第53回 レインボーだけじゃない!色んなセクシュアリティの旗まとめ

2014/06/30

まきむらよ。

毎週月曜、こちらの連載「まきむぅの虹色ニュースサテライト」をお送りしております。

今回のテーマは、

レインボーだけじゃない! 色んなセクシュアリティの旗まとめ

です。
 


2CHOPO読者のあなたならきっとご存知、↑こちらのレインボーフラッグ

なんか「同性愛者のシンボル」になってるような使い方も見かけますが、基本的にはこういう意味ですね。

「世の中は、異性愛者だけでも同性愛者だけでもなくて、いろんな性のあり方があるよね。みんなそれぞれの色があって、虹のようにカラフルだよね」

しかしこれだけでなく、世の中にはバイセクシュアル・トランスジェンダーなどいろいろなセクシュアリティを象徴する旗があります。

6月はプライド月間。世界各地で「性のあり方は人それぞれ。お互いのプライドを尊重しようぜ」っていうプライドパレードが開催されました。それらのパレードで掲げられた、レインボーだけじゃないいろんな旗を、今回の記事ではなんと11枚、ひとつひとつご紹介してまいりたいと思います。


★ (1)アライ・フラッグ

【旗の意味】
シスジェンダー(生まれた時に診断された性を生きている)で、ヘテロセクシュアル(異性愛者)だけれども、そうでないあり方のことを理解している。アライ(仲間)のシンボル。

【デザインの由来】
黒と白のしま模様は、「反対の色=異性に惹かれる」ことを表している。アルファベットのAの形に切り抜かれたレインボーフラッグは、Ally(アライ/仲間)のAと、Activism(アクティヴィズム/マイノリティの権利擁護を求める活動)のAをかけている。


★ (2)バイセクシュアル・フラッグ

【旗の意味】
バイセクシュアル(両性愛者)のシンボル。

【デザインの由来】
女性をイメージしたピンクと、男性をイメージしたブルーを上下に配置。その二色が真ん中で混じり合うようすで、「女性も男性も恋愛・性愛対象である」ことを表現している。


★ (4)トランス・フラッグ

【旗の意味】
多くの場合、トランスジェンダー(性別越境者)とトランスセクシュアル(性別移行者)のシンボル。広い意味においては、「割り当てられた性別を越える」「性別という考え方を越える」など、トランス(ラテン語由来で“反対側に行く”)という言葉でくくられるさまざまなあり方を表す。

【デザインの由来】
男の赤ちゃんに与えられるおもちゃの色であるパステルブルーと、女の赤ちゃんに与えられるおもちゃの色であるパステルピンクは、人間が生まれて物心つく前に決められた性別の色で塗られるということを暗示している。その間に挟まれた白が、「塗られていない」ということからトランスを象徴する。


★ (5)ジェンダークィア・フラッグ

【旗の意味】
ジェンダークィアのシンボル。「男/女」という区分けを鵜呑みにしない。

【デザインの由来】
一段目の紫は、男を象徴する青と、女を象徴する赤を混ぜた色であることから、「男でもあり女でもある」という自認を表している。三段目の緑は、紫の反対色であることから、「男でも女でもない」という自認を表している。そして、中央の白は、「そもそも男/女という区分けの中で生きることを選ばない」あり方の表現。


★ (6)アセクシュアル・フラッグ

【旗の意味】
アセクシュアルのシンボル。
ちなみに、日本語では「アセクシュアル=無性愛者=恋愛感情や性欲を他者に対して抱かない」「ノンセクシュアル=非性愛者=他者に恋愛感情を抱くが、性欲は抱かない」という使い分けがなされることがあるが、英語はじめ日本語以外の言語ではあまり使い分けがされていない。
そのため、日本語で言うノンセクシュアルもしばしばこの旗に含まれる。

【デザインの由来】
黒は「他者に性欲を抱かない」ことの象徴、白は「他者に性欲を抱く」ことの象徴、灰色は「その真ん中=まれに他者に性欲を抱くこともある」ことの象徴。そして紫は、それらを総合したコミュニティの象徴。


