英メディアがサムスン製テレビに消費電力操作疑惑があると報じたため、サムスン電子が強く反論した。
英日刊紙ガーディアンは1日、現地の非営利認証機関「ComplianTV」関係者の話として、サムスン電子の液晶表示装置(LCD)テレビについて、テスト用映像をつけると消費電力が平常時に比べ大幅に減少したと報じた。
その上で、同紙は「今回の結果は独フォルクスワーゲン社の排ガス不正問題を連想させる」と書いた。テスト用映像に合わせて、サムスン電子が消費電力を下げるソフトウェアを使用した可能性に言及したものだ。
これに対してサムスン電子は、同社の英語版公式ブログ「サムスン・トゥモロー」で、「明らかに事実でない」と強く反論した。サムスン電子は「テスト用映像が出てくる時に消費電力が減ったのは『モーション・ライティング』という技術だ。基本的にこの機能がオンの状態でテレビが出荷されているため、消費電力テスト時だけでなく普段も動作し続ける」として不正疑惑を一蹴(いっしゅう)した。
モーション・ライティングとは、動きが多い映像が出た時、テレビが自動的にこれを感知、画面の明るさを落として消費電力を下げる技術のことだ。サムスン電子では2011年から市販されているテレビの全機種にこの技術を採用してきた。テレビの消費電力は10分間の標準映像を使用し、メーカーがそれぞれテストした結果を出せば、各国のエネルギー関連機関が検証する形で認証が行われている。