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「核のゴミ」処分場巡り疑問や不安相次ぐ
10月4日 17時32分

「核のゴミ」処分場巡り疑問や不安相次ぐ
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原発から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のゴミ」について、今後の処分場選定に向けた国の方針を巡るシンポジウムが開かれ、参加者からは、地下深くに埋めて処分することへの疑問や不安の声が相次ぎました。
原発から出る高レベル放射性廃棄物について、国は地下300メートルより深い地層に埋めて処分するとしていて、処分場の選定については、国が有望な地域を示し、その後、場所を絞り込むための調査を進めるなどとした基本方針を、5月に閣議決定しています。
4日のシンポジウムは、こうした方針を説明するため、資源エネルギー庁などが4か月ぶりに開き、この中で、実際に処分を担う「原子力発電環境整備機構」は、地下は地震の影響が少なく、数万年にわたって安全に隔離することは可能だと述べました。
これに対して会場からは、「核のゴミの処分は原発を進めてきた一部の責任だ」とか「地層処分以外の方法はないのか」などと、疑問や不安の声が相次ぎました。
処分場を作る場所について、国の専門家会議は先月、火山や活断層の周辺を避け、輸送の面から海岸の近くとするなどとした条件を示しています。一方で国は、有望な地域をいつ公表するか明確に示していないほか、国民の理解が深まるまで場所を絞り込む調査は行わないとしています。
国は、こうしたシンポジウムを今月中に全国9か所で開く予定ですが、4日の参加者は200人余りにとどまり、国民の理解をどう深めるかが課題となっています。資源エネルギー庁の小林大和放射性廃棄物対策課長は、「こうした場を地道に設けていくことで、放射性廃棄物への理解を一歩ずつ広げていきたい」と話しています。

シンポジウムの出席者は

シンポジウムに出席した75歳の会社経営者の女性は、「これまで核のゴミの問題を軽く考えていましたが、今後の世代が安全に暮らしていくために、国民としてみんなが知らなければならない問題だと分かりました」と話していました。
また、友人と参加した20歳の女子大学生は、「家に帰ったら家族でもこの問題について話し合ってみようと思います。若い世代の出席者が少なかったので、興味を持っていない人たちも気軽に参加できる機会をもっと作ってほしい」と話していました。

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