★ (7)デミセクシュアル・フラッグ

【旗の意味】
デミセクシュアル(半性愛者)のシンボル。他者に対して基本的に性欲を抱かないが、例えば深い絆で結ばれた相手に対してなど、ごく一部の場合では性欲を抱くこともある、というあり方。

【デザインの由来】
それぞれの色の意味はアセクシュアル・フラッグと同様だが、区別するために変形させたもの。


★ (8)アロマンティック・フラッグ

【旗の意味】
アロマンティック(非ロマンティック)のシンボル。伝統的に信じられてきている「ロマンティックな恋愛」に共感しない、他者に対して恋愛感情を抱かない。

【デザインの由来】
緑は、情熱的なロマンスの象徴である赤の反対色であることから、アロマンティックの象徴。黄色は友情を表すことから、恋愛という枠にはめられないさまざまな関係性を暗示する。また、オレンジはリスロマンティック(誰かのことが好きだという気持ちだけで満足し、交際しようと思わないこと)、黒は恋愛にまつわる伝統的な価値観の拒否を意味する。


★ (9)パンセクシュアル・プライド

【旗の意味】
パンセクシュアル(汎性愛者)のシンボル。
語源として「両方」を意味するバイセクシュアルが「恋愛対象は男か女」という意味で使われるのに対し、「全て」を意味するパンセクシュアルは「恋愛対象は男、女、またそのどちらでもないあり方も含めた全て」という意味で使われる。

【デザインの由来】
女性を象徴するピンクと、男性を象徴するブルーに、中間色である黄色を配置した。


★ (10)ポリアモリー・フラッグ

【旗の意味】
ポリアモリーのシンボル。三人以上で、全員合意の上での恋愛関係を結ぶこと。

【デザインの由来】
青は誠実さ、赤は情熱の象徴。そして黒は、そうした誠実な愛情をはぐくんでいるにも関わらず、「恋愛は一対一でするもの」という社会の価値観がポリアモリーの人々を日蔭に追いやっているということの象徴。そして、中央に金色で、「ポリアモリー」をギリシャ語で書いたときの頭文字であるπを配置している。


★ (11)国際“クマ系”友好フラッグ

【旗の意味】
毛深くてクマさんっぽいゲイ、いわゆる「クマ系」のカルチャーの国際的発展を願うシンボル。

【デザインの由来】
諸説ある。
ひとつは、「クマ系のゲイコミュニティにおける人種差別や年齢差別を撤廃しようという願いが込められている」、というもの。前半はさまざまな人種の肌の色を、後半は様々な年齢の人の髪の色を表している。
もうひとつは、「単に世界のいろいろな種類のクマの毛皮をデザインしているだけだ」というもの。白熊やツキノワグマやグリズリーなど、クマに分類されるあらゆる動物の毛皮を、クマの足型とともにデザインしている。


……ということで、11枚一気にご紹介してまいりました。

このほかにも「ヘテロセクシュアル・フラッグ」「リップスティックレズビアン・フラッグ(いわゆる“フェム”なレズビアンの旗)」「レザーフェチフラッグ」「デブ専フラッグ」など、性のあり方を象徴する旗は、今も際限なくつくられ続けています。

だからといって、あなたがこの中のどれかに当てはまらなければいけないというわけではありません。

また、あなたがこの中のどれかに当てはまるからといって、こういう旗の下に集まらなければならないという訳でもありません。

だけれども、本当に性のあり方というのは名前や旗をどれだけ増やしても足りないくらい多様なのだということ、そして、新たな名前や旗のもとに集まりたくなるほど人は「違う」を恐れ「同じ」に安心し「特別」でありたいのだということを、胸にとどめておきたいですね。

ということで、読んでくださってありがとうございました! また来週月曜日にね。まきむぅでした◎

牧村朝子

タレント、文筆家。 フランス人女性とフランスの法律で国際同性婚、在仏3年目。所属事務所「オフィス彩」社長の杉本彩に結婚報告の際、「伝えたいことがあってこそ芸能をやる意義があるのよ」と言われ、感銘を受ける。以来、レズビアンであることを公表して各種媒体に出演・執筆。著書「百合のリアル」、主な出演「5時に夢中!」ほか。将来の夢は「幸せそうな女の子カップルに"レズビアンって何?"って言われること」。



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