗として受け入れる言葉が続きます。
でも、失敗は本当に「原因を追及」「反省」「改善」して将来の成功を生み出すだけでいいのでしょうか?
失敗それ自体さえも活躍させることは、出来ないのでしょうか?
失敗そのものが活躍した事例
失敗をうまく使えば思いがけない力が生み出されることは、歴史が証明しています。
実際に失敗そのものが活躍した事例では、思いがけない大成功が待っていたりするんです。
①非常に弱い接着剤が大ヒット
1969年、アメリカの化学メーカーM3社に勤めるスペンサー・シルバーは、強力な接着剤を開発中に、たまたま非常に弱い接着剤を作り出してしまいました。
当初はただの失敗作として、原因の追及・反省・改善材料としてしか見られていなかったこの「非常に弱い接着剤」ですが、1974年に同社研究員アーサー・フライが本の栞に応用できないかと思いついたことで一転して大ヒット商品となります。
そう、「非常に弱い接着剤」であることが「簡単に張りなおしが効くメモ」という利点になったポスト・イットとして。
By: Hans Põldoja
②間違って入ったアオカビが何百万・何千万の命を救った
イギリスのアレクサンダー・フレミングは強力な抗生物質の研究をするために細菌の培養をしていたとき、多忙のせいでうっかり培養皿の蓋を閉め忘れてしまいました。
そのせいで、培養皿にアオカビが入ってしまったのです。
「細菌の培養皿がカビで汚染されてしまった…。これでは実験には使えない。やっちゃったなぁ…」
と思いつつ廃棄する前にふと培養皿を観察した彼は、培養皿の中の黄色ブドウ球菌が、アオカビの周りだけは消えていたことに気付いたんです。
その後、彼はこのカビを分析・研究した結果、世界初の抗生物質を発見することとなります。
その抗生物質は、第二次世界大戦の際には多くの負傷兵や戦傷者を感染症から救い、今日でも平均寿命の上昇に大きな影響をもたらした偉大な発見として歴史に刻まれています。
アオカビの学名にちなんだ、ペニシリンという名前と共に。
By: Matt Brown
③「私にとっていちばん幸運だったのは、ハーバードを不合格になったことだ」
投資について勉強したことがある方なら必ず耳にしたことがあるであろう投資家・大富豪のウォーレン・バフェット。
彼は20才のとき、ハーバード大学に不合格となりました。
すぐに図書館へと赴き、他に入れそうなビジネススクールを探していたところ、自身が感銘をうけた本を書いた2人の教授がコロンビア大学で教えている事を初めて知り、コロンビア大学へと入学。
のちにその内の1人を師として従事したことから、彼はビジネス界において大きな成功をおさめることとなりました。
ウォーレン・バフェット自身も、「私にとっていちばん幸運だったのは、ハーバードを不合格になったことだ」という言葉を残しています。
失敗そのものを発見として活躍させていく
友達付き合いに失敗して、いじめられた経験
勉強や部活で失敗して、強い挫折を感じた経験
仕事で失敗して、大損したり大恥をかいた経験
世の中には様々な失敗があり、多くの人はそれをネガティブな過去として受け取っています。
でも、「失敗をネガティブなことだと思う」ことは「母親は専業主婦として家にこもって育児だけしろ!」ということと同じくらい旧時代的な・時代遅れな発想だと、ぼくは思います。
「母親もバリバリ最前線で働いて、男性にはない強みを最大限に発揮する」のがアタリマエなこの時代、「失敗も発見として最前線でバリバリ働いて、その独自の強みを発揮する」のがアタリマエなのではないか、と。
もし、皆さんも何か失敗することがあったときは「失敗は成功の母」という言葉を思い出して
「この失敗を反省して、何かつぎに活かす」
だけでなく、
「この失敗そのものを利用して、何かつぎに活かす」
ことを考えてみてはいかがでしょうか。