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政策研究大学院大学の川崎研一・シニアフェローは「日本とEUのEPA交渉など他の貿易交渉にも波及する。日米欧の三大先進経済圏のEPA構築に向けた第一歩となり、心理的影響も含めダイナミックな影響が大きいと捉えるべき」だとみている。
<TPP契機にした生産性向上に期待>
こうした非関税障壁の緩和を含めると、日本経済研究センターの試算では、2025年の国内総生産(GDP)5.3兆ドルから1046億ドルかさ上げされるとしている。1ドル120円の換算で12兆5500億円程度の効果が見込まれる。
米国は20.2兆ドルから766億ドルプラスにとどまると見込まれており、日本は参加12カ国中最大の恩恵を受ける。
同センターの岩田一政理事長(元日銀副総裁)はこうした効果について、人口減少下での成長起爆剤として、TPPの効果は相当あるとみている。投資の自由化によって、日本企業全体の生産性が向上し、低い生産性が特徴だった流通などの第3次産業も効率化させる効果を持つと指摘。合わせてマレーシアやベトナムなど新興国において、国有企業の優遇措置が撤廃・軽減されることで、市場の急速な拡大が見込めるとみている。
(中川泉 取材協力・金子かおり 編集:田巻一彦)
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