失敗なんの!
2008年8月15日
内村、冨田の2人はよくやったと思う。失敗を引きずらないのは立派。内村のあん馬は、五輪前の合宿から仕上がりがいまひとつだった。最初の落下は1つのポメル(取っ手部分)で行うE難度からD難度への連続技の部分。演技後に手首を入念にマッサージしていたのを見ると、不安を抱えていたのかもしれない。
それでも内村は得意の床運動、跳馬で確実に高得点を稼いだ。さらに「物おじしない」という精神的な強さもプラスになった。4年後に向けては、A得点(演技価値点)の上積みを望みたい。優勝した楊威はつり輪、平行棒、跳馬の3種目で7点以上。内村はおよそ6点台で、つり輪はまだ5点台しかない。まだ19歳だし、潜在能力を考えると、もっと向上できる。
冨田のつり輪は、私も見たことがない落下だった。着地前の倒立に移る部分から既におかしかった。本人も「なぜか分からない」と言っていた。メダルには届かなかったが、あきらめず、よく盛り返した。日本の体操界を支えるエースとして意地、底力を見せてくれたと思う。(アテネ五輪体操男子監督、現順大監督)