自分は今、メンタルケアの為に会社を長期休業している。いわば、社会との繋がりを一時的に絶たれた状態だ。
大抵の場合、睡眠薬の影響が完全に切れるまでベッドにいて、その後起きてくると殆ど午前中が丸々潰れる。
起きてすぐにはそんなに食欲が無いので、フルグラを一食分食べる。
その後、ネットを見たり、散歩したり、ブログを書いたりして時間を過ごし、夕方になったら娘を迎えに、住んでいるアパートの近所にある保育園に向かう。
夜、妻が帰ってきて、夕食を食べて、娘をお風呂に入れて、三人で一緒のベッドで寝る。
最近はずっとこの繰り返しだ。
病気療養なんだから仕方ないんだろうけど、刺激といえるようなものはなく、半ばルーチンワークと化している。
たまにどうしても昼間に車を使わなければならない用事がある日は、朝、妻を30分ほど離れた職場に送っていくのだが、その帰り道はかなり危険だ。まだ睡眠薬の影響が消えていない為、ものすごく眠い。昨日も正直事故りそうになって、途中のコンビニの駐車場で仮眠を取った。
でも、そんなことでもない限り、基本的に自分は家にいて、日がな一日ネットをさまよっている。
読者登録しているブログを読んだり、人気エントリーに上がってきたニュースにブクマをつけてコメントしたり、面白いコメントには星をつけたりして、毎日を過ごしている。
ふと、時々思うことがある。
そもそも自分は文章を書くのが好きではなかった。
でも、今ははてなでブログを書いている。
最初は、娘が生まれて妻が入院し、家に一人でいるのが寂しいのと、なんとなく自分の中に溜まってるなにかを吐き出そうと思って始めたブログだが、いつの間にか読者数も増え、月間PVとかも右肩上がりに増えていった。最初の頃の数十倍の規模だ。
自分は、ブログで生計を立てようとかは考えてないし、自分のことを「ブロガー」だとも思っていない。だから、色々な人がやっているような「運営報告」とかもしない。
あくまでもこのブログは、田舎に住む、しがない会社員の戯れ言を記録しておくための、そして自分がその時々で何を考えていたかを振り返るための備忘録だ。
だけど、今みたいに一時的に社会から隔絶された状態に置かれると、もうまともな繋がりがネットの中だけになってしまい、自分の中で、はてなの存在がどんどん大きくなっているのを感じる。
そこには、光だけでなく闇も潜んでいる。
9ヶ月とちょっとブログを続けてきて、その闇がどんなものか徐々に分かってきた。
医師からは、やりたいことがあったら好きにやるようにとは言われている。
文章を書くのがたいして好きでもなかった自分が、今は書きたくてしょうがないという衝動に駆られている。
多分、それは読んでくれる人がいるから、なんだろう。
以前にmixiやアメーバを使っていたこともあったが、あの時と決定的に違うのは、誰かが読んでくれたというのが目に見えてすぐわかる事だ。スターやブックマーク、そしてGoogle Analyticsなどで。
ホットエントリーに載ったりすると、読者以外の人たちもコメントをくれる。中には自分の想いがうまく伝わらなかったりで、厳しい事を書く人もいるが、コミュニケーションなんてそんなものだ。
そんなことを何ヶ月も繰り返しているうちに、自分の心に潜む闇も見えてきた。
このまま同じ調子でブログを続けていたら、その闇も大きくなってしまうのだろうか?
はてなが自分にとって、逃れがたい存在になってしまったのと同じように、自分の心の闇も自分を取り込んでしまうほどに大きくなってしまうのだろうか。
それは、心の病気を抱えて治療中の自分にとって、果たして良いことなんだろうか。
ブログが読まれれば嬉しい。読まれなければ悲しい。それでは、最初の役割だった備忘録の域を逸脱している。
どこで道を誤ったんだろう。
こんなはずじゃなかった。
そもそも、ブログのタイトルが「Hideout(隠れ家)」だったはずなのに、沢山の人に読まれるようになって、調子に乗ってしまったんだろうか。
はてな界隈で、自分がどの辺りに位置しているのかは、自分ではわからない。
時々、オススメするブログとかいって紹介してもらうこともあるが、自分はそれでいいんだろうかとドキドキしてしまう。
mixiをやめたのは、mixiの「日記」という文化が衰退したことと、マイミクとの関係がギクシャクしてしまったからだった。
はてなではどうなんだろう。
ギクシャクしているのは、自分の心なんじゃないだろうか。
ブログ飯を目指す。PVをより多く獲得する。自分を変えるためにブログを書く。世の中には様々な理由でブログを書いている人がいる。自分は、そのどれでもない。
じゃあ、なんでブログ書いてるの?
今では、その質問に対する明確な答えを自分では見出だせない。
今日もまた闇が見える。それは自分でもわかっている。
闇がこっちを見て、自分の事をケタケタ笑っている。
それでも、こうしてブログを書いている。