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【プロ野球】

巨人・福田が野球賭博 甲子園、巨人戦、MLB…

2015年10月6日 紙面から

福田の野球賭博関与について謝罪する久保球団社長=東京・大手町の読売新聞本社で

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 球界に大激震−。巨人は5日、福田聡志投手(32)が野球賭博行為に関与していたと発表した。同僚の笠原将生投手(24)の紹介で知り合った税理士法人勤務の男性のAさんとの間で夏の甲子園大会や、所属する巨人の試合を含むプロ野球、米大リーグの試合を対象に賭けをしていた。今後の展開次第では永久失格処分になる可能性がある。球団は刑法の賭博罪に当たる疑いもあり、警察への届け出も検討。両投手に謹慎処分を科しているが、解雇もあり得るとした。

 球界の盟主の不祥事が明るみに出た。午後4時半に急きょ、報道陣が集められた緊急会見。「プロ野球への信用信頼を傷つけたことに関して、心からおわび申し上げます」。巨人・久保球団社長は、深々と頭を下げて謝罪した。所属する福田の野球賭博への関与という衝撃の事実だった。

 球団発表によると、福田は笠原の紹介で知り合ったAさんから誘われ、8月初旬に夏の甲子園大会の試合で賭けを行った。Aさんからメールで各試合ごとの「ハンディ」が送られ、1点1万円。賭ける試合と点数を伝える方式だったという。

 最初は遊び程度の気持ちだったが、甲子園大会の負け分が増え、それを取り戻すためプロ野球約10試合、メジャーリーグ約10試合でも賭けを行い、巨人戦も3〜4試合含まれていた。最終的な負け額は百数十万円。当初はAさんから精算を求めることもなかった。ただ9月に入り、福田が子供が生まれることから賭けをやめようと、Aさんからのメールを無視。するとAさんが9月30日に百数十万円にものぼる損失をジャイアンツ球場へ取り立てに来たため、事実が発覚した。

 球団は福田を事情聴取し、携帯電話に保存されていたAさんとの通話記録や無料通信アプリのLINEのやり取りを確認。弁護士に調査を委嘱するとともに、野球協約に基づいて10月1日、熊崎勝彦コミッショナーに通報した。

 現時点で、今季1軍登板のなかった福田の八百長行為は確認されておらず、Aさんも暴力団関係者と認められてはいない。しかし、福田の行為自体は所属球団が関与する試合の賭けを禁じた野球協約第177条、所属しない球団の試合の賭けを禁じた第180条に触れる。笠原は今回の賭けに加わってはいないが「野球賭博常習者」と認められた場合は、交際を禁じた第180条に抵触することになる。

 177条が適応されれば福田は永久失格処分、180条なら1年ないし無期の失格処分となる。また、刑法の賭博罪に該当する疑いもあり、今後は警察への届け出も検討する。球団はNPBの裁決に全面的に従う方針で、久保球団社長は「当然、解雇なども考えられる」と明言。2人には厳罰が下されるのは必至だが、球界の盟主が負った傷も計り知れない。

 

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