【社説】元情報機関トップの情報漏洩、厳しく責任を追及せよ

 かつての盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権で国家情報院長を歴任した金万福(キム・マンボク)氏が1日、あるメディアとのインタビューで「盧元大統領と北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の間には、いつでも電話で話ができるホットラインが設置されていた」と暴露し、大きな問題となっている。このことについて金氏は「機密ではあるが」と前置きした上で「ホットラインは24時間いつでも稼働していた」「ホットラインとつながった電話が鳴ると、それはすなわち金総書記からの電話だった」などと説明している。金氏によると、金大中(キム・デジュン)政権の時にこのホットラインが設置され、盧武鉉政権までこれはずっとあったが、李明博(イ・ミョンバク)政権になると直ちに撤去されたという。

 南北の首脳がいつでも連絡が取りあえる非常用の電話が設置されていたという事実は、金氏によって今回はじめて明らかになった。北朝鮮は盧武鉉政権当時の2006年10月に最初の核実験を強行し、また長距離ミサイルの発射実験も続けていた。つまり核実験とミサイル発射を続けていた北朝鮮の故・金正日総書記と、韓国の故・盧元大統領は、実はいつでも電話で連絡ができる関係にあったということだ。ただし「盧元大統領と金総書記は実際に電話で話をしたことがあるのか」という質問に対し、金氏は「わたしが知るところでは1回もなかった」として何か一貫性の感じられない説明を行い、また「大統領府の中にホットラインなどなかった」という指摘に対しては「韓国側の国境近くにあった。その電話が鳴れば、それは金総書記の意向であるとみなされ、直ちに大統領に報告された」と述べたが、これも少し違和感を覚える説明だ。

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