ナポリ戦欠場のミラン本田が過激な批判連発 クラブ、監督、メディアをメッタ斬り
Soccer Magazine ZONE web 10月5日(月)7時47分配信
一方で、本田は出場機会を失った理由を把握していないという。そして、チームとイタリアサッカー界に対する怒りをぶちまけた。
「何で出れなくなったか分からない。こういう試合をやっていて出れるチャンスがないのがおかしい。イタリアのメディアの大問題だと思うんですけれど、誰がいい、誰が悪いというのをこういう試合で話すのがナンセンスですよね。ある程度、誰がやってもダメというのは、この3年ぐらいで分かったと思う。そこを今日しっかり学ばないと。(マンチェスター・)シティやパリ・サンジェルマンぐらいお金を使うか、もう少しストラクチャー(構造)の部分で見直していかないといけない。でも、選手が気づいていてもこのチームは変わらない。トップの人間が気づく、経営陣が気づく、監督が気づく。そして、選手たちが気づく。同時にファンたちも気づいていかないと。僕はファンの拍手のタイミングを見ていても、勝つことだけに左右されているファンだなと気づく。内容など見ない。勝てば拍手する」
久しぶりに120億円の補強を展開したミラン首脳陣の方針をやり玉に挙げ、オイルマネーで潤うような圧倒的な資本投資以外にさして意味はなしと主張。「誰が出てもダメ」と身もふたもないような発言を残した。ウノ・ゼロと呼ばれる1点差勝利を美徳とし、勝利至上主義という独特の文化を持つイタリアのサポーターにも矛先を向けた。
ミハイロビッチ監督は試合前の記者会見などで、選手の精神的なアプローチ次第で状況は変わると説いていた。だが、本田は指揮官の発言に同意しなかった。
「その時点で、選手に責任があると語っているという時点でナンセンス。100億ぐらい使って選手を試している。トップトップのプレーヤーではないとしても、代表チームの選手が集まっている集団。それでなぜ、彼らが出ている選手が与えられたポジションで生き生きとプレーできないのか、もう少し構造的な問題。評価基準をメディア、ファン、経営陣から大きく変えることができれば、大きく再建につながるのではないかなと思う」
かつての名門の背番号10を3シーズン連続で託された本田は黒子役のトップ下をイタリアメディアから評価されなかった無念さがあるのかもしれない。リーグ戦で1年間ゴールから遠ざかり、今季無得点、アシストゼロと沈黙が続いている本田は、指揮官の発言を「ナンセンス」と批判し、メディア、クラブとイタリアサッカー界の採点基準の改正を訴えている。
ミランには近年連動性が乏しく、周囲からのサポートも少ない。本田のミランのチーム状況に関する指摘に昨季から大きな変化はない。
「専門的な話になるんで、あれなんですけど、シンプルに言えばヒントは今日のナポリにあると思います。それが分からないようであれば、再建はあと5年 10年かかる。ナポリはサポートが速い? 2年間思っている話。逆にイタリア人に聞きたい。ユーベも危ないでしょ。これでユーベが弱くなったらイタリア危ないですよ。だから、イタリアのメディアにこれを伝えておいて下さい。また散々ぱら僕をたたくでしょうから」
昨季UEFAチャンピオンズリーグ準優勝を果たしながらも今季序盤苦しんでいるユベントスを例に挙げ、セリエAの現状を危機的状況と話した本田は、報道陣にイタリアメディアにこの日の発言を伝えるように依頼すると、スタジアムを去っていった。
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
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